神城夫婦の出会いの話
日和ちゃんの家族を考える。
·神城光輝(こうき)
おもちゃ会社キャッスルカンパニー社長。
ドがつく程の真面目。
娘である日和に会社を継がせたいと考えている。
妻には弱い。
·神城マリア
いつもニコニコしている。
趣味は妄想。
妖精やお姫様が好きで、妄想のメモを書いてた。
父とは高校の同級生だった。
父とセットで変人仲間扱いされてた。
異名は「図書室のシスター」
そんな二人の出会いの話です。
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とある高校
掲示板前
定期考査の順位が貼り出されている。
「神城、今回もテストの順位1位じゃん!スゲー!!」
「いや、別に…当たり前だが。」
「相変わらずクールだな!」
「じゃあ俺は図書室に行くからこれで。」
「つめてーな!なぁ、図書室の噂って知ってる?」
「?」
「稀になんだが図書室に超可愛い子が居るらしくて!確か『図書室のシスター』って呼ばれてるらしい!会ったら教えてくれよな!!」
「はぁ…わかった。それじゃあ。」
図書室へと歩いて向かう。
テストの点なんて高くて当たり前だ。
自分は会社の次期社長、学があって当然。
その前にテストより大事なモノがある、高校入学時に父から出された課題だ。
·
·
約1年前…
「いよいよ高校生になる訳だが…次期社長候補のお前に課題を出しておこうと思う!」
「はい」
「まずは会社の仕事を掴むために男の子向けと女の子向けのおもちゃのアイデアを何か一つずつ考える事!これは友達と考えても良いぞ!
それとこれは大学卒業までで良いのだが…、結婚相手を見つけることだ!」
「わかりました」
·
·
ひたすら真面目に勉強していたら、何故かクラスでは「神城君って堅物だよねー」とからかわれたり「石頭」とか言われたりする。
そんな俺に寄って来る女子など居るはずもなく、気づいたら図書室の住人になっていた。
図書室の扉をガラッと開ける。
「フフ!そうなのー!
マリね、今回のテスト頑張ったの!」
窓際で知らない女が一人で喋っていた。
俺は危険を察知して、ガラッと扉を閉める。
「ねー!なんで扉閉めるの!!」
扉を閉めたはずだが、すぐに開いて女が出てきて俺を引っ張った。
「ヤバそうなヤツが居たら閉めるだろ!」
「マリ、変な人じゃないよ?」
「いや、お前変なヤツだろ!
なんか一人で話してたし変なモノ見えてるだろ!」
「ん?妖精さんのこと?」
「妖精?」
「この辺に居るよー!図書室に居るのはね…リブロちゃん!本が好きなんだよー!」
身振り手振りをして自作のノートを見せてくる女。
「ノートを押し付けるな!」
「ごめんね、久しぶりに人と話せて嬉しかったんだ。
なんか図書委員さんが『お前煩いから、この時間に来い』って表くれてさー、久しぶりに人に会えたの!」
「はぁ…」
べらべら喋る彼女に圧倒される。
妖精とか言ってる女の事だ、噂には詳しいと思い尋ねてみる。
「お前『図書室のシスター』の噂知ってるか?」
「『図書室のシスター』?それ多分私の事だよ!名前がマリアだから勝手に噂が出来たのかなー?」
「なんか…真実知ったヤツらが皆がっかりするタイプのシスターだな。」
「そういうの私嫌いー!
見た目とか名前とか生まれで判断して勝手にがっかりしてさー、もっと個人を見てよ!」
俺も『社長の息子だから…』とか普段から人の色眼鏡で見られることが多かった。
「ふふっ、お前意外とそういうこと考えるんだな。」
「ちょっと!?マリのことバカにしてる?
でも…なんか君話しやすいし、反応が面白いから許してあげる!」
「正直…、俺もこんなに女子と話すとは思わなかった。」
「ねぇねぇ、お兄さん名前なんていうの?」
「神城光輝…一年生。」
「私の名前は夢見マリア!私も一年生なの、よろしくね!
あ、ちょっと待ってて!」
彼女はとてとてと歩いてコピー機を操作し、ペンで丸を付けて表を俺に渡す。
「これ、私が居る日と時間!よかったら話に来てよ!じゃあねー!!」
すたすたと図書室を出ていく彼女。
「なんだあいつ…」
疑問を浮かべつつ静かになった図書室で勉強をした。
「でも…あいつの絵キレイだったな…」
·
·
後日
「なぁ、居た?『図書室のシスター』?」
「…居なかったよ。」
「ちぇー!!」
ホントは会えて、名前も居る時間を知っているのだが、なんか教えるのが癪なので教えなかった。
今日もすたすたと図書室に向かう。
「あ!神城君だ!」
「ホントに居るんだな…」
「その時間に来たのはそっちでしょー!
さて、今日は何の話をしようかな!」
これが後の妻になる夢見マリアとの出会いの話である。
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これいる??
気力があれば続きます。
ちなみに日和ちゃんは父似です。
[おまけ]
Q:図書室でべらべら喋ってて大丈夫なんですか?
A:図書委員も先生も居ない時間だからセーフです。マリアが図書委員から貰った表は図書委員と先生が居ない時間帯が書かれてます。
多分図書委員とか先生にだる絡みしてウザいと思われたんだろうなー(笑)
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