第90話 がんばれ、トム・クルーズ!
映画館で『トップガン マーベリック』を観てきた。1986年に公開されて大ヒットし、主演のトム・クルーズをスターの座に押し上げた映画『トップガン』の続編です。
おもしろかったですよ。ツッコミどころ満載でしたけど。ひと言でいうと、マッチョなパリピが戦闘機を乗り回してウェイウェイやってる映画です(笑)
ウェイウェイしてるキャラクターたちの中心にいるのが、今年59歳になるトム・クルーズだというのが……なんていうんでしょ。あっぱれです(爆)すごいぞ、トム・クルーズ。わたしも老けこんでられないな。トムおじさん(下手すりゃおじいさんだ)も頑張ってるんだから、わたしも頑張ろうと思えてくる映画でした。
映画の中身は、筋肉と戦闘機と向こうっ気が躍動する、エンタメに振り切ったバカ映画です(褒めてます)。バカ映画だけれど、確かにおもしろい――というのは、なんだかラノベに通じているような気がする。なんだかんだ言っても、おもしろけりゃいいんだろと、開き直っておもしろい映画作りましたってヤツが、この『トップガン マーベリック』です。
80年代が持ってた、おバカで陽気なアメリカのセンスを、35年たった20年代に追体験できる貴重な映画だと思う。アラフィフの人なら、一瞬であのころに戻れる映画。まだ観てないなら観るべき。
あと、とにかくマッチョな映画。軍隊の映画だし、登場人物はほぼ全員、マッチョマン(マッチョガール)で、頭の中は単純。考えるのはまどろっこしい、行動あるのみ――って、ハリウッド映画で描かれるヒーロー(ヒロイン)像あるじゃないですか。アメリカ人の好きなヤツ。
「うじうじ考えるな」「行動しろ」「強さは正義だ」……みたいな価値観? それがキャラクターの外見の筋肉マッチョと結びついてて、わたしにはちょっと気持ち悪い。強くない軍隊に存在意義はないので、そういうところから来た価値観なのかなあ。「体を鍛えろ」「強くなければならない」っていうこの映画の感じは。
59歳のトム・クルーズが筋肉ムキムキって、常識的に考えると変――というか、「歳を考えろよ」「年寄りの冷水って言葉知ってる?」といいたくなるのですが、こういう映画を撮ってしまうアメリカって。
――いつまでも強くないといけない。
あるいは、「いつまでも若くないといけない」っていう呪いにかかってるんじゃないですかね? いつまでも映画の中で身体を張って頑張っているトム・クルーズはアメリカの呪いの象徴なんじゃなかろうか。
映画のおもしろさとは別にそんなこと考えてしまいました〜。
あ、映画館で予告編見たんですけど、トムはもうひとつ、『ミッション・インポッシブル』の新作でも観られるみたいですね。すげーなほんとに。呪いでもなんでもいいから、俺たちの代わりにがんばってくれ、トム!
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