第6話 第二の敵

「あーーーっ!」


「うわあっ!何やねん!いきなり叫ぶなや!アホっ!お前のせいで寿命縮まったやないかい!俺、そのうち死んでまうわっ!」


「冬流は一回死んでも死にきれないよ!しぶとく生きてそう!」


「何やと!?」


「それで、どうしたんだ?何か忘れ物か?」


「うん。忘れ物した。取ってくる!」


「あっ!おいっ!待てっ!優季っ!冬流、出港の準備を頼む」


「了解!」


「すまない」


「何か俺…いつも準備係り回されてへんか?」


「後、冬流…さっきから妙な胸騒ぎがするから気を付けて欲しい。もし、戻るのが遅いとか、何か問題が発生したら連絡出来そうなら連絡する」


「あ、ああ。分かったわ。気を付けておくわ!隆も気を付けてな」


「ああ」



そして、私の後を追う隆樹。


グイッと腕を掴まれ引き止められた。



「きゃあっ!」



振り返る隆樹がいた。



「隆樹?」

「単独行動はするな!」

「あっ!そうだった!…ごめん…」

「全く!」



私達は色々な話をしながら移動し、忘れ物を取りに戻った帰り、船の方に歩み寄る向かっている時だった。



プシュン


銃声音がしない静かな音が私達の行く道を遮った。



「今の音……何?」

「俺達に向かって誰かが発泡した」



「!!!!!」




平静に冷静に言う隆樹に対して驚く私。



ドクン…


恐怖で私の胸が大きく跳ねる。



「えっ!?」


「俺達に当たらないように威嚇したのかもしれない」




グイッ


ドキッ

私の肩を抱き寄せるように、私を庇うようにすると物陰に隠れる私達。



「ここでじっとしてろ!」


「あ、うん…」


「もしかすると仲間がいるかもしれない。その時は奴等に従うようにしろ!一応、冬流には報告しておく。無茶はするな!良いな!」




そう言われ私は黙って頷き隆樹は私の前からいなくなった。


一人になった私は恐怖と闘いじっとしていた。



しばらくして―――――




「嬢ちゃん。じっとしろ!」



ビクッ

背後から誰かが声を掛けてきた。



「お前は、二人の連れだな?」


「…連れ…だけど…私を人質にしても…何の得もないよ…」


「ともかく一緒に来てもらおうか?」



「……………」




私は大人しく従う事にした。


その姿を偶然に見かける隆樹の姿。



「…やっぱり仲間がいたか…」




「取り敢えず行った方がええかもな」




冬流は、私達を探しに向かう。


その途中、冬流は私を見かけ、先回りしていた。



ドカッ



ドサッ



「野郎!いつの間に!」


「残念だったな〜。優季、耳塞いで背向けといてな?」

「えっ?あ、うん…」




何となく予則はつく。



「ええよ」



横たわっている人影。


人影を隠す冬流。



私は、目をそらす。



「優季には、刺激が強いよな〜。大丈夫か?」

「うーん…大丈夫じゃ…ない…かな〜…」

「そうやろな〜。逆に平気!って言われたら怖いわ!」



私は、とにかく視界に入らないように、背を向けて歩く




「隆樹は?」と、冬流。


「何処にいるか分かんない…。ここにいろ!って言われて、相手に連れて行かれたから。隆樹に指示に従えって言われてたし」


「お前を船に戻した方がええんかな?」




冬流は私を見た。




「お前、一人で船に戻れるか?」

「えっ…?…“うん”とは…言い切れないかな…?」


「そうやんな〜。一緒に行った方がええやろな。隆樹も、そう言うやろうな。何かあったら遅いから、お前一人にするにはリスクか高すぎるわ」



私達は移動した。


そして、すぐに合流し、私達3人は船に戻った。


多分、同じ組織の関係だろうと話をしていた。







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