WW2の英雄異世界で頑張ってます

第16話 ラーズ要塞VS月夜の戦い

リオンとやら貴様の相手は、この私だ

貴様が魔族であろうと容赦はしない

構えるオルクス。

行くぞ

フハハハ…久振りに我が血が滾るぞ。

ならば

両腕に力を入れ血管の浮き出た腕を構えるリオン

貴様を容赦なく打砕きーそして完膚なきまで蹂躙してやろう

速度を加えたリオンの拳が、咆哮めいた唸りを上げ襲いかかってくる。

貴様のすべてを…

最初に砕け散ったのは右手の剣だった。

くっ‼…馬鹿な拳で剣を破戒しただと‼

[化物が…ッ]

リオンの右拳が横からオルクスを殴りつけるぐふッ!

そして眼前から、リオンの姿が消矢‼

否、消えたのではない、凄まじい速度による移動。

まずい。そう思い後ろへ下がろうとした時には

すでに迫りくる膝が額に直撃

がっ、ァ…!

反動で身体が弓なりにのけ反る。

倒れ込みかけるも、どうにか体勢を立て直す

ゴふっ!ガふッ!…ぐ、グえぇッ

ここで一気に攻め切られると、まずい

呼吸を、整える。

強い。圧倒的に。

オルクスは近くの兵士が持ってきた自分の剣を受けとる

ありがとう

はっ‼

腰を落とす。前傾姿勢。剣を、後ろに引く。

筋肉を絞ると共に、みしい、と左腕が鳴った。

[ーガァッ!ー]瞬速歩

瞬間的に、間合いを詰める。

[む、この速度…人間が出せるとは]

リオンの腕が振り下される一回避。

呼吸する間も与えず、リオンの拳が容赦ない追撃をかけてくる

[一回避、回避、回避]

ほう〜

[正直に言えば少々、貴様には驚いている]

何が、ダ?

[ここまで完膚なきまでに攻撃を潰されても

貴様には、まるで落胆する素振りがない。

[しかし、まぁ〜]

リオンは手に付着した血を眺めた後、睥睨するように

俺を見た。

[いい加減、貴様も気づいているんだろう?]

突きつけるように、リオンが言い放つ。

[貴様は、オレには、勝てない]

[もう諦めろ、オルクス。そうだな…貴様の健闘を称え、

貴様とこの場にいる者たちは。

全員、苦しむ間もなく殺してやると約束しよう。

オルクスは、ぺっと地面に口内の血を吐き捨てる。

[確かにリオンは強い。]

[こんな程度で諦めるつもりはない]

絶対に、貴様を倒す

いくぞ、リオン‼

限界まで振り込んだ、右手の剣が、リオンの横腹を捉え

血しぶきが舞った。

[ーな、に?]

表情を歪めたリオンが一歩後退。

[ぐっ!]

姿勢を低くして、横腹を庇うリオン

[オルクスが言う]

[おまえの命は、速度だな⁉つまりその脚が命網なわけだ?

その脚で避けられさえしなければ、この剣は、

おまえの皮膚すらも一斬り裂く]

防御が溶けたリオンの顔面へと剣を振るう。

[ぬっぐっ…]

リオンの両肩が痙攣めいて震え出す。

[ぐっ…ガっ、ガぁぁぁぁぁ!]

我に、傷を付けるとは…

オルクス殺す…殺して、やる…

あの強烈な一撃を受けてすら断裂するには、至らなかった。

やはり魔族は、容易な相手ではない。

これまで出会ってきた敵の中でも最強格の相手

オルクスは、息を吐き出す必殺瞬速步

剣と速度の連続使用、さらに力を込めた先ほどの

一撃でオルクスも消耗していた。

だか、ここで退く選択肢などない。

オルクスは、剣を構え、苛烈な攻防が、始まった。

激しい戦いが開始されてから、いかばかりの

時が経過しただろうか。

理性の代わりに野性的な怒りを手に入れたリオンは、

オルクスと熾烈な戦いを繰り広げていた。

いくぞ、リオン

駆けだすオルクス

[一つ!]

リオンの移動速度が速くなる

[ちいっ!]

追いつくことに全神経を集中させていたため、防御が

間に合わない。

リオンの拳が、そのままオルクスの鳩尾を貫いていたー

すべてを、この一撃に込めた

[竜炎拳]

[ぐっ、ふっ…!]

