第12話
毎日が楽しくてあっという間に2ヶ月が過ぎた。
お姉さんはゾンビをやめて、身の回りに気を遣うようになった。
あたしがお片付けをする必要もほとんどなくなった。
食事をきちんととるようになったせいか、血色も良くなって別嬪さんだ。
土日はタマちゃんと3人でお昼ご飯とティータイム。
お喋りするのも楽しくて、まるで小さな家族のようだ。
タマちゃんと仕事の話ができるから精神衛生にも良いってお姉さんは言ってる。
たまにお友達と約束するようにもなって、そんな日はタマちゃんと2人だ。
お姉さんの食事を作るのも楽しみだ。
献立はタマちゃんとも相談する。 タマちゃんは経験豊富で本当に頼りになる。
朝ごはんは軽くても栄養のあるものを。
お弁当は彩り良く、コンパクトでもしっかりと。 たまにキャラ弁にしちゃう。
晩御飯は帰りの遅いお姉さんの胃に負担のないものを。
食材はタマちゃんが一緒にスーパーに注文してくれる。
今日もタマちゃんの部屋で3人でティータイム中!
今日のおやつはイチゴムース♡ …といってもとっても簡単。
牛乳を沸かしてマシュマロを溶かし、すり潰した苺を混ぜて冷やすだけ。
3つとも同じ重さで作る。
これはカトルカールならぬトワティエールだねってママが言ってた。
カトルカールをもじっただけだけど、三分の三って意味なんだって。
最後に粗く潰した苺に砂糖を混ぜてトッピング。 簡単だけど結構美味しい。
優しい味やね〜 と、2人も気に入った模様。
「七緒ちゃん、ここのところ帰るの早いみたいやね。」
「うん、何でもハイハイ言うのやめようと思って。」
「思いきったな〜」
「上司は嫌味たらたらだけど、元々本人の仕事だから押し付けられないし。」
タマちゃんはちょっと考え込む。
「う〜ん、思うように使えんで、悪いこと仕掛けてくる可能性もあるで。」
「えっ?」
「いっぺん、もっと上の人に相談してみ? まともな人ならやけど。」
「部長は時々、大丈夫か、ちゃんとやれてるかって聞いてきはる。」
「まともそうやな。 あんたを変なやつの下に付けて、気になるんちゃうか。」
「う〜ん、一度話を聞いてもらおうかな〜」
お姉さん、頑張れ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます