第82話 かつらが外れた話
エピソードタイトルを読んで、
「ついに藤光も、寄る年波と後退する生え際に負けてかつらを付けるハメになったか。 しかも外れただと!」
と目をむいた方もおられたかもしれませんが、残念ながらわたしの話ではありません(わたしの頭髪はまだがんばるそうです)笑
毎週末、わが家は一週間分の買い出しに近所のスーパーへ出かけるのですが、そこで見かけた店員のおじさんの話です。
おじさんと書きましたが、わたしから見て結構なおじさんだったので、実年齢は70歳くらいだと思います。実際はおじいさんですね。
おじさんはスーパーの陳列棚に商品を並べる仕事をしていました。わたしはカートを押してそばを通ったのですが、俯いてケースから商品を取り出しているおじさんの後頭部に違和感を感じたのです。
「ん?」
後頭部が妙につるりとしているのです。よく見ると毛がありません。
「んん?」
首筋にわずかな頭髪が残っていますが、どうやら◯ゲちゃっているようなのです。でも、頭頂部にはふさふさと髪の毛が……かつらだとすぐに分かりました。しかし、そのかつらは後頭部をまったくカバーしていません!
――あちゃ。
他人事ですが、恥ずかしくなりました。
きっと家でかつらを付けるときは鏡を見るんだと思いますよ。現にそのおじさんを正面から見ると不自然じゃなかったですもん。(正面を確認したのかい!)
鏡で見てちゃんと付いているのは確認したのだと思いますが、後頭部までは一枚の鏡じゃ確認できないですもんね……。残念、おじさん。
しかも、それだけ後頭部の毛がない部分が丸見えってことは、ずっと前に作ったかつらを間違えてつけてきちゃったんじゃないですかね。返す返す残念なおじさん。
このかつらのずれたおじさんのことを考えてると、自分の小説のことが心配になったんですよ。(心配なのは小説じゃなくて。おまえの髪じゃないのかって? 違いますよ〜)
こんなこと書いているわたしも結構なおじさんなので、小説に書いているテーマや文体が「古いかつら」や「サイズの合ってないかつら」になってやしないかなと不安になったのです。毎月2本ほど、得意げに短編をアップしてますが、「ズレてるよねこの小説」「書いてる人、ズレた小説書いてることに気づいてないのかな」と思われてやしないかと、ちょっと怖くなったのでした。
流行からズレてる自覚はありますよ(笑)ぜんぜんラノベは書けないし、キャラクター物も書けないから。ただ、読者の肌感覚からかけ離れた独りよがりな小説は書きたくないんですよね。でも、自分じゃ分からないですから。小説を映して見る三面鏡を持ってるわけじゃないので。
読者さんにアピールして読んでもらうしかない――ということで、皆さん読んでください。◯ゲてたら教えてね(ペコリ)
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