気まぐれ魔女マリーチ
次郎台寺茶陀
貧乏脱出大作戦
「高額当選したんやでワイ」
ジンのそんなあからさまな嘘には
誰もが呆れ華麗にスルー
「女の子と会う約束しただや」
それもネカマに騙されただけ
『ジンの話は信じるな』
皆の家にはそのメモが貼られているほどだった
ある日のこと。
日雇いに溢れて空き缶回収に勤しむジンの前に突如謎の美女が現れた。
ジン「はうあ!」
美女「ははは、ご苦労なこったな
空き缶回収シーよ!」
ジン「わ、ワイはそんな名前とちゃう!」
美女「黙れルンペン
あたしは気まぐれ魔女マリーチ
退屈を拗らせてアンタを救いに来た幸運の女神!」
ジン「ううっ……魔女やのに神とはこれいかに!」
マリーチ「いたらん口はいっちょ前やな池沼のくせに」
マリーチ「まぁよいわ。
暇なのでそんなゴミクズのお前の願いをひとつだけ何でも叶えてやろうじゃないか。さぁ何でも願え貧乏ブ男」
ジンはうろたえた
「うぅぬ……っ!
なんやこの女っ……
いきなり現れて言いたい放題……」
「どうした。願わないなら私は帰る。栄のゴリラの願いでも叶えに行くとするぞ じゃあ」
「まま、待ってくれ!」
「ほんとに何でも……?」
「ええ。明日仕事にありつきたいとか炊き出しにありつきたいとか
ほんもんの女と会う約束したいとか何でもいいのよ」
わざとなのか魔女の言葉はどれも意味のない内容である
「か、金でも?」
「あぁそうね。勿論いいわよ。いくらでもね」
普通ならからかわれてるだけと思うだろうがそこは流石ジンだけあって
にわかに信じてしまう
「か、か、金やー
金くれやー!!」
「はっ!
でも何か恐ろしい見返りを求めるんやなそうやな!」
マリーチ「ははは
どっかの悪魔野郎と一緒にしないでもらいたいね〜
私はただ……生まれながらの池沼
親にも見放され仏壇も片付けられ
井戸だけ残されドヤ街の片隅でひっそり生きてる貧乏バイシュ★★ンのアンタが
私のもたらしたひとつの幸運からどんな明日を切り拓くか
見たいだけなの ンフフ……」
いやらしげに微笑む気まぐれ魔女
「それで?いくら欲しいの?」
ジンは叫んだ
「ひゃっひゃっひゃっ
100億円くれーーーい!あひっ!あひっ!」
「はい 100億」ドーン
ジンの目の前に大量の札束が現れた
ジン「あ、あひっ……!!」
気まぐれ魔女「じゃーね!バイバイ」ヒュルー
魔女は消えた
ジン「ひゃひゃひゃひゃひゃ……百っ百っ……!!」
元々おかしな頭ではあるが更に狂いを見せた
そしてΣ(´ロ`;)ハッと気付く
(これどうやって持って帰る)
そうこうする内に
その辺のホームレス達が群がってきた
「わーわー」
「なんだなんだ」
「金だー」
「ぎゃー」
ジン「ななな、これはワイのやー!ワイのやー!さわるなワイの……グホ」
ホームレスたちに蹴りたおされジンは死んだ。
マリーチ「あらまぁ
けど、この人たちにひとときの幸せを与えたって事で
唯一だけど今生の徳を詰んだわけだ良かったじゃな〜い
あ、あたし結構いい事言った今」
【EDテーマ 花の子ルンルン】
ルルル〜ルンペン ルルル〜ルンペン
ルルルンルン ルンルンルー
幸せをもたらすと言われてる
【完】
気まぐれ魔女マリーチ 次郎台寺茶陀 @hoito
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。気まぐれ魔女マリーチの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます