第32話 リーズ国 2
「リーズの]
ユイカ ミリア オルフェ元帥は作戦会議を行なっていた
ミリア、アナタも知っていると思うけど、北西戦線は、あまりはかばかしくないわ。
魔軍は、わが国を上回る兵力で侵攻してき
てる。
「はい、魔軍の侵攻の速さに驚いてます。」
「さらに、オーガ兵の来る戦車軍の攻撃で我が軍はかなりの損害が出ています。
「それどころか、今冬までには占領されかねません」
「オルフェ元帥は憂鬱な顔をした。
「そんなに早く…」
「オルフェ様。
いまは
連合軍が魔軍を押し返してはいます
連合軍の作戦が成功するまでは、わたしたちは耐えなければなりません」
「そうね、あと2か月よ。あと2か月頑張れば、敗勢は1気に逆転するわ」
「われわれの戦略情報局の報告によりますと
敵は、キールでの侵攻を強めておるようですが。
キールのシンシア大将が敵の侵攻を押し返えしてます。
さすが帝国の魔女と呼ばれてるだけあるわね」
「はい。われわれは容易ならざる敵を相手にしています。」
ええ、いったん動き始めた戦争という名の巨大な渦は、停まらないわ。
「オルフェ元帥が言う」
…あらゆる犠牲を払おうとも、リーズ戦域の戦闘は終わらせるわ。
これが、最高司令官の言葉だった。
ライズ参謀長は、全司令官に、このことを伝え、急遽作戦を練り直した。
会議は、朝まで及び。
やがて、決定が下され。
その日の午後には、各部隊へ通達されたのであった。
そのころ、オルガ准将とミケ准将は、予定どおり、ヤンク河に向かっていたのである。ここは、ライ軍の拠点である。
この機会に、1気に叩き潰そうという作戦である。
強力な、敵軍との対決である。
そのころ、ライの軍は、進軍の準備をしていた
ところがその時である。前衛の軍の前面に如リーズ軍が現われる。
敵襲である。
慌てた前衛の軍は、混乱、ライ中将は、目を疑った。
突然の敵襲に
「落ち着けえッ」
と一喝した。
しかも、ライにしても、まさか敵の新たな軍が現われるとは夢にも思わなかったのである。
情報によるとリーズの援軍はないと報告を受けていたからだ。
怒鳴りつけるように、ライは命令した。
「敵はたかが2個師団だ、わが軍の敵ではない一気に片付けろッ」
だが、ライはまだ他に援軍がいる事に気付いてはいなかったのである。
リーズ軍は戦場を掛け回り、しらみ潰しに敵を潰しにかかる。
しかも、リーズ軍の攻撃は止まらない。
「落ち着けッ」
と、ライは右往左往する兵を𠮟りつけたが、ようやく疑惑を抱いたのだ。
「ライの陣容は次のごとし…」
騎馬兵、戦車兵、歩兵軍の堂々たる戦力である。
ライは念には念を入れた陣形は、一気にくずれたのである。
「1方、リーズ軍は」
「敵は、虚を衝かれて大混乱のようです」
と、ミケは言った。
「そろそろ、右翼の軍が襲いかかります。ミケの軍は、太陽を背に1列になり接近してきたのだった。
「食らえッ」
死ねッ
敵も必死に対抗している。
新たに敵襲
「何ッ」
ライは信じられない
「そんな馬鹿なことがあるかッ」
「よく、確かめろ」
「まちがいありません」
あり得ない、絶対にあり得ないことだ
敵の攻撃にライは恐怖に襲われていた。
ライはこの戦場から脱出せんとした。
この時点で名将ライの脳裏には全滅。それほど焦っていたのであった…。
「接近してライのとどめを刺す」
「と、ミケ准将は言う」
最後の総攻撃をおこないます。
「うむ。敵は戦意喪失とみた」
と、言うオルガ
ヤンク河は、魔軍全滅の凄惨な地獄図を見せたのであった。
戦場は、悲劇のすべてを飲み込み、まるで何事もなかったようである。
しかし、今、戦場で死んだ何万名もの恨みは残る、報復は報復を招く。
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