第34話 ハルヒロⅤSミレイ

リーズ国のティナ女王は、オルフェと会談していた。

「女王様」

オルフェの説明によれば。

「我が国は、このまま行けば今冬までには、魔軍に占領されることを。


そうですか。

戦況はそこまで切迫してますか。

と、ティナは心なしか肩を落とした。

「はい」

オルフェ・・・私は、この国最後の女王になるかもしれませんね。

「オルフェが言う」

私達は

女王様と、この国の民を守る事が使命です。


「そう願いたいと思いますわ。」

オルフェ、すべては神の御意志に委ねます。


失礼致します

と、一人の男が入ってきた

何事ですか!?

「はっ」

ただいま、ティオス国から伝書があり

我が軍の、ミリア様とライス殿が帰国されるとのことであります。

なんですって‼

さらに、ティオスからの援軍も間もなく到着予定であります。

総司令官はハルヒロ元帥であります。


オルフェが言う

「えっ⁉」

ハルくんが来たの⁉

と、ハルくんと言ったオルフェは、ハッと我に帰り

ハルヒロと言い直した。

それを見ていた、ティナは微笑んでいた

オルフェは顔を真っ赤にして誤魔化すように軽く咳払いした。

良かったわねオルフェ‼


1方、リーズの各戦線では、ティオスから強力な援軍が来たことを知らされ。

後にハルヒロの軍を北西戦線への投入がリーズ軍の士気を1層高かめたのである。


1方、ミリア、ライス、ハルヒロの軍は、魔王ギルムの邪魔も入らず

リーズ国首都へ到着したのである。

ハルヒロを入口まで迎えたのが、オルフェ元帥であり、ハルヒロ元帥の幼馴染みである。

オルフェが言う。

ハルくん久し振りね、オルフェも元気そうで良かったよ。

「ありがとう」

最速だけど、女王様がお待ちよ

「ああ」

我が国へようこそ、ハルヒロ殿、今回の我が国の救援ありがとうございます。

この後、5人は、会議を行ない作戦行動に入ったのである

ティナ女王との作戦会議を終えた。

ハルヒロ、オルフェの軍20万は、北西戦線出向く。

1方、ライスは、本国の守備に付き、ミリアはヤンク河戦線と移動した

狐獣人国を狙っているミレイ軍の本隊を叩くために

「オルフェが言う」

ハルくん、ミレイの本隊に近づくには、北へ移動しながら、沿岸部に進むしかないわ。もし上手くいけば敵の背後に出られる。

手間はかかるけど、我が軍の所在を、敵に知られないためよ

それに、ミリアの軍は陽動作戦で動くわ。

と、オルフェはかすかに笑った。


その頃、ミレイ元帥は、リーズにティオスからの援軍が到着したとの報告を受け、戦略を変更を余儀なくされていた

ティオスの将がだれかは知らないけど、相当な狐ですわ

と、ミレイはかすかに笑った。

直ぐに敵の所在を見つけなさい。

「敵が、その気なら、こっちも裏をかくわよ」

暫くして、ミレイ様、敵を確認しました。

「そう、位置は⁉」

はい、敵は沿岸部側に進んでおり、間もなく我が軍の後方に現われます。

「ふふっ」それじゃあ、私自身が相手を致しましょう

漆黒の翼を広げティオス軍の元へ移動したのである。


「ゾッ‼」ハルヒロが気付く。

なにか殺気を纏う者が凄いスピードで近づいて来る

「ハルヒロが言う」

全員この場から離れろ…

ハ…ハルヒロ様⁉

ドオン…

へえッ~‼私の攻撃を躱すなんて中々ないですわ

「くッ‼この」

「ヒュン」

「ギュン」

無駄です

ハルヒロの無詠唱「氷雷」

ドオォォン

くっ‼ミレイが避ける

ハルヒロが再び無詠唱「グラビティーハデス」

「ヴン」ミレイの周囲に超重力が襲いかかりゲートから冥界の王

ハデスが攻撃する

くっ‼まさか、ハデスを操るのね

ミレイが必死に撃退する

まさか、重力に、無詠唱魔法を使えるとは

人間なのに中々やりますわね。

良ければ名前を開いても良ろしくて

ハルヒロ


ハルヒロですわね。

私は、魔軍六将の1人ミレイよ

お互い名乗ったので、全力を以て、お相手するのが礼儀というもの

我が、ギルム様の邪魔をする貴方を排除します

ギルムの邪魔?

