34話 途中の休憩
「ハクオウ!ついたよ!」
寝ているハクオウを揺さぶる私。勿論王都に付いたわけではなく宿泊予定の宿についただけである。
王都には馬車でも1週間程度かかるのでこういうふうに途中で宿が設けられている。馬車でめちゃくちゃ酔う体質の私にとっては宿が本当に天国に思える。私が酔いに対して弱すぎるというのも天国に思える原因だろう。
「くァァァ....おはようございます。リース様」
そんなことを私が思っているときに呑気な欠伸をあがるハクオウ。こんな揺れがすごくて寝れないような状態で寝ることができるのは本当に尊敬することができる。
そうしてハクオウが起きたことを確認した私は宿の中に入ろうとしたのだが....
「リース様!
まぁ、危険だったし喋れないようにも細工を仕掛けていたしで忘れる環境に私がしてしまったのは否めない。否めないのだが元はと言えば危険な発言をしたアンゲロスが悪いので忘れていたことは許してもらおう。
「待っててね。今解除するから」
そう言って指パッチンを私がするとアンゲロスにかかっていた
しかし私はその程度で満足することはない。ラノベでよくある指パッチンで魔法が解除できるように改造したり連中したのだ。
練習の成果もあり今では他人の魔法でも指パッチンをすれは解除したり、発動不可能にもしたりすることができる。ラノベ知識は本当に偉大である。
「肩が凝りそうですよ...」
「え、
というか
「気持ちの問題ですよリース様....」
私のツッコミにそう反応してきたのだがその憐れむような目をやめてほしい。別に私はそこまで憐れじゃない....と思うしアンゲロスにそんな態度を取られる理由がよくわからない。
まぁでも、気持ちの問題という言い分は私にとっても理解することができる。私の首を絞められて痛いとかだって気持ちの問題である。要するに魔族は意思...というかイメージ....で色々と感じ方が変わると言う事だがそれは関係ない事だ。
「まぁ、アンゲロスがそれでいいなら私は何も言わないわ」
「そうですか....」
そうアンゲロスに伝えたのだが今回は憐れみもあったのだがそれ以上に呆れの感情が表に出ているような気がする。気がするというか溜息をついているし確実に呆れられているのだろう。
しかし意味が分からない。
特に何か変な事をしている....わけではないし問題だって起こしていない。その上何故私が憐れみの目で見られるのだろうか?意味の分からないことは本当にしないでほしい....
「まぁ、私の事はいいです。リース様は馬車酔いで気分がすぐれなさそうですしすぐに宿に向かいましょう」
「そうだね....ってかハクオウはもう行っているんだ....」
アンゲロスに言われて思い出したのだがそういえば馬車で酔って気分が悪くなっていたのだ。アンゲロスがくれた酔い止めで気分は普通なのだが効果が切れれば反動でまた気持ち悪くなるかもしれない。
そんな可能性があるので早めに宿に行くのは正しい選択だと思う。
ハクオウもすでに宿の中に入っているみたいだしこれ以上外でしゃべる理由などは無いのだ。
「あぁ...うぇっぷ」
酔っていることを思い出すと再び気分が悪くなってきた。勿論期のせいかもしれないが魔族はイメージで魔族はどんな感覚にもなる。それの特性を元魔王だった私も受け継いでいるらしく酔ったと思えば本当によってしまうのだ。
こういう無駄な特性は人間になるときに捨ててほしかったものである....
「言った傍から気持ち悪くなっていますし....私が宿まで運びますか?」
アンゲロスからの提案。断るべきか受けるべきか悩むものである。
普段なら速攻で受けるのだが今回の場合は勝手がかなり違う。先ほどまでアンゲロスはヤンデレガチレズストーカーになっていたので何か変な事をされてしまう....そんな可能性がまだ残っている。
アンゲロスを信じて提案を受け入れるか多少無理してでも自分の貞操の安全を確実に確保するか。悩ましいところである....
「変な事をしないと約束できるかしら?」
「...............はい」
この無駄に長い間は絶対に何かする気満々だ。だったら勿論無理に決まっている。
こんな信じられない返答がアンゲロスから来るのは本当に初めてである.....いつもは頼れるお姉さんなのになぜこうなってしまうんだ.....
「自分で宿まで行く事はできるし大丈夫よ」
「そんなぁ....」
残念そうな声を上げるが私には無意味である。アンゲロスよりも流石に自分の身の安全の方が大事なのでこれも仕方がない決断なのだ。
宿に入るまでにいろいろとありすぎたがこれでやっと休める。そう思ってドアを開けたのだが....
「あ゛ぁ゛?」
「ぶった斬る」
ドアを開けたのだがそこにはハクオウが冒険者らしき人物と喧嘩している姿があった。
これはまためんどくさいことになりそうである.....
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