第40話 ギルムの戦略

ユーリー率いる軍は深山を抑えて、次なる目標を定めていた

「ユーリが言う」

神聖光国は食糧の大半をエルネに頼っているわ

そこで、我が軍はエルネを占領するわよ

そこを取れば、神聖軍は自然に退くようになるわ

そのような事が出来るのですか⁉

神軍の欠陥は兵糧よ、軍が移動するには欠かせない

我が軍はエネル取り、敵を干ぼしにする

敵は食糧を取られると補給が出来なくなり、他かの軍も撤退するしかないわ。

連中の食糧は、もってあと1ヵ月よ

そう言われてみれば…


いま神軍の望むのは、食糧のある間に勝利を掴む

それなら、私達は、神軍の食糧期地を押え逆に、短期決戦よ

そうすれば、敵は総崩れになわ

この時こそ、勝負よ一気に進軍して本国を取る

ただ油断は禁物よ

もし失敗すれば足元をすくわれるわよ

さすがユーリ様、神軍の欠陥を良く知っておられ

さまざまな戦術を知ってますな。

それと、南方のブロフ中将にエルネへ向うように伝えなさい。

「わかりました」


ブロフ様、ユーリ元帥より伝書です。

敵補給期地に向へとの事です。

エルネへ⁉

ユーリ様もエルネへむかい短期決戦でこの戦いを終わらせるようです。

ユーリ様へ反信、分かりましたと伝えよ


「ユーリが言う」

さあ、一気に全滅させるわよ

ユーリ率いる軍は、エルネに向かって進軍したのだった

「アリスが言う」

ユーリ様、このままエルネに向かっても良いのでしょうか⁉

えぇ、大丈夫よアリスの考えている懸念材料は取り除ぞいているわ

そうなのですね


ユーリは、この侵攻に対して全べての敵を全滅させていた。

さらに、ブロフ中将率いる軍は南部戦線蹂躙し、北上していた

これにより、ユーリとブロフの両軍は合流したのである

「ブロフが言う」

ユーリ様、お待ちしておりました。

ブロフ、ご苦労様、南部戦線は順調だったようね

はっ‼

神軍の兵力は予想していたよりは、少くなく抵抗もありません。

ふふ、この国は、長らく戦火に遭ったことはないわ

だから侵攻も計画通りに進んだ。

それに、弱り切った神軍を攻撃すれば早晩参るでしょうね。

神聖光はこれで終りよ。


神聖光本国では、南方のオルハン中将の軍が壊滅した報を受け、戦略の見直しを迫られていた。

「オルス司教が言う」

「トオス元帥」今回の作戦は、やはり無りがあったのではないか⁉

トオスが答える

「イエ」今回の作戦は失敗したとは思ってません

むしろ、攻撃に出て正解だと思います

なにが、正解なのだ‼

声を荒げるオルス司教‼

守りに撤するのも良いですが攻撃はもっと難しいのです。

攻撃に撃って出たおかげで敵の兵力が分かりました。


情報部の報告では、敵の兵力は、12~13万でしたが、実際には、34万との事です。

これは、情報部の報告ミスであり失態です。

ですが!、私は、このミスを聞かなかった事にします。

オルス司教も、それで良いですね

黙まり込むオルス司教

トオス元帥は、司令部に対して全軍の撤退を命じた

とくに、南部のオルハン中将の軍に対して必死に連絡を取ろう

と心みたが返事が無かった、さらに近付の東部正面軍とも連絡が途絶えてしまっていたのである


ロス大将に連絡、撤退せよだ。

1方、ロス大将は撤退の報を受け戸惑っていた

「その時である」

ロス大将敵襲です‼

な…なんですって、

敵は、前戦を突破し、間もなく我が軍に到達します。

くっ‼早いわ、

なぜ、敵に気づかなかったの⁉

はっ‼報告によると、敵は、急に目の前に現われたそうです。

急に現われたですって‼ありえないわ。

考えるロス…

ロス様考えている暇はありません。

至急撤退命令を願います。

全軍撤退よと叫けんだ瞬間敵が襲って来た

これにより、ロス軍は、敵と乱戦となり、司令部は機能が麻痺に陥らせたのである。

その後、ユーリ、ブロフ、ロキエの進撃より神聖光軍の全べては全滅されていたのである


