45話 ルート決め

「あ、今日は授業の方見学できるみたいですよ?今は試験前ですし少しでも知ってもらいたいからの取り組みみたいですね」


「少しでも受験生にやる気を出してもらいたい....そんな感じかな?」


 いくら魔法でのセキュリティーがあるとはいえこんなにオープンな感じで見学何てするはずがない....と思うのでこの期間限定だけなのだろう。

 というかこんなことを常にやっていたら普通に生徒の邪魔になるので日本で言うところのオープンキャンパスを受験生の息抜きを兼ねて行っていると言ったところだろう。


「まぁそんな感じでしょうね。それでどうしますか?」


「うーん....まぁ、まずは普通にぶらぶらしてみない?」


 確かに授業を見学するのも中々に面白そうなのだがそれよりも私は色々と自分の眼で見て発見をしてみたいのである。

 時間的にもかなりの余裕があるので学園を探索してからでも授業を見学する時間は十分にあるはずである。まぁ、仮になかったとしても時間逆行を使えばこの時間まで戻ってくることは可能なので特に大丈夫だろう。この程度の為に結構の魔法を使うのはどうかと思うが時間逆行は私しか使い手がいないのでバレることは無いだろう。


「リース様がそれでいいのなら私はそれに従います」


「ありがとね。そしたら色々と回ってみまようか!」


 アンゲロスは私の意見に特に反対してくる様子はない。というか反対するときは必ず私がヤバい事を言っているときくらいなのでこういう時にアンゲロスが反論することはどない。

 そんなことからアンゲロスに聞けば私がヤバい事をやっているかどうか、それを判断することが一瞬で出来るので本当に便利である。配下をこんな使い方して良いのかわからないけど....


「とは言いましても場所が多すぎますがどうします?」


「むふふふ、そこはさっきルートを決めたのよ!」


 そう私だってただただアンゲロスに話を振りかざしていたわけではない。頭の別のところでは地図を見ながらちゃんとルートの計算をしていたのだ。

 こういう時だけ私の頭は無駄に働くのでかなり念密に計画を立てる事が出来る。そして今回も多分きっと恐らく非の打ちどころのない完璧な計画になったと思うのでアンゲロスに文句を言われることは無いだろう。


「完璧ですね。流石こういうところには無駄に頭が働くだけはあります」


「それ少し罵ってない?」


 とうとうアンゲロスにまで私の事を馬鹿にしてきた気がするが気にしない。聞き返してしまっているけど気にしないのだ。いちいち気にしていたら私のメンタルがブレイクして一生修復不可能になるので気にしないのが正解なのだ。

 それにアンゲロスがあんなことを言うのは私の自業自得の面がかなり大きい気がする。だから私がどうこう言っても私が変わらない限り意味が無いと思うのでこういうのは言わないのが正解なのである。


「気のせいですよ。それよりも早く行きましょ?まずは....訓練所ですか?」


「うん!魔法の訓練所ならこの時代の学生が使う事の出来る魔法のレベルを知る事が出来るかもでしょ?」


 授業を見るついでに学生が使う魔法のレベルも知れるかも?という魂胆が見え見えの最初の場所。実際入学前に魔法のレベルを知る事が出来ればどれくらい制御すればいいのかの指標が出来るのでここで知っておくのは私にとって滅茶苦茶大事なのである。

 普通は魔力制御など簡単なのだが私の場合は魔力が多すぎるので魔力の制御だけで一苦労するのだ。それに仮に魔力の制御をできても少しでも気を緩めてしまえば魔力が爆発する可能性があるので事前にどれくらい制御する必要があるのかというのを絶対に知っておくべきだと思う。


「そうですね。私の魔力でさえもかなりめんどくさいのでリース様の無限の魔力は私の比じゃないでしょうね...」


 私に比べると少ないのだが私以外の人から見るとかなり多い魔力を持っているアンゲロス。私ほどではないがその魔力を制御するのはかなりめんどくさいみたいなので私が魔法訓練所を見たいと言う事に理解を示してくれた。

 大変なものは事前に準備をしておくだけ楽になると相場で決まっているのでここはぜひとも絶対に見学したいものである。

 そんな背景があるので時間があるうちに魔法訓練所まで行きたいのである。


「それじゃあGOGO!」


 この時代の学園の魔力がどれくらいなのか....まぁなんとなくで予想は住んでいるのだがそれでも百聞は一見に如かずというし、もしかしたらワンチャン予想よりも多いことがあるかもしれないので見に行くのが大事なのである。

 そんな意味不明な事を考えながら私はアンゲロスと一緒に歩き出すのだった....

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