第四話[ボス攻略]

ー18階層ボス部屋前ー


「みんな。よく此処までついてきてくれた。これからボス戦だ。気を引き締めて行けよ!絶対に勝つぞ!」


 ペルンダが剣を振り上げ、鼓舞する。皆が真剣な表情に変わり、覚悟を決める。


「行くぞ!」


ギギギギギィィ


 ペルンダが扉を開ける。ボス部屋の奥には、赤く光る目が俺たちを見ている。ペルンダが先頭に立ち、警戒しながら前に進む。全員が入り終えた所でドアが閉り、辺りに炎が灯る。


「グググゴォォォォオ。」


 赤い目に、三メートルの体。恐竜のような見た目に氷の鎧を見に纏う。フリーズンバ・マ・トドガロスが雄叫びをあげ、飛び降りて来た。トドガロスの周りに3体のガロスが現れる。トドガロスが80センチくらいになったモンスター。モンスター達が俺たちに向かって走り出す。


「総員!!攻撃かいしぃいいいい!!!」


 ペルンダが剣を前に向ける。その合図と共に男たちは、駆け出した。


「うぉぉおおおおおおお」

「そいやぁぁぁあ」


 ナインが先頭に立ち、剣をガロスに叩き込む。


「キィシャァァァァァ」


キンッ!!キンッ!!!カン!!!


 戦闘が始まり金属音が鳴り響く。負傷者も出る事は無く、順調と言っても間違えないだろう。


「A班前に出過ぎた下がれ。B班は、C班のカバーに入れ。」


 上手く行っている理由は、ペルンダの指示が大きい。細かく指示を出して、被害を最小限に抑えていた。


「グググゴォォォォオ。」


 トドガロスが雄叫びをあげる。


「来るぞ!全員退避!!」


 トドガロスの半径5メートルの床が凍った。すぐにペルンダの指示が飛ぶ。


「A班・B班前、に出ろ!C班は待機!!」


「おうよ!」

「まかせろ!!」


「D班・E班は、ガロスの対処に当たれ!」


「了解」


 俺たちは、E班にとして行動している。ティーファが前に飛び出る。



「全部食べてやる!!」


 俺が攻撃を弾いて、ガロスに向かって薙刀を振り下ろす。ただの食いしん坊だと思っていたら、とんだ強者だ。踊るように戦う行動が読めない。ティーファがガロスを叩き切った。


「ナイスだ。」


 俺もガロスを攻撃を腕で弾き、殴りつける。トドメを誘うとした時


「グググゴォォォォオ。」


 トドガロスが雄叫びをあげる。どうやら相当怒っているようだ。トドガロスにガロス近づき、トドガロスがガロスを飲み込んだ。


「なにか、くるぞ。」


「下がれ!俺が対処する!!相手の攻撃を凌いだら全力で攻撃しろ!」


 ペルンダが剣を構えて前に出た。トドガロスが大量の氷の剣を空に浮かべる。


「ぅぉおおおおおおおおお」


  ペルンダが猛スピードで近づく。トドガロスがニヤリと笑った。俺は何か嫌な予感がした。


「一度下がれ!!何かおかしい!!」


 俺の声は、ペルンダに届く事がなくトドガロスに向かっていった。


「くらえ!火龍斬!!」


 振り下ろされる燃える剣にトドガロスの肉を切り裂いた。ニヤリと笑う。次の瞬間ペルンダは、トドガロスに食べられた。


「ペルンダさん!!」


 皆の士気が一気に下がる。ナインがトドガロスに向かって攻撃を仕掛ける。


「ぅぉおおおおおおおおお」


 トドガロスの傷はすぐに再生して【威圧】を放った。


「くそっ……。」


 全員の動きが止まる。腰が抜けたハナヒメに向かって走り出しトドガロスが口を開ける。


キィィィィン!!


 トドガロスの背中に向かって剣が投げつけられた。ナインだ。


「これ以上、仲間を失うわけには行かないんだね。食うなら俺からにしてよ。みんな後は任せたよ。」


 トドガロスがナインに噛み付こうとする。


「させねぇーよ。」


 俺は蟻人化して、バリスタを放つ。トドガロスがバリスタに当たって吹っ飛ぶ。


 甘かった。この程度の相手で誰かが死ぬなんて考えていなかったんだ。金獅子と比べて、トドガロスが弱い。だからこの程度のモンスターなら、すぐ倒せるだろうと思っていたんだ。俺の中で戦う価値なしのトドガロスでも、こいつらにとっては、強敵なんだ。


「さぁ立てよ。トドガロス。食ったもん吐き出せよ。」


「私もやる。」


「わかった。」


「俺が突っ込む。隙を見て攻撃しろ!」


「ん!」


 トドガロスに猛スピードで近づき、振り下ろされる氷の剣を拳で弾く!


「いけ!!」


 振り下ろされる薙刀がトドガロスに傷を与える。相手はワザとダメージを受け、ティーファに噛みつこうとする。


「ティーファ!!」


 ギリギリで避けたティーファだったが、フードが外れる。茶髪のセミロング。茶色の眼。物凄い美少女だった。


 ティーファが薙刀をトドガロスに突き刺さして

吹き飛ばす。


「よゆぅ〜。」


 俺に向かってピースを向ける。トドガロスが起き上がり氷の剣を飛ばす。やべぇそっちは、動けない奴らが……。


「うぅっ。」


 やばい。レベルマイナスのデフレで届かない。ハナヒメ達を助けようとするが氷の剣が俺の横をすり抜けた。


キィィィィン!!!


「こっちは任せろ!俺たちが守る」


 ナインが氷の剣を弾いた。かっけぇなおい。俺も早くトドガロス倒さなきゃな。


「ティーファ。お前一人で倒せるか?」


「無理。」


「俺が片付ける。少し下がってろ。」


「ん!」


 俺は蟻人化を解除した。今から見せるのは、とっておきだ。覚悟しろよ。


「変身!!」


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