5話 冒険者パーティー
私がCランク冒険者になったから一日が過ぎた。
前日の夜、ずっと私は新品のギルドカードを眺めていたため少し寝不足気味。
しかし、今日から始まる冒険者生活のために『
「ふぅ....今日から冒険者生活頑張りますか!!!」
アーゼさんに紹介された少しいい宿屋の部屋、鏡の前で頬を叩きながら私は自分を鼓舞した。
と言ってもCランクの依頼は下位の魔物、オークやゴブリンなどの討伐なのでここまで気合を入れる必要はないが、気持ちの問題と私は割り切る。
「さぁ、頑張りますか!!」
「あっ、リースさんおはようございます!」
「おはようございます、カイナさん」
私がギルドに着くと、朝早くと言うこともあり、ほとんど人がいなかった。
受付のカイナさんや、酒場でお酒を飲んでいる人だけしかいなかったので昨日のような活気は今は無い。
「もう依頼を受けに来たんですか?」
「はい!もう凄い楽しみだったので、すぐに来たんですよ!!」
カイナさんに聞かれた私は、食い気味で依頼を受けるのが楽しみということを告げる。
今までも魔王退治や、邪神の撃破など依頼っぽいことはしていたが、報酬金がクソほどもらえなかったので私の中ではノーカンつまりは初めて受ける以来ということになるのだ。
「張り切るのもいいんですけど、無茶しないでくださいよ?それにリースさんはCランク冒険者とはいえまだまだ初心者なんですしパーティーを組んだ方がいいですよ?」
「うーん.....やっぱりそうした方がいいですかね?」
「リースさんがどう思えど、私はそうした方がいいと思いますよ」
カイナさんは案の定私にパーティーを組むのを進めてくる。
いくら私がCランク冒険者と言えど、昨日なったばかりの新人冒険者、カイナさんの忠告は至極当然の物であり、私もそれに納得していた。
だけど.....
「すみません....やっぱりその、1人が良いんですよね.....」
それでも私はソロでやりたい。
理由はクソ女神の時みたいに誰かに裏切られるのが怖いのだ。
今ではクソ女神の事を恨んでいるが、その時はクソ女神にしか縋るしか生きる方法がなかった。
今クソ女神に裏切られても何も感じられないが、その時は本当に悔しかった、だからまた同じような事が起きるかと怖くなってしまうのだ。
「そうですか....あ、でもアーゼさんが昨日リースさんが帰った後にパーティー組んでほしいって伝えて、と言ってましたよ」
「アーゼさんが......ですか?」
改めて依頼に目を向けようとしたときカイナさんがそんな爆弾発言を置いてきた。
裏切られるのは怖かったが、アーゼさんとなら一緒にパーティーを組んでいいと思っている私が心のどこかにはいた。
「はい、アーゼさんがリースさんとパーティーを組みたいらしいですよ?」
「カイナちゃん、リースちゃん来た?」
どうするか悩んでいると、後ろからアーゼさんの声が聞こえてくる。
その声はやはり私にどこか安心感を与えてくれる声だった。
「あ、アーゼさん何で私とパーティー組みたいんですか?」
「そんなの、リースちゃんが可愛いからに決まっているでしょ?」
アーゼさんに理由を聞こうとすると、食い気味に『私が可愛いから』という理由が返ってきた。
その可愛いという言葉に私は反応してしまい、少し顔を赤らめてしまう。
「可愛いっていわれて嬉しいのね?」
その言葉に私は静かに頷いた。
可愛いと言われて恥ずかしいけど、それよりも嬉しいという感情が多かった。
「それで、私とパーティー組んでくれる?」
「わ、わかりました.....」
私もアーゼさんは好きだし、何故か安心できるので断る理由が特になかった。
それにアーゼさんがSランク冒険者と言う事にも私がパーティー組む理由になっていた。
「それじゃあ、宜しくねリースちゃん」
「よろしくお願いします!!」
「よかったぁ....それじゃあアーゼさん、リースさんパーティー登録の手続きを始めますね」
なんやかんやでアーゼさんとパーティーを組むことになったけどアーゼさんとなら楽しくできそう!!
初めての依頼、絶対に頑張るぞ!!
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