第12話 あ、死んだ
アレクの後ろから、40代くらいの青い鎧を着た白髪混じりの短髪男と、アレクと同い年くらいの黄緑の鎧を着た、金髪で髪を後ろで縛ったハンサムが歩いてきた。
「私はルデビト3剣士の1人、イルガだ。魔法使い希望の者は、こちらに集まってもらおう。今では剣士をしているが、昔は一流の魔法使いをしておったのでな。」
青い鎧の男が口を開く。
またもや大広間がざわめく。
「どうも、ルデビト3剣士の1人、ウーラっす。戦士希望はこっちどうぞ〜」
続いて黄緑の鎧の男が無気力に言い放った。
なんかおっかなそうだな..
少々びびっていると、人波が2つに割れ始めたので、慌ててウーラのほうへ移動をする。
全員が別れ終わると、魔法使いは地下、戦士は外に案内された。
「じゃあ、説明すっけど。」
金髪の髪が揺れる。全然に緊張が走る。
「知ってっと思うけど、最近魔獣の凶暴化が激しい。」
あーっと、ん?魔獣?初耳ですけど。
「まぁ、魔族が本腰入れて人間落とそうと考えてんだろうな。それを防ぐのが俺らの仕事なわけだが。」
やばいやばい初耳しかない。これって常識なのか?
「ぶっちゃけ俺は強けりゃ誰でも認める。戦士なんて強くてなんぼだからな。」
ミーサ一言も魔獣なんて言ってなかったじゃないか!いや、俺が何と戦うか聞いてなかったのが悪いのか。
てっきり警察みたいに、悪い人を捕まえる仕事かと..
「つーわけで、大量の下位魔獣と数体の中位魔獣をここに放つ。上位放ったら全員死にそうだしな。とりあえず、お前らの力見せてくれ。」
そう言うと大きな庭に、いつの間にかムキムキのでかい犬のような生物や、でかいムカデ、でかいカエルがゾロゾロとこちらに向かって来ていた。
ちょちょちょ、待て待て待て聞いてない!
死ぬ!!
周りからも悲鳴が聞こえてくる。
「あ、そうそう言ってなかったけど、逃げ出すような奴はルデビトにはいらないからな。」
ウーラがケロっと言う。
いやいやいやいやそんなこと言われましても。
すでに何人かは逃げ出しているのが見えた。
「じゃ、スタート〜」
ウーラがふわっと宣言すると、同時に魔獣達が一斉に襲いかかり始めた。
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ
目の前でバタバタと人が襲われている。
次は俺にくるのか?
恐怖で震え、動けなかった。
ハッと気づいた時には、魔獣の鋭い牙が目の前にあった。
あ、死んだわ。
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