第36話  電撃作戦

魔軍司令官カイズ元帥は、西部のヴオル河戦線においても、圧倒的優勢を維持していた。

そしてカイズは、厳しいナドラの冬を持って侵攻したのだ。


「リン中将が言う」

カイズ様、わが軍の装備は、十二分に考慮され寒冷地でも自由に動けますわ。

むしろ、ナドラ軍のほうが、凍てつく寒さの中で士気が下がってます。

さらに、そこへ魔軍のライナ大将率いるオーガ戦車兵が津波のごとく突入したのだった。


ライナの戦車軍団は、易々と前線を突破、縦深防衛陣地をローラーで圧し潰すごとく、蹂躙したのだ

閣下、ライナ大将が敵防衛陣を突破しました。

うむ、1気に侵攻せよ‼

今やナドラ軍は、バーク河はおろか、クニバ河を、遥か遠きナグラ西麓まで追い詰められていた


話しを戻す。

ギルムは、全世界を席巻した。アトラ、リーズ、ナドラ、神光国へすら

戦線を拡大し、世界の覇権を目指している。

西半球は、今や北西東南も魔軍の旗が翻っているのだ。

ナドラは未だ、自国の旗の下にあれども、国運は風前の灯。


ドクラの権威は地に落ちた。

1方、クニバ線のアルカ大将指揮の第7軍は、クニバ右側に展開していた。

この軍の司令官は、アルカ大将の副官でザン少将である。

副官、敵軍の動きはどうかね

今ところ、目立つた動きはありません。

ただ守りを固めているだけです

ふむぅ

あの陣に向かって強引に突き進めば被害は大きいであろう。

なんとか、あの陣から誘い出す方法は焦いのか?

はい、我々もいろいろ策を練ってはいますが上策はありません

「そうか…しかたないな」

すると、1人の男が入室してきた

「ザン少将」

「なに事だ⁉」はっ‼

伝書です。

「なに⁉」

誰からだ⁉

アルカ大将から伝書を受け取り目を通す。

作戦内容は以下の通である。

ザン少将指揮の第3親衛騎馬兵団(3個師団)をバトラの軍に突撃させ突破口を引らき魔軍を包囲するため敵の背後まで突進せよとの事である。

この攻撃と同時に、クリム中将指揮の第10、11、13の軍と

ヴエンズ少将の部隊が包囲する予定との事であった

ヴエンズの第16旅団4固それと多数の歩兵隊を擁していた。

ふむっ‼

それなら、魔軍の戦力を殺ぐ事が出来るな!

