2月13日 病気と人間 

♪ ♪ ♪

前田に一本電話が入る。

「古藤が死亡しました。」


前田の目は細くなり、5秒ほどの空白が生まれた。

「い、一体どういうことだ。」


「私も、事情は把握していません。検察官による起訴が昨日決まったのですが、今日の朝発見された頃には、留置所でなくなっていました。死亡推定時刻は1:20だそうです。」

「今日の朝か、、、」

「そうです。どう致しましょう。」

「榎本は今どこだ。」

「今は県警に向かっているところです。先ほどまで古藤の弁護をする予定だったという田中 瑠夏に話を聞いてきました。あ、すいません。信号が変わったので失礼します。」


古藤が死んだのか?死因はなんだ、、


「前田警部!ただいま戻りました。古藤のことについてなんですが、死因は、コレナウイルスによる細胞破壊です。」

「さ、細胞破壊だと!」

今までにコレナウイルスの死者は何人も見てきた。しかし、細胞破壊なんて聞いたことがないぞ。

「これは、専門家に聞いてみるのが良さそうだな。」

前田と榎本は、急いで大学病院に向かうとした。


「古藤は留置所に入る前から感染していたのか?」

車内で前田は聞いた。

「それが、まだわかんないんですよ。感染経路も全く分からないのが現状です。」

「なるほど。」


大学病院に着いた。ウイルスについての専門研究をしているという梅沢先生に今回の話を事前に伝えておいた。なぜなら、梅沢は都合よく古藤の解剖を担当している。


「前田さん。榎本さん。今回の事柄で起きた古藤の死因のデータです。」

そこには死因の証明ができそうなデータがどっさりと資料となって出てきた。

「原因はコレナウイルスで間違い無いでしょう。」

「では、変異株ですか?」

「そうだと思うよ。コレナウイルスの感染経路が血液感染である分、ウイルスの強さも大きくなっているよ。古藤さんは、心臓の細胞が薄くなっていて破れていた。それによる心臓発作が正しい死因だろう。」

「なるほど。肺炎に続いて、心臓の細胞破壊ですか、、」



今日の午後に大きくコレナウイルスの進化について、テレビで報道された。全国民がひやっとしただろう、無駄な行為は許されなくなったのだ。欲と命どっちが大切か考えるべきなんだろう。


明日はバレンタインデー。男女の仲の深まりを見せる日の前日で、こんな報道はあまりにも残酷だ。しかし、命には変えることはできない。


2月13日 18:30 古藤 智朗 は病死ということで処理された。


「全く、不可解だ。命の危機が高まった。」

「そうですね。命あるうちにあそこの店行きますか。」

「上手いこと言うじゃないか。いいだろう。」


こうして2人は『喫茶POREN』に向かった。


__________

次回 2月26日 進展と転機

なるべく毎日更新予定!


お楽しみに❗️


この物語はフィクションです。


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