2月10日 午後のティータイム(後編)

2月10日 13:21 名古屋駅殺人事件は 被害者 澤部 明彦 容疑者 古藤 智朗 として処理された。




「事件後の処理ですが、、、大変ですね。JR東海は血痕のついた車両を新規製造するらしいですよ。」

「例のアレか。」


例のアレとは、もちろん病気だ。病気といっても消毒すればいいとか簡単な話でないものだ。人生や、社会に影響を与える病気だ。

解剖中の澤部からHBVウイルスが発見されたのだ。しかも、結構重症だったらしい。念のため、救急と協力し、事件発生時澤部と同じ列車に乗っていた人全員に、病院での検査を強制した。結果は全員明後日には判明するらしい。


HBVウイルスは性病一種である。症状に、肺炎症状もある。時は2022年。2年前より謎に発生しているコルナ病による肺炎患者を出すのは、保健所にとっても非常に大変なことであろう。

申し訳ないが、澤部はよっぽどの人と関係を持っていたのだろうか。


2月09日 17:00

コンコン

「はい。どちら様ですか。」

「こちら愛知県警のものです。聞きたいことがございまして。」

郊外の春日井市にあるアパートに聞き込みに前田と川瀬は来ていた。榎本は古藤のところにいる。

「あなたは、安藤 美里さんで間違い無いでしょうか。」

「間違いありませんが?」

「本日、澤部 明彦さんが刺される事件が発生しました。あなたは澤部さんの彼女さんと澤部のお父様から聞いて、駆けつけました。」


澤部の父は不動産屋を経営してはなく、一般のサラリーマンだと言った。また、澤部とも1年ほど会ってないらしく、簡単な彼の関係がある人だけを教えてもらうことにした。

父は息子が刺されたと聞いて、一瞬涙目になった様子だったが、切り替えのはやい人だった。その関係がある人の1人が、安藤 美里 だ。


「澤部さんとは最近会ったことがありますか?」

部下の川瀬が聞く。

「いいえ、ありません。私は彼とは5ヶ月前に別れました。」

「なるほど。それから5ヶ月は会ってないのですね。」

「はい。」

「わかりました。夕方忙しい時間に失礼しました。」

2人は、安藤と話すのはこれくらいにして挨拶をし、名古屋駅前交番に戻るため、春日井駅に向かった。

犯人がわかっているのに事情聴取をするのもおかしな話だが、榎本がどうしても、安藤って人が澤部のことを知るのにいいのじゃないかと言われ聞きにいったのだ。事実、つかめた情報は彼の元カノだった。と言うことだけである。


2月10日13:32

二度目だが、事件は一応解決した形となっている。

「どうだ、榎本。この後お茶でも飲みに行かないか。」

「いいですね。まだお昼ご飯食べていませんし。ランチを兼ねていきましょうか。」


2人は晴れた青空の中を自家用車で駆け抜けた。


_________

次回 2月11日 社会現象

なるべく毎日更新予定


お楽しみに❗️



この物語はフィクションです。実際の個人名、団体名、社会事情とは、一切関係がありません。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る