…そうか…なら

「我が聖戦に光を」

幻獣神バハムート

…俺も

本気を出させてもらおうかな

くっ‼バハムートですって‼

人間が使役するなんて…

バハムートのギガフレアがミレイを襲う

ドオオン…

直撃はした?

けどー

ドッ…ギィン

暴炎から現われるミレイ

透かさず攻撃にうつる

ハルヒロは透かさず剣を抜き防御する。

ガキンー

…存外凌ぎますわね

オルフェが叫ぶ

ハ…ハルくん

オルフェ離れろ‼

ええ‼

ズン

バシュ…ドオオン

ごほっ

ぐっ…シャレにならないな

グラビティーも、バハムートも効果なしか

まさに、化け物だな

諦めがつきましたか?

いやまったく?

スッ

その傷では次は凌げないのでは?

バサ…

漆黒の翼を広げるミレイ

消えなさい

羽がハルヒロを襲う

ハルヒロはシールドを展開しミレイの攻撃を防ぐ

ゴッ…パキンバキ

ぐぅぁぁぁぁぁぁぁっ

パリン…バキィ

くっ‼ㇵァㇵァ

ハルヒロが再び剣を振り翳す

風を斬り裂き連撃の嵐がミレイを襲う

無駄です

全ての攻撃を躱すミレイ

さすが魔族…回避もさながら、動きも速い

再び、グラビティーハデス

ミレイの動きを封じつつ

又又竜頭蛇束縛、さらにミレイを地面に固定

ぐっッ…ミレイ鎖を破ろうと足掻く

ハルヒロは咄嗟に動く

炎化爆獄陣

ドゴゴゴン

くっ…‼

どうだ⁉

ズン‼…重力を押し返そうとするミレイ

冗談だろう

バコォ…ズゥン

ドッ…グッ

ぐっ‼人間の分際でここまで私と渡り合うとは、認めなければなりませんね

ハルヒロ最後の決着を付けましよう

「あぁ…‼」

「いくわよ‼」

「いくぞ‼」

互いに、同時に動く

ミレイの最強魔法

「久遠雷獄牢」

無限に続く雷の牢獄で永久に苦しみなさい

くっ‼

ハルヒロは、ミレイの攻撃を素早い速さで、攻撃を躱す

くらえ‼

「聖魔滅矢」

「えっ‼」

そ…その技は

魔力障壁を展開するミレイ

だが‼

ぺキッ…パキッ⁉

「えっ‼」

ミレイは、魔力障壁最大出力

魔力を全て注ぎ込み防御に徹するミレイ‼

ぐぅっシャレにならないわ

ドォォォン

やったか⁉

ゴッ‼

爆炎の中から傷ついたミレイが現われる

あれを食らっても倒す事が出来ないのか‼

否‼ 僅かにふらつくミレイ

「攻撃は確実に効いている。」

「1気にケリをつける」

熊勢を立直すミレイ


これで終わせる

「天上豪雷」

なんという

ゴゴゴゴ

ドッ…

決まった‼

人間の力らを舐めないで欲しい

俺の勝ちだ


「くっ‼」

ハァハァハァ・・・

「‼・・ハ・・ハルくん」

「オルフェが、ハルに抱きつく」

「ハル、大丈夫⁉」

どこか痛くない⁉

少し痛いかな・・・オルフェ血が、付いちゃうよ‼

オルフェはそんな事を気にせず、ハルヒロの体を確かめる。


ハルヒロが言う

オルフェ、俺より先に彼女の手当を頼むよ。

「えっ‼」

彼女を助けるの‼

「ああ」

戦いは終わったからね

敵も味方もなく治療する事にしているんだよ。

オルフェ達からしたら祖国を侵略した敵の司令官だけどね。

「ええ」

私たちからしたら、味方を殺した敵よ。

「だけど」

今回の戦いは、ハルくんの勝利だから任せるわ。

「アリガトウ」


誰か、彼女を医療施設へ運んで頂戴。

「分かりました」

ハルも行きましょう

「わかった」

施設の中では、女性5人組が、ミレイの治療に当たっていた。


「2人に気づき

女医と看護のメンバー」

「オルフェ様とハルヒロ様‼」

ミレイの状態はどう⁉

「はい」傷のほうはかなり重傷ですが、回復力が早いので非常に驚いてます

早ければ2日ほどで目を覚ますでしょうね。

さすが魔族ね


そう、わかったわ。

それじゃあハルくん手当をお願いね。

「はい」

私は、いまから軍の再編と作戦会議を開く準備をするわ。

ハルも、手当が終わったら出席して欲しいのだけど良いかしら?!

