第7話 「ダンジョン攻略。」

「ダンジョンに潜りたい。」


俺はエルナに真剣な目線を送る。


「では、今から行きますか?」


「うむっ!」


俺たちはダンジョンに向かうのであった。



 始まりのダンジョン地下3階。弱いモンスターが多く攻略済みのダンジョンである。ゴブリンを倒しながら先に進む。


「ん〜〜。なんか違うんだよなぁ。」


「どうかしましたか?アルト様。攻略は順調ですけど……。なにか気になることでも?」


 エルナは、不思議そうに俺を見つめている。

ここまで苦戦もなく。サクサク前に攻略をしている。しかし俺は物足りなさを感じていた。

 

 つまらないのだ。サクサク進みすぎてバトルが作業になっていた。まるでモグラ叩きだ。現れたらアルファ達が倒す。俺たちはただ歩いてるだけなのだ。


 俺は、アルファ達だけで勝てる相手に興味が持てず戦闘を任せていた。


「強そうな敵〜強そうな敵〜現れよ!!」


「現れたら困りますよ。」

 

 エルナは笑いながら言った。


しばらく歩き、何事もなくボス部屋のドアのまで来てしまった。


「エルナ、手出し無用で頼む。」


「わかりました。」


俺たちはボス部屋のドアを開けた。


3メートルの体に赤い皮膚、2本のツノを生やし。鼻には、大きな輪っか。片手に斧を持ち、二足歩行のウシ。ミノタウロスだ。


 高ランクの魔物に、アルトは興奮を隠しきれなかった。


「モォォォォォォォ!?」


 ミノタウロスが雄叫びを上げる。


アリに変身し、酸弾(アシッドボム)を連続で発射する連射酸弾(ガトリングボム)を放った。一点集中。超高威力スキル、威力は高いが、回避は難しくないだろう。。


 弾幕をはり、無数の酸となった連射酸弾(ガトリングボム)がミノタウロスに迫るが、ミノタウロスは斧を横薙ぎに払い、酸を弾き飛ばす。がミノタウロスの斧は溶けてしまう。


 アルトはその隙を付き、ミノタウロスの右足に噛み付いた。噛みちぎる事は出来ず。ミノタウロスに蹴り飛ばされてしまう。


「痛い……。最高だよお前!」 


「モォォォォ」


 ミノタウロスは溶けた斧を俺に向かって投げつけ、口元に手を当てる。

ボォッ。ミノタウロスが火を噴いた。アルトはいきなりの事で対処が出来ず火に飲み込まれてしまう。


 こいつ、火を吹けるのか!?


「アツッ!」


「アルト様!そのミノタウロスはユニークモンスターです。本来持っていないスキルを保有しています。」


 もっと高威力で押し切るか。火は厄介だ。しかし、このままでは近づけない。遠距離から仕掛けるぞ!


 アルファ・ベータ・ガンマを呼び出し酸を集める。収集された酸を槍の形に変えた。そして――


 よし、いけ!


 アリ達が猛スピードでミノタウロスによじ登り纏わり付き手足を噛み付いた。アリ達も成長し、今は30センチになっている。ミノタウロスは、アリを振り払い、俺に向かって突進してきた。



「モォォォォォォォ!!!」


「―――!?」


 ミノタウロスの最後の攻撃だ。すごいプレッシャーを感じる。命の賭けた闘い。これ以上に熱いものはないだろう。


   「勝つのは俺だぁぁあ

   ――唸れ 酸貫神槍!!!」

   (うなれ。 グングニル!!!)


 世界全て貫きやがれ!


 

 放たれた一本の槍はミノタウロスを貫き、壁を破壊し、どこかへと消えていった。


『レベルが《22》になりました。


スキル《アリンコ》の能力が強化されました。

スキル{アリンコ》の能力が追加されました。』


頭の中に声が鳴り響く。


「あー。楽しかった。もう終わりか……。」



俺はステータスを確認する。


________________________


[名前]シャルロット・アルト

[年齢]15歳

[性別]男

[レベル]22


[スキル]《アリンコ》

『変身』……1メートルのアリになることができる。

『産卵』……働きアリを3匹産むことができる。

『ジョブチェンジ』……アリのジョブを変更できる。

[親爆弾アリ]……自爆することができる。

            一匹まで変更可能。

 [親毒アリ]………体に強烈な毒を持つ。

            一匹まで変更可能。

 [親軍隊アリ]……アリを沢山産む。

            一匹まで変更可能。


[変身時可能スキル]


『酸弾』……胃液を吐き出し弾にして

               放つ事ができる。


『速射酸弾』……酸弾を連射する。 new


『酸貫神槍』……3匹の胃液を集め、強力な

                酸の槍を放つ。new

________________________


 どうやらイメージした攻撃は、スキルに追加されるようだ。


 『変身』アリンコ1メートルって事は、三メートルの物を持ち上げて、十二メートル投げ飛ばせる。アリ一メートルは、恐怖を感じる。


「ジョブチェンジ……。アルファ・ベータ・ガンマ出ておいで。」


 地面からアルファ達が現れる。


「君たちには進化してもらう!問題ないか?」


「「「キュ!!!」」」


 アルファを『親爆弾アリ』に

 ベータを『親毒アリ』に

 ガンマを『親軍隊アリ』に進化させた。


見た目も大きく変わり。アルファは真っ赤にベータは真っ白に、ガンマは緑色に変化した。


「「「キュキュキュ」」」


 それぞれが卵を産んだ。

アルファとベータが三匹。ガンマは六匹

直ぐに卵が割れ10センチのアリ達が現れる。

どうやらアルファ達にも子供ができたらしい。


「これからよろしくな。」


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