未練

綿麻きぬ

青い鳥

 朝、目が覚めた。ふと君のことを思う。もう一生、関わることがない君のことだ。もうブロックされて、会話を交えることすらしない君のことだ。


 そんな君のことなんかを考えていても、時間は進んでいく。もう泣いている時期は終わったのだから。


 布団から出て、歯磨きをし、顔を洗う。ふと、感情が溢れてくる。鏡に映った私は不細工だった。君が大好きな笑顔の私ではない。


 進む時の中、前に進もうとする私の足にずっと纏わりついている君への感情。どうやって捨てればいいのだろうか。


 ワンクリックで捨てられず、君への想いのみが募っていく。届くかもしれないと手を伸ばし、幸せの青い鳥に乗せて呟く。幸せを運んできた青い鳥は絶望も一緒に届けてくれた。もう一度、もう一度でいいから、今度は幸せを手放さないから、どうかもう一度、私に幸せを運んできて。

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未練 綿麻きぬ @wataasa_kinu

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