わかった!!


それじゃあ、準備ができしだい呼びにくるわ

それまでは、ゆっくり休んでてね。

オルフェが部屋を出ていくと。

女医と残りのメンバーでハルヒロを囲む。


ハルヒロ様

此の度は私達の国を救って頂きありがとうございます

うん、どうにか勝てたけど、危うかったな

そんなことありません!!

ハルヒロ様が来てくれて無ければ、私達の国は魔族に蹂躙されていた事でしょう。

そうだね!?


ところで、ハルヒロ様⁉

と、女医が話しかけてきた

うん⁉

実は…ハルヒロ様とオルフェ様のご関係は⁉

ちょ…ちょっと…マイ様、いきなり確信を付くんですか⁉


ゆいが言う

だってね~オルフェ様の顔を見ていたらね(笑)

あ~私も知りたい。

ねぇ~…みんな

全員ハルヒロを見る

ハルヒロが言う

う~んオルフェは……

と、言いかけた時、オルフェが顔を真っ赤にして入ってきた。

ア…アナタ達。

なんて不謹慎な話しをしているのです⁉

周囲がびっくりする‼

この後、何があったかは、皆の想像に任せるとして。


ハルくん、会議の準備が出来たわ。

では、行くか

ええ‼

オルフェはハルヒロが部屋を出ていくのを見届けると

マイ達に向かって、ハルくんに余計な事を言わないでよと念を入れたのだった。


すると、外で待っていたハルヒロがオルフェを呼びにきた

あっ‼今いくわ

マイが一人で呟く、さすがのオルフェ様もハルヒロ様の前では借りてきた猫よね。


周りも首を縦に振り納得していた(笑)


会議室

では、作戦会議を行います

我が軍は、ハルヒロ元帥と敵将ミレイとの一騎討ちにより捕らえる事に成功しました

この勝利を気に、一気に反撃に出ます。

各軍は、作戦計画により各地へ援軍と攻撃を行なって下さい。

我が軍の勝利を‼

こうして、ミレイを失った魔軍は壊滅したのである

それにより、リーズ戦線は一応終決の時を迎えた

だが、これは次の来るべき新たな戦いの間の一休みとなった。


一方、ハルヒロは

ミレイのいる部屋に一人でいた。

ハルヒロはミレイの回復を一人で待っていたのである。

むろん、オルフェ達は反対したのである

理由は、ハルヒロ一人では危険であると。


「だが」

ハルヒロは、ミレイに聞きたい事があるからと

オルフェ達を部屋の外に追い出した。

もう・・・ハル君

追い出さなくてもいいじゃないの

と、怒るオルフェ・・・


ミレイとの戦いから4日後の昼過ぎミレイが目を覚ました

・・・・ん⁉

こ・・ここは⁉

あっ‼…気が付いたか⁉

はっ⁉あ…あなたは!!

咄嗟に身構えるミレイ

グッ‼

ミレイを抑える

ハルヒロ

落ち着け・・・・ぼふっ

うっ・・・

戦いは終わつたよ。

そう言われて、少し考えミレイ

「私は・・・貴方に負けたのですね

「いや、」俺も久し振りに全力を出したよ。

勝てたのは奇跡かな・・・

ハルヒロでしたわね・・

いいえハル・・

凄かったわ・・・・

容赦のかけらもなかったわ。

「マジか‼」

「うふっ⁉」

「ハルは、わたしに勝った」

「我が一族は、倒された相手とは将来を誓わないといけない決まりがあるわ」

外で聞き耳を立てていたオルフェと周囲が驚く‼

ぐわぁぁぁ~ッ

「うわ~」・・・直球きたわ

「えっ‼」

ハルヒロ様・・・結婚するのですか⁉

オルフェ様がありながら。

結婚⁉

「えっ・・と」

俺・・そーゆの良く分からないんだよね

だから、友達でいいかな⁉

そんな…ひどいわ・・・・

私を負かしておいて、もうこれじゃ・・・お嫁にいけないわ。

「でもハルが私に振り向くまでは私わ待つわ

そんな事はさせないわ

あら、恋は自由よ

貴女には負けないわ

「ムッ・・私だって負けないわ。。。





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