第20話 ダーク総帥の計画と皇帝との確執
時系列は少しもどる
リリス、リオンの襲撃を受けて、東方侵攻の断念を余儀なくされ
ラムド軍は各地に分けていた軍を再編し本国へ撤退していた。
報告を受け、ダーク元帥はラーズ要塞軍港の地図を睨む
ラーズと、月夜の森に侵攻していた両軍が同時に襲われた…
まさか、そっちも魔族か?
机の前で唸るダークにヨハン大将が難しい顔で口を開いた。
ダーク様、この魔族の復活と襲撃は何だったのでしょうか⁉
うむ、奴らの狙いは我が軍を潰すことか…それとも…黙り込むダーク
「ヨハンよ」はっ‼
「このままでは、我らが計画に支障を来たす事になりかねぬ」
「例の計画を早めよ」
はっ‼分かりました。
「くっ‼」我らの計画は邪魔はさせんぞ。
暫くして、1人の男が入室して来た
「ダーク様」ダオス皇帝がお呼びです。
「分かった。」直ぐに伺う
「ダオス皇帝」ダーク参りました。
…襲撃されたと聞いたが…
ダオスがそう口にすると、ダークは頭を下げ口を開く。
「はっ!」我が軍はタナス要塞攻略のため進軍の準備をしていました
が、その矢先
魔族と名のる2人組に襲われ。
オルクスは死亡、カイズは魔族との戦いで行方不明です。
ラーズ要塞は壊滅致しました。
魔族だと、そんな神話の話しなど信じられるか
「怒に震える、ダオス皇帝…」
そう言われ、ダークは嫌そうに表情を歪めたが、素直にこれまでの経緯を
説明した。
ダオスが黙って話を聞き、低く唸る。
ラーズを襲った2人組は、どう考えても一国級の戦力です。
ふむ、単独で攻め込める事が出来ると言う訳けか
そこへ、必死に駆けてくる1人の兵士の姿があった
「し、失礼、致します…‼」
なに事だ⁉
肩を上下に揺らし荒い息を繰り返す兵士
「はっ‼」申し上げます。
魔族が我が国と同時にティオスのタナス要塞を襲ったとの事です。
「な、なんだと⁉」
奴ら、タナス要塞も襲ったのだな。
「ふむ‼」考えるダオス
まぁ良い
ダークよ至急軍を再編し、本国への魔族の侵攻に備えよ
「はっ‼」分かりました。
ラムド司令部は、本国防衛のため占領していた戦域に少数の兵力を残して引き上げたが、どの師団も武器が不足し
在庫が空になっていて。
ラーズ軍よりもさらに頼りない装備状況だった。
原因は、相次ぐ戦乱とラーズ要塞へ大量の物資供給であった。
そのため、来襲して来た魔族により。
全ての武器を失しなったのである
この同時期、ラムド側の諜報は、ティオス国側のタナス要塞も来襲して来た魔王により壊滅したとの情報を得るが、兵力は、ラムド軍よりは
多く残っていた。
時系列は進む
6月12日付の「ダオス皇帝指令第10号」において、ダオス皇帝は
司令部の案に、検印を押して、ティオス国との軍事同盟を
認めた。
①両国は互いに不可侵条約結ぶ
②両国は互いに、魔王の脅威に対処すること
③両国は互いの危機の際協力する
④両国は経済と商人と人材の往来を認める事
⑤両国は各国と協力し国難に対処する
これにより両国は、ラーズ皇帝とタナス要塞との中間にある
ルイの砦において。
両国の代表による、休戦協定に調印したのである。
これを受け、両国は魔王の討伐に向けて協議する事になった。
ルイの砦会議室
両国の軍のメンバーが、集まっていた
「ラムド軍」クリフ大将、ヨハン大将、グランツ中将、ロフ中将
「ティオス軍」ブレイド大将、ソフイ大将、ミケ中将、ケイミ中将
の8人である。
各国代表は約半日、ここで侃々諤々と議論を戦わせた。
議論は尽くされ、対応策も出尽くした。
と、1人の男が入室してきた。彼は一直線にクリフの傍らへ寄ると
何か耳打ちをする。
すると、目を閉じるクリフ・・・眉間にしわが寄る
グランツ中将が聞く
険しい顔をしてどうされたのだ⁉
じつは先ほど・・・我が国のミンクスの町が、リオン率いるドラゴン軍に襲われたそうだ・・・
「ど、どういうことだっ‼」
情報では、東西南北4方位全てに、魔軍が現れたそうだ。
まさか、一気に侵攻するつもりか!!
ロフ中将が言う
動きからすると、徐々に広がるように侵攻してるようね
ブレイドが答える
一ヶ所に固まるつもりはないようだな。
クリフが指示する
くっ!!全軍出撃である!!
「ティオス国」
コンコン
閣下、フレイです。
うむ、入りたまえ
失礼します。
ロンメル閣下…あっ失礼来客中でしたか
おぉ!!フレイ殿かまわんよ、どうされた⁉
はっ!!室内に入ってくるフレイ!!
すると、なにかに気づいたのか、イスに座る人物を見る!!
あっ!!…アナタはハルヒロ!!
お~フレイか
フレイがプルプル震えているアンタねぇ~💢
ラムの町で、アンタマルクスに兵法を教しえたでしよう!!
少し考えるハルヒロ…!!
・・・・⁈
‼うん、教えた
周囲が一瞬固まる!!
ハッ!!
フレイが言う
ちょっとおおおおお
何余計なことしてくれたのよ!!
うわぁ~!!
アンタのせいで、危うく全滅しかけたのよ。
なんで、俺が怒られんの?
あのね!私はね!
敵に兵法を教しえる、貴方の非常識さを今糾弾しているの!
でも勝ったんだろう⁉
元はと言えばアンタのせいなんだけど?この野郎
ハルヒロを睨む…フレイ
「マジかー‼」
ハルヒロのホッペを掴むフレイ
あだだだだだ…
ぎりぎりぎり…
ごぅぇんらはい、ふみません、ゆるひてくらはい。
あだ~
ふん‼自業自得よ、二度としないでよね‼
ワッハッハッハッ‼ロンメルが笑う
まぁ~良いではないか
フレイ殿、ハルヒロも反省しとる様だし赦したらどうかね‼
閣下がそこまでおっしゃれるのなら、わかりましたわ。
とこで、フレイ殿、私に用件があったのでは⁉
はっ‼
実は盗族団が、根城にしていた砦の改修が無事終了致しました。
これにより、オルコス山脈以北の敵に対しての防壁が出きました。
うむ、ご苦学だったね
そこで、新しい砦での司令官を選任しようと思います。
ふむ~‼君は、誰が適任と思うかね‼
ワタシは…マリ准将が適任かと思います。
ふむ~…考えるロンメル…すると、ハルヒロはどう思うかね
ワタシも、それで良いと思います。
それでは、マリ殿を司令官として任命する。ありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます