第3話 東方諸国連合

勇世紀723年


勇魔大戦より323年の月日が流れ


この時代には勇者と魔王の戦いは神話の話となっていた


東方諸国連合ティオス国評議会


各国の軍代表が円卓を囲み顔を並べている


ティオス国

ロンメル総帥 「中央軍総司令官」46歳「男」


エルフ国

サラ元帥 「東部方面軍司令官」75歳「女」


ドワーフ国

マスタング元帥「北部方面軍司令官」37歳「男」


猫獣人国

セレス元帥 「南部方面軍司令官」27歳「女」


ティオス国

エル元帥「西部方面軍司令官」35歳「男」


ティオス国

エレノア少将 国家情報局長 25歳「女」


では、皆も揃ったので此より会議を行う

周囲が静まる

最初に口を開いたのは、ロンメル総帥


実は昨日ラムド帝国に潜入させている密偵からの情報に依ると


帝国は、間もなく西方諸国の制圧を完了する見込みだそうだ

なんと!!・・ 周囲が驚く

閣下それは真ですか!!

速すぎるのでは?

いや確実な情報だ



ふむ・・・少し物思いにふけながら左の耳たぶを触る

閣下・・!!

どうしたのかねエル元帥!?

はっ!!

帝国の西方の制圧が終わり


我が国への侵攻があると思われますか?

うむ

私はあると睨んでいる

今の帝国は先勝気分で士気も高い


これを機に我が東方にその牙を向けてくるだろう

たとえ侵攻が無くても、油断せずに

いつでも軍を動かせる状態にしておくが良い

それと、引き続き帝国の動向と監視をしつつ油断せぬように

わかりました


続けて

エレノア少将が言う

では、次の議題です


西方のラムド帝国による我が国への侵攻に備えて

我が国の西方にある最重要防衛ラインのタナス要塞都市ですが、侵攻に備えて強化をしたいと思います



現在の総兵力は3万ですが、更に追加で7万人を派遣

物資の輸送を行ってます


うむ

タナスは我が国とラムド帝国領の出入口である

そこの取られると、我が国は玄関を取られたのと同じである

防備はしっかりしてもらいたい


はい

そこで、私からは

タナス要塞防衛の総司令官には、ハリス中将とイリス中将を推薦致します

おおっ!!

閣下のご子息様ですな

なら安心ですな


ふむ・・・

あの二人ならやり遂げてくれるだろう


閣下

少しよろしいでしょうか

マスタング殿!?

どうされた!!


はい

これは

ラムド帝国との話は変わりますが

実は、最近我が国内で盗賊団による

貴族や商人を狙った略奪が横行しており、被害が拡大しております

うむ

その噂は私も聞いておる


話しによると義賊を名乗ってるらしいな

はい、領民からは指示されてる見たいですが、これを放って置いては、国王様への貴族からの支持が落ちかねません

うむ・・・

それは不味いな


帝国の動きもあるなか

一歩でも間違えば、貴族どもの支持と離反もあり得るな!!

仰る通りです

それで、その盗賊団のアジトは把握しているのかな?

はい

盗賊のアジトは北東の古城であります

では、至急軍を編成して事に当たるが良い

わかりました

討伐軍の司令官はフレイ大将を推薦致します

わかった

ありがとうございます


今日の議題以上です

他に質問が無ければ会議を終了致しますが?

皆が口を揃えて言う

ありません。

では、此れで会議を終了致します


お疲れ様でした

司令官達は会議室を後にした


軍令部

む〜う!?

クレア、なにをそんなにむくれてるんだい?

そう声を掛けてきたのは若い青年だった


あっ!!

ロ・・ロイド様

いぇ、な・・何でもありません。

うん!?

そのわりには、顔が真っ赤だよ(笑)


こ、これは急に声をかけられたから


顔を真っ赤にして小さい声で本当は、大好きなロイド様が私の目の前にいる事が幸せって死んでも言えない


クレアの顔を覗き込むロイド??

あっ!!もしかして

ギクッ!!


フレイが居ないから寂しいのかなぁ?

えっ!!

あっ、そ・・そうなんです

フレイ様早く帰ってこないかな!!

あぁ~

ロイド様にばれなくて良かった

と・・ところでロイド様

今日の会議の議題はなんだったのですか?

うん ラムド帝国が遂に西方諸国を制圧を完了する見込みだ


えっ!ラムドがですか

うん

と・・言うことは次の侵攻は我が東方諸国ですか


う〜ん、ちょっとそこまではわからないけど、取り敢えず警戒はしとかないとね

そうですね


クレア!!

耳をピコピコさせながら声の方に振り向く

あっ!!フレイ様

お帰りなさい

マスタング元帥のお話は終わったのですか?

えぇ!!・・あっ!?


ロイド!!・・やぁ

フレイ

お互いに気付いて声を掛け合う

丁度良かったわ

!?


俺に何か用があったのかい!?

えぇ

実はマスタング元帥より、北東の古城を根城にしている盗賊団の討伐命令が来たのよ

へぇ〜

最近噂になってる連中だね!!


そうよ

ハァ〜

ため息を付くフレイ

どうしたんだい!?


めんどくさいなぁ

行きたくない〜

やれやれ(笑)

だって、たかが盗賊討伐に私たちが出なくても良いじゃない


こんな案件

ミケ達でもやれるわよ

もう〜嫌

顔を真っ赤にしてプンプン怒るフレイ


マスタング元帥は人使いが荒いんだから


ははっ

あの人は昔から、そうゆう人じゃないか(笑)

まぁ、フレイに討伐の命令を出したのは、

何かの糸があるんじゃない!?


いいえ

ぜ〜ったいに無いわ

私を虐めて遊んでるんだわ


マスタング元帥、スゲー言われようだな(汗)

クレアは、思った

フレイ様・・子供みたい・・・


まぁ・・

いつまでも駄々を捏ねていても仕方ないわね

半分諦め顔のフレイ

ふぅ〜

ロイドの顔を見るフレイ

ロイド貴方暇よね?


えっ!

あぁ・・

暇だね?

良かったら、クレアと貴方の三人で討伐に行きましょう

あぁ良いよ


クレアの尻尾がフリフリ動く、嬉しそうだ

その愛らしいクレアの尻尾が動くのを見て微笑む

フレイは、そっとクレアに近付き小さな声で囁く

ロイドを守るのよ

はい‼️任せて下さい・・「ロイド??」


では

此より討伐軍の編成をするわよ


第1軍は私


第2軍はロイド


第3軍クレア


計250人の兵力で出発するわよ

こうして、フレイ率いる部隊は、北東の古城の盗賊の討伐に出発していった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る