日和誕生日SS

授業が終わって、自分の寮の部屋に帰ると大きい荷物が置かれていた。

「何これ…?クール便?」


荷物を開け、中に入っている手紙を読んでみると…

『日和へ。誕生日おめでとう!

日和が親元を離れてから初めての誕生日だから奮発しちゃった。友達と食べてね~!よい誕生日を!

マリアより』


「え?これ中身何?

アイスケーキ!デカすぎでしょ??

えーと、とりあえず薫に連絡!」


急いでスマホを取り出し、薫にメッセージを送る日和。


『このメッセージを読んだら、美味しい紅茶を持って私の部屋に来て!』


·


·


数十分後…


薫がドアを開けて日和の部屋に入ってくる。


「日和ちゃん来たよーってどういう状況?」

アイスケーキを机に出して写真を撮ろうとする日和。

「良いタイミングで来たわね!このケーキ食べない?」


「いや、2人では無理だよ!この大きさ!」

「それは私も思う。何人分あるかしらこのケーキ?」

「部活の人、全員呼んでも大丈夫なんじゃないかな?」


「はぁ…めんどくさいけど呼ぶか全員。

薫、紅茶はどれだけ持ってきた?」

「茶葉で持って来たから全員分余裕であると思うよ。」

「わかった。後で寮のキッチンからポット取って来るわ。食器類は私が魔法でなんとか作るか。後片付けが楽だし。部活のグループにとりあえずメッセージ送らないと!」


『私の母親が誕生日にめちゃくちゃデカイ誕生日ケーキを贈ってきたので、食べたい人は私の部屋まで来て下さい。

っていうかプレゼントとかいらないから祝う気持ちがあるなら全員さっさと来なさい!よろしくお願いします。』


「写真を撮って送信…っと!

これで皆来てくれるかしら…」


「みんな優しいし大丈夫だよ。

それにしても凄いね、このケーキ。」

「こんなのただの親バカよ…」

ため息をつく日和。


「私、小学生の時は友達なんて呼べる人が居なくて誕生日パーティーとかしたことなかったの。

だから私が親元から離れて『友達出来たよー』『部活に入ったよー』って報告してきたのがよっぽど嬉しかったのかしら。」


「良いお母さんなんだね。」


「そうかな…自分ではわからないけど。

…そうだ!薫、春休み私ウチに来ない?家めちゃくちゃ広いからゲストルームもあるし、母も喜ぶと思うわ。」


「えーと…考えておくね。」


「それより皆が来る前に皿と紅茶用意しないと!寮のキッチンに行くわよ、薫!」


「う、うん!」


(終)


----------


Happy Birthday 日和ちゃん!


一度は書いてみたかった親バカエピソード回です(笑)


多分ケーキは先輩方が来て無事食べきったんじゃないかな。ご想像におまかせします。

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