ずっと一緒
私の名前は 優ゆう。
隣に住む、慶太けいたとは幼馴染なんだけ
ど、慶太に彼女が出来てから疎遠状態なん
だ。
でも、その彼女とどうやら別れてしまった
みたい。
今日バイト先のお友達が教えてくれた。
バイト帰り、シーンとした夜道。
傘に雨粒がパラパラと落ちる音。
パラパラパラパラ
なんかこわ〜い…
そもそも暗くて怖いの苦手!
雨でも自転車でバイト行けばよかったよー。
ガサっ。
あれ?
後ろから誰かついて来てない?
女性ならいいんだけど…
そっと後ろをみると、
ゲッ。男の人じゃん。
こわいよ。どうしよう…
とりあえず、なんかあった時ように携帯。
ピコン。
ビクッ
誰よ。こんなタイミングに!
見ると、数年ぶりに慶太からライン。
何で今?しかも何の用事だろう?
開いてみると、
安心しろ。オレがなんかあったらおっさん
退治してやる。
そうラインに入ってた。
じゃあ、あのおじさんの後ろに慶太いるん
だ。
はぁ〜。
慶太が後ろにいるってわかったら、もう全
然怖くなくなっていた。
おじさんは、後ろの慶太に気づいてすぐ角
を曲がっていった。
パシャパシャパシャ。
慶太が私の隣に並んだ。
なんか、慶太がこんなに近くにいるの久し
ぶりだな。
緊張する。
「慶太、さっきはありがとう」
「うん。」
慶太を見ると、なんか背伸びてる。
しかも、顔も大人っぽくなってるし。
「あ、そうだ。さっきのお礼にモフモフチョ
コあげる。慶太このチョコ大好きだもんね。
よくおばちゃんにおねだりしてたよね」
「いつの話してんだよ」
そう言いながら慶太が笑った。
ねぇ、慶太。ありがとう。
そう心の中でつぶやいた。
慶太がいてくれたおかげで安心して家に帰
る事ができた。
「ありがとう。じゃあね」
「うん。じゃ」
パタン。
ふぅ。
〜 慶太の思い 〜
オレには、優という幼馴染がいる。
いつも優はオレを慕ってくれている。
オレの部屋にいるのも当たり前…
じゃないんだよ‼︎
一応オレだって男なんだぞ!
優、無防備すぎなんだよ!
いつからか、優を女性として意識してしま
っている…
そんなある日だった。
同じ中学の雪って女子にある事を言われた。
仕方なく雪って女子の言う事に従う事にな
った。
私と付き合わないと優をいじめるからって。
そんなのアリかよ…
で、仕方なくそいつと卒業まで付き合う羽
目に…
そこまでして付き合うって、意味あんのか
な?
おかげで優と疎遠になってしまった。
でも、仕方ない。
優を守る為。
で、 やっと卒業。
これでもう解放される…
最後に言われた。
つまんない男って。
好きじゃないのに無理矢理付き合うとか言
うからだろーって思った。
でも、どうやって優に誤解を解こう。
解いたところでだから何⁉︎って言われなく
もない…
参ったなー。
雨の日の夜、変なおっさんがいた。
その少し前に優⁈
あいつこわがりだから、ただでさえびびっ
てんだろうに、さらに後ろにおっさんいた
ら、もうパニックだろうな。
ラインしてやるか。
あ、タイミング悪かったかな。
今、優ラインが来てビクッってなったな…
でも、ラインみてから少し背筋が伸びた。
気持ち持ち直したな。
おっさんもどっか行ったし、優ん所行くか。
久しぶりに優の隣に並んだ。
なんか優ちっちゃくなったか⁈
オレが伸びたのかな。
優にあの事なんて伝えようか迷ってたけど
なんも言えないまま家に着いてしまった…
よし!
明日、優を誘ってみるか。
朝、優がオレの部屋に居た。
優は、もう一年以上オレの部屋に来てない。
あぁ、夢か。
なら、思いっきり夢を満喫します。
「優、おいで」
両手を広げて優を抱きしめた。
そして、昔からずっと好きだったよ。と伝
えた。
うん。知ってるって言いながら優がオレに
キスをした。
夢にしては、くちびるの感触が…
これ、夢じゃない⁈
「優‼︎」
「ん? おはよ!目覚めた?」
「思いっきり覚めた」
夢じゃなかった。
だから、今度はオレからキスをした。
何回も 何回もね。
おしまい
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