58話 色々あって
私が街中で暴れてから数日が経った。
あれから本当に色々あったとのことなのだが後始末は全てアンゲロスに任せたので私はあの後どうなったのかは知らない。ってか知りたくない。
あの後見たのは滅茶苦茶疲れている様子のアンゲロスだったので絶対に碌な事が起こっていない。逃げるようにお姉様達を宿泊予定の場所まで送って、ハクオウの場所まで逃げたのでここで知ってしまえばアンゲロスに色々言われるのは確定なのでそれだけは絶対に嫌である。
まぁ、そんなことは置いといて今日はハクオウが学園に入学するための試験を受ける日である。
「ハクオウ自信ある?」
「当然です。ここ数日滅茶苦茶勉強しましたし、人間視点で見れば俺はある程度魔法も剣術も出来る方なので合格は間違いないと思いますよ」
本人も言っている通り、今の時代の人間から見ればハクオウは魔法と剣術。どちらも高いレベルで使える...というか剣術に関しては剣聖だし...ので合格は間違いない事だろう。
勉強に関してもここ数日でめちゃくちゃしていたのは確かなのでこっちも一応大丈夫だと思う。
「それはいいんだけど....私も試験を受ける必要があると....?」
「はい。いくら招待生とはいえルールはルール見たいですので」
ハクオウに関してはもう問題などないと思っているのだが当日に私も試験が受ける必要があると言う事が判明した。
何かあった時のためにアンゲロスに調べさせていたのだが、本当に調べさせて良かった....
これがもしギリギリに判明していたのならば私は確実に発狂していたのだが幸いにもまだ2時間ほど時間があるので今のうちに暗記をすればなんとかなるはずである。
魔法と剣術に関してはもう何も問題はないと思うので本当にここで暗記をするだけで私は合格できると思う。多分だけど....
「まぁ、なんとなく予想はできていたしね....」
そう、ある程度こうなることは予想出来ていたので一応私も勉強をしていたのだ。
本当に僅かななのだがそれでも、思考加速を併用して使っていたのでかなり勉強をできているはずである。まぁ、過去問とかが二本とは違ってないのでどうなっているのか全く分からないのが怖いのだが...
「そしたら私が問題を盗んできますか?」
「あー....それは却下で」
アンゲロスならば問題を盗むことなど容易にできると思うのだがそれは、それだけは絶対にやりたくない。
理由としては、それをすれば負けな気がする。私としてもそんなずるをしてまで学園に入りたいというわけではないのでそこまでする意味が全くを持ってないのだ。
「そしたら、私も勉強ちゃんとしようかな....」
今までは暇つぶしという側面が大きかったので大したことをやっていなかったのだが、なんとなく、気分で学園に入ってみたいと思ってしまった私は残り2時間で全力で暗記をするか?そういう風な思考が出てきた。
実際に、歴史を学ぶために学校に行くというのは面白そうなのである。
調べてもらった限りだと学園の中にある図書館には学園の生徒の極僅かしか閲覧を許されていない本があるとのこと。その本の中身が普通に気になっているのだ。
「うーん....別にリース様ならば勉強しなくても大丈夫だとは思いますけどね?」
「それも一理あるんだけどね....」
確かにそれも一理ある。
沢山転生している私は無駄に知識量だけ多いし、魔法や能力を使えばそのすべての知識を思い出す事が出来るのでもしかしたら勉強などしなくても学園に受かるかもしれない。それは確かにある。
しかし、軽く勉強した限りでは色々と常識が変わってしまっている為、私の知識が通用するのか怪しいところである。
というか、実際に私の知っていることと歴史の中では色々と違う点があったので通用しないと考えておくのが一番なのである。通用すればそれでいいし、通用しなくてもそう考えておけば勉強する気にも慣れるというものだ。
「そしたら私が至急集めてきますか?」
「あ、いや。俺がある程度の本は持っていますよ?姫様から渡されていたお金で買っていたので」
そういうハクオウの手には5冊の本がある。
歴史、算数、精霊学、魔法学、魔法書。確かになんとなくで受験に出てきそうな教科の物がそろっているので結構頑張って集めたのだろう。
本当に私が使っていいのか?
一瞬そう思ってしまったのだが、ハクオウからの好意を無碍にすることはできないのでここはおとなしく貰っておくべきだろう。それにここでもらわなければ本格的にアンゲロスに盗んできてもらうことになってしまうような気がするのでそれだけは絶対に阻止したいという魂胆が隠れているのである。
「そうですか...そしたら私は創造の女神に関して情報を集めてきますね」
「お願いね。ってか、それを最優先事項にして頂戴....」
そういえば私自身も忘れていたことなのだが
とはいっても私も自分が起こした騒動のせいで本当に忘れていたことなのだがアンゲロスが覚えていないというのはおかしい....いや、滅茶苦茶疲れていた様子だったし今回ばかりは忘れていても仕方がない.....?
そこのところは本人しかわからないことなので気にしないようにしておこう。私が気にしてもわからないのは確実なので、意味が無いのだ。
「了解です。そしたらリース様も頑張ってくださいね」
そう言うと、私の影が揺らいでその中にアンゲロスが入る。
私の記憶が正しければこんな能力持っていなかったはずなのだがいつの間にか手に入れていたのだろうか?と言っても便利になるのはそれはそれでいいのでまぁ、大丈夫だろう。
「そしたら、私も頑張りますか!」
ちょっと色々起こしてしまったのだが、頑張って受験を受けるとしますか....
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