第4話 黙認の設定

 この世界は魔法が全て。なぜこんな小さい町にランク2の魔術師が来たんだろう。そういう町、魔法を使える人間が少ないという意味だ。


 魔石のベッドに横たわるとすぐ回復できる。考えをまとめながら町の至るところに伝書魔法を飛ばす。みんなこの魔法に馴染みがあるからすぐ来てくれるはずだ。


 生徒は赤魔術師様を手伝うこと、弱い魔力のものは家畜と共に行く方を手伝うこと。魔法を使えないものは家畜や乗り物の準備と、隣町の街道に集まること。さらに力の弱い女子ども老人は移動魔法をかけることを伝えた。


 一部の生徒とライトから脳内へ返事が来る。こっちの方が魔力を使う。


「ハヤテ、お前これが終わったら俺についてこい。お前の力は役に立つ」


「役に立ちませんよ、回復終わったのでそちらに向かいます」


「そんなことはない、今お前の生徒から居場所を聞いた、こちらに飛ばすぞ」


「あ、はい!」



 ハヤテは魔石のベッドから、隣町との街道へ再移動した。

 炎で雪の壁を溶かしているライトがいた。生徒たちはライトから指示をもらい、やってきた家畜や住民の装備を整えていた。長旅になると寒さで疲労してしまう。服の魔法をこの短時間で教わったのか、とハヤテは生徒が羨ましくなった。


「おお、ハヤテ!こっちこい!」


「はい!生徒にまでご指導ありがとうございます」


「物覚えが早いんだ、よっぽど普段の成績がいいんだろう」


「そうなんです!ミナトなんてもう…!あ、すいません、手伝います」

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