第48話 私的、BL概史

 こないだ近況ノートに書いた『BLの教科書』という本。借りてきました~。澄田さんから「ぜひ、借りてきてください!」とコメントいただいたからなのですが、わたしはBLを読んだり書いたりするつもりはないんですよね……。ただ、


 ――なんで女性はBLを楽しく読むんだ?


っていうのは気になるし、とてもその理由を知りたいんです。この本に書いてあるのかなあ。回答への手がかりが掴めないかと思って読んでみようと思います。


『BLの教科書』(掘あきこ/守如子 編 有斐閣)


 有斐閣かあ。法学系の専門書が多い出版社ですよね。タイトルは柔らかいけど、内容は固く、BL研究の学術書(論説集)です。BLと研究のギャップがおもしろそ~じゃないですか?


 全14章のうち、第1章しか読んでませんが、この第1章がBLジャンルの歴史を概観する内容だったので、本文から抜き書きしつつ、わたしの感想を挟んでいきたいと思います。以下()内に本書の頁数を示します。


☆☆☆


☆「少年愛」の登場――「少年愛」という言葉を意識して創作された最初の作品は、一般少女マンガ誌である『別冊少女コミック』1970年12月号に発表された竹宮惠子「雪と星と天使と……」である。この作品は、2人の少年のヌードが描かれたり、キスシーンがあったり、当時としてはかなり過激なものであった。(P3)


 えーと。わたしが生まれた年代とほぼ重なります。50年以上前なんですね。「良妻賢母」って言葉がまだ生きていた時代。女の子の読み物に男性同士の性愛が描かれる作品は衝撃的だったと思います。



☆『JUNE』の創刊――(前略)とくに竹宮惠子「風と木の詩」の性描写が大変な反響を呼んだのを見て、1978年「男同士の愛」を大きなテーマとして掲げ、竹宮惠子のイラストを表紙にした雑誌『JUNE』が創刊される。(P7)


 わたしが男だからでしょうか。当時、小学生でしたがまったく知らないです。男の子だったわたしには、「男同士の愛」はまったく興味の外だったのだと思います。そんな雑誌があったんだ……。



☆のちに成立するBLジャンルの代表的なレーベルの1つである角川ルビー文庫の初期の作品の多くは『JUNE』に連載された小説作品である(後略)。(P8)

(前略)角川ルビー文庫は、1992年12月に角川スニーカー文庫から、のちにいうBL作品群を独立させる形で創刊された小説のシリーズである。(P13)


 おー。小説のことも書いてある。

 でも、初期の角川スニーカー文庫の読者だったわたしですが、ルビー文庫の創刊は覚えてないなあ。やはりBLはわたしの眼中になかったんですね~。


(次回へつづく)

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