35話 巻き込まれ体質
もう私巻き込まれ体質ではないのだろうか?そう思ってしまいそうなほどに最近は色々と起きている。思えばずっと昔からそうだった気がしてしまう。
何かあっても私が変化とこに巻き込まれてしまう。今回だってそうだ。私は何も悪いことをしていないはずなのにこうやって巻き込まれてしまう。
「リース様、この愚か者を斬る許可を」
「出すわけがないでしょうが!!」
だめだ。真面目そうなハクオウがこんなことを言うなんて一体何が起きたんだ?現実逃避からか思わずそんなことを気にしてしまう私。
仕方のないことだろう。いつもは真面目ですツッコミ役のハクオウがこんなことになってしまっているなどよほど大事が起きないと想像することができない。
「落ち着きなさいハクオウ。一体何があったのかしら?」
「この者がですね....」
ハクオウの話を聞くとハクオウが怒こっても仕方ないような話が出てきた。
まずハクオウが腰にかけている日本刀なのだが私が持っているものには及びないもののかなりの名刀となっている。それこそこの時代の人達が誰と持っていないほどには凄まじいものとなっている。そんな刀に目をつけたのがハクオウにイチャモンをつけて刀を奪おうとしたとのことだ。
これは仕方ないよね。思わずそう思ってしまう。なにせハクオウにとってその刀は命そのものであるとこの前言っていた。知らなかったとはいえ冒険者の男はハクオウの命とも言えるのもを奪おうとしたということになる。
だからこれに関しては冒険者の男が悪いとしか言いようがないのだが....
「テメエもその男の仲間か?ならいいテメエの武器もよこしやがれ!!」
私がたまたま持っていた
確かに
それは使うだけではなく持っただけでも適応されることになり....
「死んだわね」
「ええ。リース様の剣を取るなど言語道断です」
私の身体能力と動体視力を持ってすれば冒険者の男の動きを見切って止めることは簡単だ。しかしその程度で許してしまえばこいつはまた同じような事をやってしまうかもしれないのでここはわざと殺した方がいいのだ。
光魔法の派生形....というか強化系....である聖魔法の1つ『
「こんなすげぇ剣は見たことねぇぜ....手始めにお前らを殺してやるよ!」
目の前の奴は
だけど使うことはできない。先ほども言ったが少しでも持っていればその魂が消耗される。そしてそもそもの話になるのだが
だから私が許可をしなければ持っているだけで力は使えないが魂は消耗されるという不良品そのものになる。
「死ねぇぇぇ!!!」
男の魂を視る。
やはり
「死ね」
「は?」
私がそう呟いた瞬間、男の魂の輝きが消えて、魂そのものが無くなる。
それと同時に男の四肢が破裂し血しぶきが大量に上がる。それだけではない。首も刎ねられたように破裂し、そこからも大量の血が噴水のように上がる。
これが魂が無くなった末路。魂とは生物の根源であり生物が生物であるために必ず必要な物質。それが無くなれば神でさえも終わる。それが私の長年の研究で出た結論である。
「
魂そのものがなくなっても存在自体は世界に記憶されている。そんな世界についている記憶から復元するのが
完全な死者蘇生というわけではない。なにせ復活するのは本物と同じ姿、性格、思考回路をしたクローンにしか過ぎないのだ。まぁ、それに気づいているのは私と、アンゲロスを含めた私の配下の一部だけので知らないのが当たり前の事実なのだが.....
「どうかしら?一回死んだ感想は」
まるで悪人のような笑みを浮かべる私に恐怖したのか復活したばっかの男は固まってしまう。
今回は私が殺したわけじゃなくて
「あっ、ああぁぁ」
糞みたいなやつの絶望に染まった顔は確かに美味しいのだが今はそんなことはどうでもいい。このままでは私の評価が最悪の物になってしまう可能性がある。
それだけは絶対に嫌である。
「創作魔法:
苦渋の決断だが私はこのことに関して見守っていた人全員から記憶を消すことにした。勿論アンゲロスとハクオウには
とまぁ、私の巻き込まれ体質が起こしてしまった事件かもしれないが最終的には記憶を消去したし一応大丈夫だろう....
これ以上何かに巻き込まれるのは本当に嫌なのだが今までの事を考えると絶対に無理な事だろう。そう考えるとこれからについてどんどんと憂鬱になってしまっていく....
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