血を吐くオルクス

ぐっぁ、ガあぁぁぁぁぁぁ‼]

オルクスの絶叫が周囲に響き渡る。

自らの流した血で、できた赤池にオルクスが倒れ伏していた。

オ…オルクス大将…‼

人間ごときが、我にここまでの傷を付けるとはな。

さて、約束どうり、貴様ら全員死んでもらおう

我れらで、オルクス殿の敵を取るぞ

フハハハ!死ね‼

[ぐ、ぁガぁぁぁぁ]

ユーリVSレオナ

ユーリ、アナタの相手は、ワタシよ

まって下さいレオナ様

この者の相手は私しに、おまかせ下さい。

ふふっ、アナタではワタシの足元にも及ばないわ

ふ…ふざけるな‼

レオナが言う

エリザ残念だけど、彼女の言う通りだわ

レオナ様⁉

私でも勝てるか分からない

だけど、ここでアナタを倒す。

ふふ…楽しみだわ‼

ユーリ…行くわよ

ユーリの背後に白虎が出現、私の白虎よ目の前の敵を蹴散らしなさい

白虎が全べての者に襲い掛る

その瞬間から、ラムド軍にとって長くそして短い

悪夢が始まった。

[うわぁぁぁぁ]な…なんだこれは‼

くっ‼これが失われた古の召喚術‼

うふ、初めて見るかしら⁉

全員落ちつきなさい

エリザ兵を２手に分けて全べての白虎に対処しなさい

わかりました。!

全軍、先ず向ってくる白虎を撃破せよ

はっ‼

白虎が容赦なく襲い掛かって来る。

[ちぃ…]舐めるな

レオナが敵を薙ぎ払う

存外凌ぎますわね、ドオオォォ、バシュ、ズン

くう、シャレにならないわ

きゃぁっ⁉エリザ…‼襲ってくる敵を切り払う

[いっ…]レ、レオナ様…あ、ありがとうございます。

油断しないで‼

[くっ‼…]

さらにユーリが、氷雷の狼を召喚

レオナの目の前に、氷雷の狼が現われ襲い掛かってくる

レオナは、上体を引いて攻撃をかわそうとするが

間に合わない

一瞬の隙を突かれ右腕に噛み付かれる

[ーぐっ、ガっ⁉]

レオナは、痛みで剣を落した。

し…しまった⁉

はっ‼ふと見れば、ユーリが接進していた。

[くっ‼判断は一瞬]

反射的に身体を振り回し崩れかけたバランスを立て直す

立て直しつつ腰を捻って剣を拾いユーリへ攻撃を仕掛ける

刃の狙いは、一喉元[雷光斬]

ユーリの魔法を封じる為

くっ‼ユーリが喉元を中心に防御に徹する

すると、下腹部の防御が一瞬がら空になった!

その隙を見逃さず私は、左拳を打ち込む

[ぐっガっ⁉]

ユーリの身体が前へ傾く

すかさず私は、右手に持った剣を再びユーリの喉元へ

一ガ相手は、どうにか気を保ち、決死の形相で反撃してきた。

さすが５将

急所への直撃を受けても、立て直しが早い

[……つ]

ふふっ、私がアナタから、一撃をもらうとはね

レオナの頬を一筋の汗が伝う

まさに化け物ね

諦めがついたのかしら⁉

くっ‼…まだよ

ユーリは、たしかに強いわ

だけど負ける分けには、いかない

向かって来るユーリに対して、レオナは剣を半月状の、軌道で縦に振るう

だが、ユーリは、回避行動へは移らない

回避行動を前提で、攻撃を組んでいたのだが、

読みが外れる

[一受ける気か]

姿勢を落とし、ユーリが懐に潜り込もうとしてきた。

レオナは、剣を振るが難なく振り払われる。だが、

その間に距離を取るべく後退を一[一つ!]

一足で追いつかれる。

ユーリの、放った打撃の嵐しが、レオナを襲う。

乱打される拳を紙一重でかわしながら反撃の機を

窺うレオナ。

そうして、ようやく隙を見つけると、機を逃さず

ユーリの膝に前蹴を入れる。

ガくん、と、ユーリの膝が折れ、相手の体勢が低くなった。

剣を定める。狙いは再び喉

身体で誘いの動作を込れつつ、右手の剣で

喉元に捻じ込む。

ガ、瞬間(ーぞわり、と背筋に冷たいものが走った。)

突きだした右手を、ユーリに掴まれる。力が強く、

振りほどけない。

レオナの腹に、ユーリの右拳がめり込む。

[ぐふっ、ぅ…っ⁉]

身体がくの字に折れ、レオナは前のめりに倒れ込み

かける。

そこへ、ユーリが摑んだまま、レオナを空中へ投げ飛ばす。

くっ‼…空中では、身動が、うまく取れない。

ユーリは、空に浮かび上がり、レオナを、攻撃

そのまま湖へ叩き落とされた。

[ぐわぁぁぁ…]

レ…レオナ様…

さあ、お遊びはここ迄よ。

くっ…ハァハァ…

ユーリの足元にある湖の水が、氷獣となって

レオナ・エリザ・全員に襲い掛る

消えなさい、ゴッ…パキンパリ

レオナ様…エリザが咄嗟に前に出て盾になる

[ぐふっ、う…]

エ…エリザ…

ユーリの放った、氷獣リヴァイアサンガ

老兵も新兵も強者弱者も等しくその命を奪っていった。

ぐぅぁぁぁっパリン…バキィ

レ…レオナ様

決して溶けることのない氷の牢獄そこで

永久に苦しみなさい

[ぐっ…くっ]

