第33話 ミゲルVSアダン

「では、本気で。」


アダンが足を開いて腰を落とす。


おそらく、あの攻撃は。


「中位魔法:【エンロード】」


一撃で決めに来ている。最初からアダン最強の技だ。

しかし、ミゲルの目はしっかりと炎を見ている。


「下位魔法:【小璧】」


炎の波が、ミゲルを襲う。ミゲルの姿は炎の中に消えた。


「少し、やりすぎたかのう。」


アダンが笑う。

さすがに容赦なさすぎだろ。主席の力か。

ミゲルの無事が確認できない。


「ミゲル!」


応答がない。炎の中はどうなってる!


消えていく炎。倒れているミゲルが見えた。


「ミゲル!おい!」


返事がない。服もかなり燃えている。

だがかすかに動いているのが見えた。


「ほう、まだ動けるか。では、トドメをささねばな。」


「やめろアダン!」


審判が叫ぶ。


「中位魔法:【エンロード】」


しかし、お構いなく再び炎が飛ぶ。


倒れているミゲルを炎の海が飲み込んだ。

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