第24話 連合軍3
一方
ラムドの将シンシアは、ミンクス陥落の報に接し、顔色を変えた。
タナスとミンクスもラムド帝国の喉元である。
これにより、本国との補給線が切断されたのだ。
その時
「シンシア様」
リーファが入ってきた。
「お呼びでしょうか⁉」
「ええ」
ただ今、イオスから戻って来ました。
「ごくろう様」
「まぁ座って」
「はい。」
さっそくだけど、この重大なる事態について、貴女の意見を聞きたいと思って来て貰ったの。
「はい」
「シンシア様」私の考えは、ミンクス奪回が先だと思います。
背後の敵を片付けないで、前進はありえません。」
「そのとおりよ、リーファ」
だけどそのミンクスを手抜きした責任は本国よ」
リーファはだまりこくった。
シンシアは言葉をつづけた。「本国の考えが分からない今」私たちが、独自に動くしかないわ
私の読みでは、魔軍はこのキールへ侵攻してくる可能性があるわよ
もし、このキールとキス河にある拠点が、もし敵の手に落ちたなら我が軍は干乾しにされるわ。
このシンシアの読みは、正しかった。
そこで、貴女は、1軍を率いて、キス河の拠点を防衛してもらいたいのよ!!
「リーファが言う」
「わかりました」
敵の動きが分からないから、気を付けてね。
「はい」
こうして、リーファ率いる軍は、キス河の拠点を目指して出発したのだった。
1方、シンシアの心中には、不安が渦巻いていた。
彼女は、考え込む。
窓辺を離れ、司令官室のイスに座り戦略地図を見る
なんて広大な戦場だろうか」と、改めて彼女は思った。
「しかも、この戦域に点在する拠点を」
アトラ大陸戦域には、良好なる湾、もしくは険路なる
面を有する場所が数多く存在する、これらを上手く利用する
シンシアは、反攻の時期を窺いつつ、独創的な蝮し作戦を考えていたのだ。
すなわち、敵の堅陣はあえて避け、後方に出た後。
補給線を断ち、敵を死に体とする作戦であった。
「そのとき」突然、ドアが開く。
シンシア様…!!
副官が飛び込んできた
「どうしたの!!」
敵襲です。
シンシアが言う
「敵の兵力は⁉」
[ええっと!!]
約3万です。
「分かったわ。」
敵の侵攻に備えていたので、シンシアの軍の準備は
早かった。
1方、魔軍のケネス中将率いる不死族軍は、キール北方に集結していた。
魔軍側の作戦はキールを占領しつつイオスを封殺することだった。
が、キールを守備するシンシアの強固なる反撃にあい。
顔色を変えた。
失敗ったである。さすがの名将も、己のうかつさを悔やむ
ケネス中将は、自分の読みが相手に読まれていることに気づかなかったのであった。
常に沈着、そして冷厳な戦略眼を持つ彼が、いらだちを覚えたのだ。
ケネス中将の作戦は、シンシア軍をおびき出し、これを殲滅することであった。
とすれば、このキール基地を叩き、これを無力化することは、
魔軍的には、絶対必要条件であった…。
ケネス中将は、ふたたび考えつづける。
「ゲイル。敵を計画どおり、誘い出して撃滅すると言うわれわれの戦略は変更せねばならん」
「はい。計画を早めましょう」
「が、問題は、リリス様」の承認だ。
慌ただしくゲイルが、リリスの元へ急ぐ。
ケネス中将は、ふたたび沈思黙考に入る…。
リリスの考えは、ラムド軍のイオス軍港を押さえて。
ラムド軍の海洋への退路を断つことであった。
夕刻、ゲイルは戻って来た。
「おぉ」持っておったぞ。「それで」どうであった。
「閣下…」リリス様は、この計画の変更を認めてくれました。
「おぉ!!」そうか…
よし、作戦開始しだ。
翌日ケネス軍は動きだし、さらに司令部をキール北方7キロに移動したのである。
1方、キール司令部では、敵の動きを察知し、ちかぢか大規模な侵攻作戦が行なわれることを予測していたのである。
「シンシア様」敵が動きだしましたわ。
「そう…」
遂に動きだしたのね
この魔軍の進軍の1報を受け、シンシア軍は罠を仕掛けたのである
この頃、ケネス軍に3個師団が指揮下に入った
兵力は、3万である。総じて4万5000千の兵士である。
しかし、ケネスにとってキール戦線は、最悪の状態であった。
敵の戦略は巧妙であった。満を期して行なった攻撃は今、挫折に直面していたのである。
ケネスの本軍は、未まだ敵の衛線を突破できずに
いた。
戦線は今のところ完全に膠着している。
「1方」魔軍統合作戦本部では、ケネス中将の軍に対して援軍を送る事を協議していた。
このままでは、ケネスの軍は、シリ貧に陥るだろうというのだ。
ここは、危険はあっても1か八かの勝負にでるべきであると強硬であった。
ケネスの担当戦域軍が敵に囲まれて、身動きがとれなくなれば、良くて全面撤退、悪ければ。
全滅の岐路に立つのだ。
貴様達は、我が同胞を見殺しにするつもりか、と、ライ大将は卓を叩き声を荒らげた。
そんなことをしてみろ、他の将が黙ってはいないぞ。
「いや。決してそんなつもりはない。」
「ヨシフ大将が言う」
「ライ大将殿、あなたの言う事はもっともだが、われわれが戦っているのは、連合軍だけではない。リーズ、ナドラ、神聖の各国だ。
援軍を送るのも良いが、強敵の・・脅威を背腹に受けて戦えると思っておるのか。」
意見が対立し、会議が長時間に及んだ。
「それまで黙っていた、リリスが口を開いた。
「いいえ、そんな事はさせないわ」
「直ぐに援軍を派遣しなさい」
「はっ!!」
「ケネス中将を救出よ」
全べての責任は私が取るわ
「リリス様、ありがとうございます」
「リリスが言う」
直ぐに、マザー司令官を呼んで来てくれるかしら
「はっッ」
しばらくして
「リリス様」
「マザーです」
リリスが言う
マザー司令官、急で悪いけど、今すぐキールで苦戦している。
ケネスの援軍に向かって欲しいの、このままでは全滅する恐れがあるわ。
そこで、アナタには、騎兵団8個師団を率いて、ケネスと共にイオス軍港の・・占領をお願するわ。
イオスの軍港を・・取れば連合軍に拠る海上からの撤退を阻止する事が出きるわ。
「はい!!」わかりました
この時、リリス・マザーの2人は、この作戦が魔軍側に苦難となって現実に襲いかかって」くることになる。
連合軍は、開戦時から、魔軍側の攻撃は、イオスに集中すると確信しており、そのためキス河の拠点にいた、リーファ軍に新たに10個師団を率いらせ
密かに、イオスへ出撃させていたのである。
シンシア様、敵が現われました。
そう、わかったわ。
。。。。。。
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