第3話 神妙に積雪

 炎を浴びて傷がふさがりやや元気を取り戻した妖精はそれは綺麗で。魔石へと戻っていく。


 それでも灯火が赤く強くなっただけで、弱々しいことに変わりはない。ただその幻想的な光景をハヤテは目に焼き付けた。はじめてみるものが多すぎてチカチカしながら、赤魔術師の質問に答えていく。


「被害の程度に差はあるが世界中でこうなっている。ここが一番ひどい。お前は何の専門だ?」


「僕は専門の魔術師ではありません。ノーマルの魔法使い、ランクは6。たいしたことはできません」


「そうか、町の人を避難させるしかないな。雪でおおわれる恐れがある」


「それは、すぐ起きますか?」


「もって2日、隣町と一緒に我が街に移動する。お前は町へ知らせろ、あと被害の強いところがあれば俺が行く」


「ありがとうございます!本当に助かります!!」


 ハヤテは頭を下げながら、被害の強いところを思い描いていた。


「この町には魔法を使えないものも多く、その分家畜や移動手段があります。道を開ければ自力で行けるものもいます。移動魔法を全員にかけるわけにはいきません」


「そうか、ここはそういう町か。わかった」


 赤魔術師はライトと名乗った。隣町との街道までライトの移動魔法を使う。もうハヤテの魔力はつきかけていたからだ。これではいけない。


「家に戻って回復します、ここから近いので。すぐ戻ります」


「魔石回復か?俺がしてやる、」


「いいえ、ライト様の魔力を使いすぎるわけにはいきません」

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