あら‼

私の魔法を受けて、まだ生てるのね。

まぁ…生きてるのは、アナタと、彼女だけのようね

ふふっ…まぁいいわ

再びラーズ軍港　リリスVSカイズ

初めまして、リリス殿

私は、カイズと申します。

あら、アナタは、礼儀正しいのですね。

戦の前に、相手に礼を尽くすのは、当然ですぞ

同感ですわ…御互に構える

では、お相手仕る

息を引き、カイズは、剣を後しろに流して構えた。

[ワタクシも…全力でアナタの相手を致しましょう。

[ー来ないのですか]

[リリスの足に、踏み込みの気配。

リリスが攻め込もうと踏み込みかけた瞬間、

カイズが一気に速度を上げ、最低限の踏み込み動作で

突進。

[くっ!早い]

リリスの踏み込みに合わせ、その動きを潰す。

[なっー]

攻撃を潰されたリリスが言う

[中々やりますわね]

今度は、私から行くぞ疾駆しながらカイズが斬撃を繰り出した。

リリスは、カイズの剣を意識しながら、魔光の杖で

斬撃を受け止める。

そして角度を使い、威力を逃がしながら

無詠唱ライトニング・バーストを発動バチッ

カイズは、際どいところで、これを回避

一瞬の判断が後れてたなら、可成のダメージを受けていたことだろう。

よく、気付ましたわね

カイズが答える

ソナタに斬撃を受け流された瞬間

僅かだが魔力の流れが変わったのでな

成る程、アナタには魔力感知の能力が備わって

いるようね。

カイズが剣を構え直し答える

ふむ、正解ですな、と、言って笑うカイズ

素晴らしい能力ですわね。

でも、私の魔法は、そう簡単には防げないわよ‼

リリスの前に、７匹の炎竜が現われ、カイズに向かって襲い掛る

その攻撃に瞬時に反応し剣を振るカイズ水流壁

すると、カイズの目の前に水の壁が現われ炎竜が消矢ドゴゴゴン

[‼]へぇ～

貴方の手に持っている剣は、水竜の剣ね

ほう‼知っているのかね‼

その剣は知性や意志を持っているわ

それに、所有者と認めた者には、絶大な力を提供するわね

だけど、貴方は能力の一部分しか引き出せてない

つまり、所有者として不完全な状態のような

[ふむ‼]

流石ですなリリス殿

僅かな戦いで、見抜くその分析力流石ですな

ふふ‼ありがとう

さて、いきますぞ

はあぁぁぁ‼

カイズが剣に闘気を注ぎ込む

くらえ…水竜閃

巨大な水竜が口を開け、リリスを襲う

くっ‼

リリスは、両腕に魔力を集中…

受け止める気か⁉

ハァァァ‼ドガガガッ

水竜を受け止めたリリス‼

[ガ‼]水竜は、そのまま、リリスを巻き込みながら暴れ回る

くうぅっ‼

なんて威力なの!]

水竜は、周囲の建物とラムド兵を巻き込みながら

暴れ回る

くぅぅぅッ‼

リリスは、さらに魔力を高める

が、水竜はリリスを押し反しながらそのまま城壁へ衝突

[ぐはっ‼]

城壁へ、めり込むリリスドッ、ガアァァンッ

ハァハァ…やったか⁉

目を細めるカイズ、が、攻撃の構は解かない

すると、周囲の魔力が高まる‼

ドッ、ガァァァァンッ‼パラパラ

瓦礫の中から、リリスが現われる

[うふふ]リリスが笑う

素晴らしい攻撃でしたわ。

おかげで、服がボロボロですわ

[ちぃッ]

カイズの頬を一筋の汗が流れる

今度は、ワタクシの番ですわね

蛇束縛

蛇の姿をした、鎖りが現われ、カイズに襲いかかる。

くっ‼]

カイズは、透かさす距離を取り水刃波を放つ

バシュ…ズサッ…

だが、カイズの攻撃を回避した鎖が

カイズを拘束する…

し…しまった‼

カ…カイズ様‼

他の魔物と戦っていた、ラムド軍の守備隊長が駆けて来る

くっ、来るな‼

すると、駆け付けて来た兵の目の前に炎の壁が立ち塞がる

[ふふっ‼]

アナタ達は邪魔よ

カイズ…ワタクシは、アナタが気にいったわ

リリスの目が赤くなる、綺麗な魔眼の効果で

カイズを魅了する

くっ‼あの目は拙い、が一瞬の隙でリリスの魔眼に

捕らわれる

すると、リリスに足を付き頭を下げるカイズ

我が主リリス様、魅了による洗脳

[ふふっ]

さあーカイズ、そこの兵士達を皆殺しにしなさい

はっ‼

[リリス様]

カイズの水竜閃が、ラムド兵を襲う

カ…カイズ様

ふふっ、さあ、アナタ達には死んでもらうわよ

暗黒雷氷炎全ての命よ滅ぶが良いわ

これによりラーズ要塞軍港のラムド軍は。

ほぼ全滅した。