さらにユーリは軍を進め殻倉地帯に進軍

エルネを押さえに掛かった。

これにより、神聖光国は完全に降伏し、トオス本国のゼリオスは城を明け渡したのである。

魔王ギルムは、大地図の前に立つ。黒く塗られたアトラ大陸の東端にある国を見た、ティオス国である、ラムドと同盟を結び彼の目の前に立ち寒がったのである

この連合軍を打倒しなければ、我の抱く世界征服の野望は達成されぬ

「しかし、事は急ぐまい」

と、自分に言い聞かせた。

「やはりリーズ占領を急ぎ連合軍を脅かすべきだな

いずれはアトラ戦線もわが国の勝利に終わるだろう」

と、一人の男が入室

「リリス元帥がお見えになりました。」

「通せ」


「ギルム様」

「うん」

「ご用でございますか」

リリスよ、ここへ来てくれ」

と、ギルムはテーブルに誘う

目の前に地図が広げられていた。

ギルムの手で、太い線が、地図上に引かれていた。

「リリスよ、万難を排して、アトラを陥せ」

「わかりましたわ。しかし、ギルム様に申し上げます」

キール戦線でありますが、私の1存で援軍を派遣致しました。

「良いぞ」

「ありがとうございます。」

「神光聖国の状況はどうか」

「と、1人の女性が入室してきた」

ギルム様、リリス様

「どうしたのだ⁉」

はい、朗報です。

ユーリ様が神光聖国の制圧に成功致しました。

「まことか」

「さすがは、ユーリね」

「ははッ、くくくッ」

ギルムは笑う

これで残りはアトラ、リーズ、ナドラ国だな

制圧を急ぐのだ

「わかりましたわ」


ところで、ギルム様、先日、不審な魔力の波動が感じられました

ふむ、リリスも気づいたか、

では、ギルム様もですか‼

うむ、あの魔力の波動は…」

「古の邪竜王ヴェルザー」

ギルムの顔が険しくなる

「リリスが言う」

まさか、あのヴェルザーですか‼」

「うむ」

しかし、彼の者は、3000年前に、神々によって封印されたはず。

もしかして封印が解け掛かかっているのでは⁉

ギルムが言う

「誰が封印を解く者がいるかもしれぬな」

「何者かは知らぬが余計な事を…」


「ギルム様」

ヴェルザーが復活したら、わが軍は、背後に敵を作ることになります

そうなっては、ギルム様の世界制服の計画に支障がでますわ。

うむ、奴が復活する前に世界を我らが物にする事が先だ

だが奴の復活が先なら計画を変える事にするぞ

このギルムの言った計画は後程語るとしよう

「わかりましたわ」

リリスよ、奴の動きと波動の位置を突き止めよ。

奴の所在が分かりしだい攻撃するぞ

さらに、「全」元帥を招集せよ

「はい」

たのんだぞ。


「・・・・・」

ヴェルザー…邪魔はさせんぞ。

ギルムは、ふたたび、テーブルの地図に向かって立つ。

手中に収めた神聖光国の領土に目を向ける。

彼の領土は徐々に増えていた。

佳きかな、佳きかな

魔軍の強さは、すなわち作戦の巧みさ。ここが魔軍の最高司令官

たる魔王ギルムの凄いとこだ。

東南戦線における予想以上の勝利が、より魔軍増長させたのである

事実???線を擁する神聖光国さえも、あっけないほど敗れた・・・


だが、このギルムの良い気分を壊す報告があがる。

ギ・・・ギルム様

「何事かね⁉」

「ㇵッ!!」報告致します

ミ・・ミレイ様が敗れ、生死不明です。

な・・なんだと!!

それは、かくじつな情報であろうな

はい、確かな情報であります。

「ミレイ様は」

ティオス国のハルヒロと言う者に1騎討ちに臨み死闘の果てに敗れたとの事です。

し・・信じられん

ミレイ程の強者でも勝てないのか。

その報告はリリスにしたのであろうな。

「いえ」今からです

報告を急げ

「分かりました」




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