第11話 その日の深夜
[待っておったぞ]
と、ロンメルは言った。
はっ!
[私は幽霊でありますから、直接司令部に伺うわけには参りません。
とカシムは言った。]
ふっ!!
それはそうだ。ここは心霊スポットではないがね、幽霊はまずい
皆が肝を潰すな。
と、ロンメルも冗談を言い笑う。
カシムくん。
貴官の働きには深く感謝しています
私のせいで、家族との時を過ごせない事を。
何しろ、あなたは存在しない人間なのだからね。
閣下
そのお言葉だけでこのカシムは十分でありますから。
[ま、かけたまえ]
ロンメルとカシムは、密談に入る
二人は、ラムドの戦況についての、全体的な情勢判断をした。
店を辞して、ロンメルはカシムを屋敷に誘った。
久しぶりの再開を祝い、飲み明かそうではないか。
と、誘われたのだ。
窓を開け放ち、肌に心地よい夜風を受けながら語りあった。
ところで。
ラムドは、アトラ大陸を東へと横断するさい
ライの砦とサイの町経由でタナス要塞に達する戦略ラインを完成させております。
と、カシムは言った。
対して、われわれの、地政学的戦略ラインは西であります
例えば、敵とわれわれの戦略ラインはタナス要塞で交差する訳ですが、両国に緊張が生まれるのは当然であるといえます。
[今回]閣下が考えた作戦は、敵を欺き殲滅するための一か八かの博打であったと………
思われますが!?
ははっ、このロンメルはマジシャン的策略は天下に響いているからなあ
と、ロンメルは声高く笑う。
[しかし、作戦立案の真意はまったく違うのであります]
[うむ。確かに賭けのマジックには違いはないが、合理的な作戦だと思うぞ]
確か
[閣下はいつも、戦争目的と作戦目的は一致しなければならない、申されます。
タナス要塞囮作戦はまさに、その原則を地で行ったものだと思っております]
[まぁ]
今回ばかりは皆には迷惑をかけることになるがね。
大丈夫であります
皆、閣下を信頼しておりますので
ありがとう、カシムくん
[あなた]
おぉ、ナディアまだ起きていたのかね!?
[カシムくん、私の妻だ]
はじめまして
ナディアが、挨拶をした
はじめてお目にかかリます、カシムですよろしく。
つづいてお酒とつまみがでた。
ナディアは、カシムのために酒を注いだ。
あなた、ハリスとリリスは!?
うん、いまタナス要塞で任務についている。
そう…私はあの子達が無事に帰ってくることを、毎日祈ってますわ。
あぁ、心配ない。
そう……
あなた、後はよろしくね
カシムさんもゆっくりして行ってくださいね
と、夫に言ってすぐに姿を消した。
二人だけで酒を酌み交わし、また密談に入った。
ロンメルが
カシムに資料を渡す
今回のラムド帝国に対して派遣する
司令官の一覧表だよ
資料を受け取り目を通すカシム
内容は以下の通りであった
正面軍
マスタング大将→クリン砦の防衛
ケイミ少将→ライの砦防衛
サラ准将→ロスの町防衛
マーシャ准将→サイの街防衛
中央軍
ハリス中将とイリス少将→タナス要塞防衛
アンナ大将→タナス前衛軍
イエシカ中将→タナス後方軍
後方支援軍
マリ大佐
イリア准将
の、編成軍であった
なるほど、これならうまく行くと思います
そうか
君に言ってもらえると、安心するよ
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