第28話 ハラハラしながら見る

 あ、『鎌倉殿の13人』の感想です。見ていない人すみません。


 リアルタイムでは見ていないんですけど、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。まあまあおもしろいです(辛辣)。



 辛辣になってしまう理由――源平合戦の物語は、「平家物語」という超強力なコンテンツの影響から、《京都から鎌倉(及びその他の地域)を見る》視点で理解してきた。そのため《鎌倉から京都(及びその他の地域)を見る》『鎌倉殿の13人』の構図が新鮮なんだけれど、しっくりこないというのが一番ですね。


 新しい視点から源平合戦――というより、東国武者政権の成立――を描こうとしているように思いますけど、歴史ファンならいざ知らず、一般視聴者には「よく分からないんだけど?」っていうドラマになりかけているように思います。がんばれ〜三谷幸喜。


 まだ見てないですけど、この間の放送では「亀の前事件」というのが描かれたらしいですね。頼朝の正室・政子が、側室・亀の前の屋形を焼き討ちする『後妻打ち』(うわなりうち)を行ったエピソードです。


『後妻打ち』は、むかし、これまたNHKの『タイムスクープハンター』で取り上げられていたことがあって、めちゃ興味深く見てたんですよね。三谷脚本、こういうのも入れてくる? 歴史好きだな〜。きっとわたしが知らない歴史小ネタもいっぱい入ってるんでしょう。


 ちなみに『後妻打ち』とは、こんなものとして理解されてます――


 後妻打ち(うわなりうち)とは、日本の中世から江戸時代にかけて行われた風習のこと。夫がそれまでの妻を離縁して後妻と結婚するとき、先妻が予告した上で後妻の家を襲うというものである。

(Wikipediaより いつもお世話になってます!)


「うわなり」というのは、後妻のことをいうらしいです。後妻打ちは、最近よく目にする「NTR」に対する報復ですね。実際に襲撃するというのは驚きですが、そりゃ腹が立ちますよ。わかるわかる。でも後妻だけが悪いわけではないでしょう、前妻は旦那も打てばいいのに(笑)


 ところが『タイムスクープハンター』によると後妻打ちに男の出る幕はないみたいです。前妻、後妻共に女ばかりを味方に集め、前妻が後妻の元へ「討ち入る」らしいです。女同士の戦。どこまで本気で、どこからがセレモニーなのか、よく分からん習俗ですが、現代の視点から見るとおもしろいことに間違いありません。


 ただ、手を出しちゃならんという男の立場は、いたたまれないというか、もどかしいというか複雑ですけどね。え、藤光にも「うわなり」がいるんじゃないか? 残念ながらそういう人はいないので、うちの奥さんがどこかに討ち入る心配はしてません。

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