第25話

「なんだ〜それじゃあ僕たちケンカすることなかったね!」

「うん! これで胸のつかえが下りたわ。」

「タマちゃんもサヤちゃんも心配してくれてたし。」

「うふふ、サヤちゃん、眉を八の字にしてたわね〜」

え〜八の字って〜 お姉さん、やだな〜


「それに、ちょっと前まであんなに嫌な人だと思ってた上司がと思うと…」

「うん、僕もちょっと感激しちゃったな。」

「ちゃんと評価してくれてたんだね。」

お姉さんは少し涙ぐんだ声だった。

「おやおや」 お兄さんはそう言ってお姉さんを抱きよせた。

「こんな結末、タマちゃんもきっと泣いちゃうだろうな。」

あたしだって、なんだかすごくうれしいな〜


「さあ! こうなれば、気合入れてサヤちゃんのパパとママ探さなくっちゃ!」

「うん! そうだね!」


え〜!! ひょっとして、後はあたしのことが二人の障害ってこと?

あたしはシュンとしてお姉さんの部屋に戻った。


少したって帰ってきたお姉さんは、あたしの元気のない様子を心配してくれた。

でもあたしは、頭がグチャグチャしてお姉さんと話し合うことはできなかった。

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