第83話 観光地はどこへ行っても同じという話

 このあいだ、丹波篠山市へ行きました。関西圏以外の人に向けて書きますと、これは「たんばささやまし」と読みます。丹波の黒豆(黒大豆)が有名なほかは、たいして観光資源に恵まれた町だと思いませんが(丹波篠山市の人、スミマセン)、街中が結構、観光地化していることに驚きました。


「きれいになってるね~」


 およそ20年ぶりに行ったんですよね。20年前はこんなじゃなかった(観光地化していなかった)。


 思い返せば、県内の観光地がどこも似たような感じに再開発されていることに気づきました。有馬温泉もそう。城崎温泉もそう。神戸北野坂はもちろん。天下の姫路城周辺だって21世紀に入ってからきれいに再開発されました。


 いまどきの観光地は、きれいで、おしゃれで、安心感がありますね。旅行気分も盛り上がります。ただ、地元の人間から見ると、いかにも観光客相手の商売をしてるって雰囲気が強く、お土産などお値段も高いです。たとえば、神戸観光に来て、南京町辺りで「神戸牛」の看板に釣られて食べちゃダメですよ。高いし、ホンモノかどうかわかりません。神戸市民は観光地で「神戸牛(正式には「神戸ビーフ」という)」を食べたりしませんよ、ぜったい。


 ちょっと話がズレました。


 観光地の観光客相手のお店って、兵庫県内に限らず全国どこでも同じような雰囲気なんですよね。そんな風に感じたことありませんか? ここ20年くらいの間にキレイ度とオシャレ度が上がると同時に画一化が進んだように感じます。


 わたしが子どもの頃(もちろん昭和ですが)、観光地のお土産物屋さんっていうのは、ごちゃごちゃと猥雑な感じで、「観光客相手に儲けてやろう」という山っ気を感じたものですが、いまのお店はおしゃれでスマートです。


 わたしもおしゃれでスマートなお店の方が好ましいと感じます。

 が、全国どこへいっても同じように好ましいお店ばかり並んでいるって、逆に気持ちが悪いです。なんていうでしょう……観光客の心理を読んだ街づくり、店づくりをしているというか……その観光客に金を落とさせるマーケティング戦略(?)にまんまと乗せられている自分が気持ち悪いというか。。。


 全国どこ行っても同じサービスが受けられるってのは、顧客情報を研究し尽くしたコンビニだけでいいんですよ。観光地の街づくりにそんなのいらないんです。もっと地域の個性を感じたいんですけど……ないものねだりなんでしょうか。


 って、小説とはぜんぜん関係ないお話でしたね(汗)今日もがんばります!

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