第12話再び時系列を遡る 東方諸国連合評議会終了後

評議会終了後

ロンメルは、自室に戻る途中

メイリ大将から声をかけられた

ロンメル閣下!?

おぉ、ソナタはメイリ殿とロイド殿

どうされた??

少しお話があります、よろしですか

うむ

では、私の執務室で伺いましょう。

はい。

それと、後ほど…

情報局の

マサコ中佐が来られます。


おぉ…彼女が帰って来てるのですな。

[はい]


暫くして扉が開く

待っていましたぞ。

とロンメルは言った

お久しぶりです閣下

うむ!!貴女も息災で何より

で!?いつ帰って来たのかね。

今朝です


とこで

マサコは、鞄を開け書類と地図を取り出した

これを

ロンメルに書類を渡す

目を通すロンメル

これを見て閣下はどう思われますか?

と、言った


これは…

ラムド軍の作戦展開図ですな

諜報局と情報部が頑張って手に入れた地図と情報です

貴官と情報部の働きには深く感謝しています。

この働きに報いたい

ところで、貴女はここ数年昇進されてないのですな。 

はい

考えるロンメル……

暫くして口を開いた

この感謝に答えて、マサコ中佐を特例ですが准将に昇格で報いたいと思います。

ありがとうございます。


閣下

メイリ殿なにかね!?


先程の作戦会議中に閣下は、左耳たぶを触っていましたが

何か良い策があるのでは⁉

はははメイリ殿には隠し事は出来ないな

うむ、ソナタの言う通りだ

やはり!!

私の頭の中を覗くのは妻だけにして欲しいですな

身内に読まれる位なら私もまだまだです

いえ、閣下は希代の大戦略家ですわ。

ありがとう。


ところで、閣下は、今回のラムド帝国の動きに対してどんな

戦略をお考えて、おられますか。

[タナス要塞]は、ラムド側との玄関先だ。と、いうよりは

まさに喉笛。その戦略的重要性は、言わずもかなである…。

[早期停戦を目論むのであれば、守りに入っては、絶対だめだ。

緒戦において、攻めて攻めて攻めまくる以外に、活路はないのだというのが、私の結論である。

電撃作戦とは、備えなき敵を急襲することである

この、ラムド軍の作戦展開図を見るかぎり

敵の考えた、タナス要塞占領計画は、戦略的にみても

首尾一貫性を持っているのだ。

そこで、私は、タナス要塞を1時的に敵に開け渡す考えである。

周囲の者達がざわつく…しかし、それでは、我が国の

最重要防衛ラインでは、ありませんか。


メイリが言う、なにかお考えがあるのですね。

我に策ありですな。

ロンメルの策とは

兵法

空城の計 

上屋抽梯の策である

はじめて聞く策ですね。


うむ、説明しよう

上屋抽梯は

屋(おく)に上げて梯を抽(はず)す。

屋根に上がらせてから梯子を外せば敵は下りたくても下りられない

すなわち敵を自縄自縛を促しそれに乗じる計略。

なるほど、それなら自軍の兵力の損失も出さずに敵を閉じ込める事が出来ますわ。

その通りだ


我が国は、開戦あたって徹底的にラムドという国を研究したのだ。

いいかね、あの弱小だった国が、自国を戦争で大きくしたのだからな。

国家の構成が我が国とはことなるのだ。

[だからこそ、あの国は常に敵を必要とし、国家を一つにまとめるには常に敵を国民に与えているのだよ。


そして、今回わが国だ。

連中にとって世界征服するには、我が国が邪魔なのだよ。

ははっ、非常にわかりやすい。

[でも、悪いのはラムドです。]

戦争を仕掛けようとしてきたのは、奴らです。


ロンメルは答える

しかし、連中はそう思ってない。

ラムドの皇帝もな

国民を総動員し、正義の戦いと煽ったのだよ。

[その言い分はこちらです。]

ははっ、互いに主張して譲らないから戦争になるのだ。

私は、根っからの軍人ですから、そうした政治の駆け引きについては苦手です。

しかし、我が国と、ラムドが本気で戦った時に、われわれに勝ち目があると思うかね。

戦争になれば、当然長期戦になるかもしれん。

[長期戦になれば当然兵力の差と食糧不足で、われわれに分がなくなりますわ。

わかるだろう。

と、ロンメルはいささか鬱陶しそうに言う。

われわれが、いまから戦う相手を


そう聞いていたロイドは目を光らせた。

それなら、わが情報部で敵の研究にかかってます。

ロンメルは、緊急会議を開くためにすぐに参謀達に招集を掛けた。

議題は、ラムドの侵攻の問題であった。


ロンメルは語る

わが国は東西南北に伸びる長い大陸の東側で南北に長くて高い山脈があり、そのおかげて敵の侵攻に対しては軍事的地理に強さがある。

諸君。わが情報部によると敵将は、オルクス大将とカイズ大将だと言う

どういう、二人か詳しくはまだ分からんが、かなりの戦略家らしい用心してかからぬことには、戦略上不利になる。

とロンメルは語る


再び議論が飛び交うが結論は出なかった。

閣下、敵はわれわれを誘いだす罠ではないでしょうか。

ロンメルとしては、どうも違うような気がしたのである。

なにか、別のいいしれぬ予感がした。

閣下!?

皆がロンメルを見る!!

あぁ、すまない

諸君、必ずしも戦争は、帝国主義的侵略戦争だけではない。

国家の生存と繁栄を目的とした防衛戦争であるのだ。


戦争の目的が単一国の生存権主張ではない。

それが凄いと思います。

国家がエゴを剥き出しでは困りますな。

はい。大義なき戦争は、たとえ勝利したとしてもアトラの憎しみになると思います。

と、ロイドは言った。

言葉を続けて

ラムドの大陸覇権主義を完全に阻止することです。

うむ

これで会議を終了後する

皆ご苦労であった


ここで時系列は進む


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