第28話
そのあと、あたしとお姉さんたちは何回か話し合った。
お姉さんは、奥多摩に先に行ってしまうのは不安だと最後まで渋っていた。
でも、タマちゃんにもまかしてと言われ、部長さんの提案を受けることにした。
その後は怒涛の展開で、結婚式や転勤、引越しの日取りが決まった。
いずれにせよ、年明けの話だ。
それからひょんなことが判明した。
傍目にはアパートに一人になるタマちゃんを娘さんが心配したのが発端だった。
タマちゃんはこのアパートのオーナーさんだった。
何年か前まで、娘さんが嫁いだ東京に一緒に住んでいたらしい。
でも年をとって、思い出の地にもう一度住みたいとここに戻ったということだ。
タマちゃんの元のお家はアパートの前の一帯だった。
夫婦二人で商売をしながら、頑張って生きた思い出の地なんだって。
タマちゃんは娘さんが言うようにちょっと不用心だと思い直したようだ。
遠縁の息子さんで、独り暮らししたがっていた大学生に住んでもらうようだ。
お姉さんは2月からは東京に出勤する予定だし、1月は行事が多くて忙しい。
12月がみんなでゆっくりできる最後かもしれない。
「さやちゃん、盛大にクリスマスしようか」
「うん! したいしたい!」
「じゃあ悠くんにツリー頼もう。知り合いに本物のもみの木貰えるみたいよ」
「それ良いな〜 でもオーナメントとか無いよ」
「イルミネーションは木に付けてくれるって。実家からボールも持って来るわ」
「じゃあクッキーで家とか星とか型抜きして飾ろうかな」
お姉さんと二人で話はふくらんで行く。 楽しみだな〜
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