第6話
結局…あたしは座敷童子らしかった。
あの後、お姉さんがいろいろ質問してきて…
あたしは自分のことをあまり覚えていないことに気づいた。
小4だったこと、ママとのたわいない思い出なんかは覚えていた。
なのにちゃんとした名前も住んでいたところも分からなかった。
だけど、自分は座敷童子なんだって確信のように感じた。
お姉さんは、あたしが転生したんじゃないかなって言った。
「でもお姉さん、転生ってチートな力で無双するやつでしょ?」
お姉さんは、普通の人から普通の人への転生だってあるよって言う。
でも、なんだか損をした気分だな〜
座敷童子なんて、力もなければ好きなところにも行けないんだよ!?
「でも、分かってることもあるよ。」
「えっ?」
「たぶん地元の大阪の子だよ、そのイントネーション。」
それは違和感ないなー
「それから、お母さんじゃなく『ママ』って呼ぶ世代の子だってこと。」
「ママって呼ばないことあったの?」
「そうね、6〜70年も前ならそんな呼び方しなかったと思う。」
「ふ〜ん?」
「それにチートだの無双だの……さやちゃんの転生は最近のことだと思う。」
「じゃあママもパパもまだ生きてるの?」
「…その確率は高いと思う。」
お姉さんは何故かちょっと哀しそうにそう言った。
「あたしさがす! ママとパパさがす!」
あたしはそう言ってから、はたと気がついて……うなだれてしまった。
そうだ…あたしはどこにも行けないんだった…
その後、大泣きしそうになったあたしに、お姉さんは約束してくれた。
あたしはできるだけいろんなことを思い出すこと。
そしたらお姉さんはママとパパを探してみるって。
今は大きな欠伸をしながらお姉さんはお布団に入っている。
あたしも一緒にって言われたけど、断った。
ずっと起きてるけど、疲れもしないし眠くもならない。
どうやらあたしは、眠ることもないらしい。
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