久真は熊?

背後に視線を感じる。


ここ最近ずっと見られている気がする、部活の後輩の神城さんに。

僕、彼女を怒らせるようなことをした覚えがないんだけどな…


でも僕が声をかけて怒ったら…と思うと怖いし、もう少し我慢しよう。


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数日後。久真誕生日、当日


「久真、誕生日おめでとう!これ部員からの誕生日プレゼント!いっぱいあるから、帰ってから開けてな」

「あっはい、ありがとうございます」


部活中、槇先輩から皆からのプレゼントが入った箱を受け取る。


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「何が入ってるんだろう?」

寮の自室に帰り、プレゼントが入った箱を開け中身を取り出していく。


「なんだこれ…高級鮭の缶詰め?あ、手紙が付いてる」

缶詰めに引っ付いている手紙を開封する。


『久真先輩へ。

これ食べて、もっとクマらしくなってください。

神城日和より』


「神城さんだ…何か変な期待をされている気がするけど、正直缶詰めはありがたい…

あ、もう一個はほぐし身タイプだ。」

缶詰めのラベルを確認する。


「うーん、クマっぽいって何だろう…?ペン太わかる?」

「ペー?」

首をかしげるペン太。


「もっと強くなれってことかな…?

やっぱり今時の子の考えることはわからない…」

そう呟きながら次々にプレゼントを次々と開封していく。


ちなみに誕生日を過ぎてから日和の尾行はなくなったらしい。


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(おまけ)


久真誕生日一週間前。


「久真先輩の誕生日プレゼントどうしょう…?全然思い付かない…!

でも…用意しないと槇先輩が『誕生日はみんなでお祝いしないと!』とか言ってきて煩いだろうし…」

頭を悩ませる日和。


「ウダウダしてても仕方ない。とりあえずお母さんにメッセージ送ってみよ!

『先輩の誕生日プレゼント全然思い付かないんだけど、どうしたらいいと思う?』送信っと」

スマホを取り出し、母にメッセージを送る。


『まずはその人をよく知ることが大切なんじゃないかしら?

あと手元に残るモノより、食べ物や入浴剤とか消耗品の方が良いかも。寮暮らしの方が多いんでしょ?』

すぐに母から返信のメッセージが来る。


「…なるほどね。部活でしか会わないから、普段どんな生活してるか知らないかも。

放課後とか休み時間に調査してみるか!久真先輩、ホントにクマか気になってたし。」


こうして日和の久真旭尾行作戦が開始した!



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(後書き)


久真君のお誕生日祝い企画に参加させて頂きました!

去年の誕生日イラストに文章を付けた感じです。


スペシャルサンクス:おこま

槇君の口調調整&タイトル考案ありがとうございました!

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