よし、この作戦通り行くぞ

これによりザン少将は行動を起す。

1方、薄く広がったバトラの第82軍の陣は、ナドラ軍を誘い込む罠である

バトラ様、敵はわが軍の罠に誘い込まれましたぞ

ふっ!今日が奴らの最後の日である。

よいか、敵が深く入り込むまで、攻撃してはならんぞ

はっ‼

その頃、ヴエンズ少将の軍は、バトラ軍の前線を突破する予定だった。

が、バトラの奇襲に合い全滅していたのである

ヴエンズ様、我々は敵の罠に見事にはまってしまいました。

このままでは、他かの軍も全滅致します。

直ぐに撤退するしかありません‼

くっ‼この作戦の失敗で、クニバ、ナドラ戦線は壊滅だわ。

我が国は、降伏するしかなくなる

そんな屈辱を受けるくらいなら、私は、祖国を守るため命を捨てても戦うわ。

私と一緒に命を捨てる、覚悟がある者は、戦いなさい。

それが、ヴエンズの最後の言葉であった。

ドグラ様

おっ⁉ベティ殿ではないか

どうしたのだ。はい、実はサロウ元帥から書類を預かって来ました。

うむ、何かな?書類を差し出すベティ

「目を通すドグラ…」

うん⁉これは出撃許可ではないか‼

また出撃するのか‼

はい、サロウ元帥は我が国と魔軍では戦力差があり、少しでも裂かねばなりません。

防衛に撤するよりも、むしろ出て魔軍を討つべきです。

そのいずれが良いかなど議論の余地なしと申されました。

ガイルが言う

ベティ殿、我が国は前回のクニバ河の戦いで貴重な戦力を失しなった事をお忘れか‼

そなた達の無謀な作戦のせいで

はい…

たしかに前回は敗北しました。

が、座して滅亡を待つよりは、戦って果てようとの事です。

たしかに魔軍を撃滅するのは困難だと思います。

ですが、この機を逃して、いつ魔軍を討つのでしょう。

黙り込むガイル…

が、今回は必ず勝ちます。

ゼリオスが言う

前回の敗北を果そうとしているのだな⁉

そのつもりです。

考えるゼリオス…」

余も、このまま座して滅亡を受け入れる気は無い

よし、出撃を許可する

ド…ドラク様

黙れ、ガイル

余が決めた事だ‼

はっ‼


ありがとうございます。

本国に戻っていたサロウ元帥は軍を立て直すこと数日再び出撃したのである。

1方、サロウ元帥動くの報告を開いた。

カイズ元帥は、直ぐに動いた。

ナドラ大陸は、すでに真冬四方の山々は白雪に包まれていた。

その頃リリスは、カイズ元帥より報告を受け、次の戦略を練っていた。

リリス様、ナドラ軍が動きだしました。

総勢17万の軍です。

ふふっ、最後の足搔きかしら。

さあ、他かの軍に対しても備えなければならないわね

誰か敵の側面を攻撃する者を選ばなければならないわね


マナが言う

リリス様、その件私にお任せ下さい

あら、マナ⁉

私が先に、敵の左側面に軍を展開し、サロウ軍に対峙します

そして、騎馬軍を先鋒にサロウ軍と戦います

分かったわ。それでは、あなたを司令官に命じます。

見事な動きを期待してるわよ。

「ありがとうございます。

かくして、サロウ元帥の出撃に対して、リリスは再びマナを司令官として

出撃させたのである。


クニバ線

サロウ元帥、敵が、左側面に陣を展開しました

「ふむぅ」さすがだな、私がここに来る事を読まれていたようだな

サロウ様、この大雪の険路

ここは、作戦を変更して、

白嶺山を超えて裏から打って出てはいかがでしょう。

いや、この拠点を落とせない用では、白嶺山にでても勝てまい。

ここで、敵を潰しておかないと総崩れになる

翌日サロウは総攻撃の命を下した

ナドラ軍は、一勢に敵の拠点を攻撃し、後方の魔法部隊に支援を任せたのである

が、魔軍には、魔法攻撃はほぼ効果は上がらず逆に損害を出してしまったのである。


サロウ様、味方の被害は甚大です。

兵も、魔法部隊も大半が失しなわれました。

「な・・・なんだと⁉」兵の半数が!

「サロウ様、ここは一旦引いてはどうでしょう⁉

いや、兵を退くは進む以上に難しいのだ。

この拠点で手間どっていれば必ず敵の援軍が到着する。

と、なるとますます、この拠点を落とす事は困難となる

それまでに、落さねば

よし、白嶺山に奇襲部隊を送れ、両方から攻撃するぞ

「はっ!」至急行動します。


その頃魔軍では、

バトラ様、ナドラ軍に不信な動きがあります。

「ほう‼」その不信な動きをどう見るかね⁉

はい、私なら、白嶺山を通って裏から奇襲します。

うむ、君の答えは正解だ。後方に兵を送くれ。

分かりました。

ナドラが、敵の拠点を取り囲んで早や十日になる。

だがバトラの拠点は揺るがない

サロウがこれほど頭を悩ませた拠点攻めは前後になかった。

そんな時、後方から伝書が届いたのである

なに、後方部隊が全滅しただと‼

くっ‼私の考えは敵に読まれていたのか⁉

それでキクルは無事か⁉

はっ間もなく戻って来ます。

それと敵の援軍が迫ってます。

なに‼

早くも敵の先鋒隊が現われたのか⁉

はい、先鋒隊の将はヒタムという者で4万の兵を率いてます。

「イドラ、セント」はっ!

君ら2人は兵を1万を連れて敵の先鋒隊に向かい足止めせよ。

分かりました。

さて、援軍が来たとならば、敵拠点の兵も打って出る可能生もあるぞ

万一に備え迎撃き部隊を編制せよ。

こうして、イドラ、セントは敵の足し止めするため出撃した。

しばらくして、

「イドラ、セント」様、あれが魔軍の部隊です。

ほう‼

よし、かかれ一気に攻めるナドラ軍

1方、魔軍側は、ほう面白い、わが軍の強さを思いしらせなさい。

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