第四話[一心同体?!」

 この本とんでもないこと言い始めたぞ。紙は食べ物ではないよ。


『とりあえず、さっさ!私をかじってみなさい。』


「はーい。」


 僕は渋々本を齧った。すると本が体の中に刷り込まれるように消えた。


「あれ??魔導書どこいった?」


『ここですよ!あなたの体の中にいます。』


僕の頭の中でこれが響く。


「うわっ何これ気持ち悪い。」


『気持ち悪いとはなんですか!』


「気持ちわる。」


『2回も言わなくてもいいじゃないですか。』


「で、これからどうするの?」


『頭の中に召喚陣を思い浮かべてください』


 僕召喚陣なんて知らないよ。ってあれ?わかる。何で?


『あなたの脳に知識を与えました。』


「うへぇーそんなこともできるだ。すごいね」


『そうです私はすごい魔術書なんです』


 うわっ、絶対ドヤ顔してるよ。こいつ。魔導書のくせに生意気だ。


『生意気ではありません。さぁ、庭に出ますよ!』


「はーい!」


そう言って僕たちは、庭に向かった。



『魔法陣に魔力を流してください。』


「こう?」


『下手ですねぇ。』


「うっさいわい!」


『もっとこう!力を入れて!ふんって感じで!』


 ふんって何だよ。説明下手か!もっとわかりやすく教えてくれよ。クソ魔導書!!


「クソ魔導書!」


『あーいまいったぁー。思っただけじゃなくていったぁ」


最初はあんなに、システム的だったの急に感情が表しすぎじゃないか!もっとカッコいいのがよかったァ。。


『私魔導書だけど、魔導書じゃないのよ?本来の喋る魔導書はこんなに、喋らないわよ。』


「な〜にいってんだか」


『長い間魔導書に封じ込まれちゃって、そしたら一体化しちゃった。」


「へぇーーー」


『あーーー興味なさそう。私は本当は神だったのよ!』


「自称神様ですか、危ない本ですね。」


『あーもう早く呼び出しなさいよ!!』


「はーい!って、呼び出せねぇから困ってるんだろ!!」


『ノリツッコミ?まだまだ下手くそね!もっと頑張りなさい。』


「なにを頑張るんだよ!!」


脳内で会話してるから独り言ヤベェやつって思われてないかな?。周りには誰もいないし平気か。


『独り言やばいやつ』


「うっさい!」


僕はもう一度魔力を流す。体から何かが抜けていく気がする。どんどんと魔力が吸われていく。


『いいよ!もっと!どんどん出して』


「変な言い方するなよ。もう〜」


魔法陣が光出す。成功だ!!次の瞬間。大地が割れる。なんだ。何が起きている!


 黒光する2本の触覚が現れる。黒い三つの塊。これはどこからどうみても。アリだ。巨大なアリがこの世界にやってきた。


『アルトにげて!!』


 次の瞬間、俺の体に謎の衝撃によって吹き飛ばされる。


「わしを呼び出すとはどういう用件だ。ただでは殺さんぞ。」


呼び出されただけで怒るなんて短気過ぎやしないか?呼ばれたんだから、僕に従えよ。


『アルト不味いわ。あいつは別世界を支配する王。アリアントよ!』


誰やねんそいつ。


「僕が呼び出した。お父さんを助ける為に力を貸してくれ。」


「断る!」


「なんで……。」


「助ける理由がないからだ。』


「ダメよ。アルト、話が通じる相手では無いわ』


「それなら力尽くで従わせる。』


僕は剣を握りアリアントに向けた。


「ギガストラッシュ!!」


あれ、発動しない。何で……。


「ギガストラッシュ!ギガストラッシュ!ギガストラッシュ!」


僕は剣を投げつける。くそっ!!


「もうお遊びは、良いのか?」


  アリアントがニヤニヤと僕を見る。


『アルト、アルトにはもうスキルがないの。』


えっ。そんな。そんな事があるなんて。


『ごめんね。アルト。こんなことになるなんて。』


「さぁ死の時間だ!!」


 アリアントが僕に猛スピードで近づきタックルをしようとした時、見えない壁にぶつかった。


「ははは!そういう事か!小僧相当運が無いの。われを呼び出すなんて。女神の加護。小僧を守っているものは女神の加護じゃの。そうだろう?【オウゲツヒメノカミ】」


 えっ。オウゲツヒメノカミ?どこかで聞いたような……あっ!モンスター図鑑。


「相変わらず下品な方ですね。」


黒色の髪の毛の美しい女性が現れる。ムカデじゃなかったの?


「はじめまして、アルト君。」


「だれ??」


「魔導書ですよ。」


 ええぇぇー!!魔導書って擬人化するの?


「沢山おしゃべりしたい所ですがそうも行きませんね。」


風邪の刃を透明な壁でガードする。


「絶対領域!!私の周り、半径5メートルの攻撃は受け付けませんわ!!」


 アリアントとオウゲツヒメノカミの攻防が続く。


「しゃらくせぇーーー。さっさと死にやがれ。」


「あなたが死んだらどうですか?」


「あまい、あまい。あまいわぁーー」


「甘いのはそっちだぁぁぁ。」


  オウゲツヒメノカミがビームを放つ。


 

「なんのこれしき!!」


  

 アリアントが皮膚で受け止める。


「なっ!!!」


「お前から死にやがれ!!」


 アリアントが、オウゲツヒメノカミの腕を噛み切った。


「くっ!?なんて丈夫な皮膚なの。攻撃が通らない。」


「わしはアリだそ!最強の生物が神ごときに負けるわけなかろう」


 絶望だ。こんなの勝てるわけない。

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