第49話 私的、BL概史②

 引き続き、『BLの教科書』第1章の内容について、わたしのつぶやきとともに紹介します。


☆☆☆


☆このジャンルが誕生するに当たっては、「女性であることの生きにくさ」が大きく関係していたといえる。(中略)そのため当初、少女マンガにおける少年は、男というより「(とりあえず)女でないもの」として描かれており、女であることの抑圧から切り離された少女の分身という意味合いが強かったと考えられる。(P

8-9)


 この意見は、以前読んだ『100分de萩尾望都』で論者の女性たちが「トーマの心臓」について指摘していた内容とほぼ同じ。70年代(作者の竹宮さんや萩尾さんたちは1950年前後に生まれている)、女性に対する圧がまだまだ強かった時代だったんだな~と思います。



☆「やおい」の誕生――80年代後半にジャンルとして確立した「やおい」は、基本的に同人誌で発表された作品を指す。もともとは同人作品を自嘲的に評した「やまなし・おちなし・いみなし」(自分の描きたいところだけ描いて、ストーリーの山も落ちも意味もない)の頭文字をとってできた言葉で、言葉の初出は波津彬子の主催する同人誌『らっぽり』の「やおい特集号」(1979年)にさかのぼる。(P9)


 バブル期だったかな、はじけた直後だったかな、「やおい」という言葉が一般にも知られるようになったのは。そのやおい作品を読んだことはありませんでしたが、「やまなし・おちなし・いみなし」作品が、創作のハードルをかなり低くしてくれるっていうのは、実際創作するようになった今では深く納得するところですね~。



☆1980年代後半、コミケ等の同人誌即売会において「キャプテン翼」に登場する男性キャラクター2人が恋愛関係にあるという設定のパロディ作品群が爆発的な人気を博したことから、やおいはその意味を変える。(中略)既存のマンガやアニメのなかの男性キャラクター2人を取り出して、その2人が友情を超えた関係にあるという設定で描かれた二次創作作品を指す言葉として広く知られるようになった。(P10)


 ここに至って腐女子が誕生するわけですね。なんで「キャプテン翼」だったの? 翼くんと岬くんでしょ。思いもよらないけどな~。



☆1980年代後半以降の「キャプテン翼」二次創作ブーム以降のやおい隆盛において重要なのは、現在では海外でも有名になっている「攻・受」のルール、つまり2人の男性キャラクターのうち、どちらかを「攻」、どちらかを「受」と設定して作品を描くという「お約束」が一般化したことである。


 ぜんぜん知らない。腐女子のあいだで一般化したってことでしょ。海外でも有名って……おもしろいなあ。


(次回へつづく)

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