第15話

「悠くん、さやちゃんは学校には行かんよ、座敷童子だしね。」

タマちゃんがフォローする。


「タマちゃん、なに言ってるんですか。」

お兄さんが変な顔になっている。

「あっ、さやちゃん言ってなかったの? 悠くん、さやちゃん座敷童子だよ。」

お姉さんたら慌てたせいか、タマちゃんに倣っていきなり悠くん呼びになった。

「…悠くんて。  七緒ちゃんも〜 冗談は顔だけに…あっ、ウソです。」

お兄さんも訳の分からないことをブツブツ言っている。

なんだかしっちゃかめっちゃかだな〜

こうなったら実力行使。

あたしは壁の前で「お兄さ〜ん!」と手を振って、隣の部屋に消えた。


戻ってきたら、お兄さんがたおれて、タマちゃんとお姉さんに抱えられていた。

「さやちゃんったら!」

お姉さんに怒られた。 びっくりさせすぎた?


すったもんだの末、お兄さんはあたしを座敷童子と認めた。

なんだかすっかり疲れた様子だ。

でも少し落ち着くと、あたしをうれしそうにみている。

ちょっとわくわくするって言った。

よかった。 あたし、考えなしだった。


この日から、あたしたちはいっそう仲良しになった。




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