第3話 [決意]

ゴブリンと言えば、臭い、汚い、多い。

最悪の3箇条がそろっていやがる。

強さは、スライムよりは強い程度。好戦的な性格をしていて、倒しても倒してもキリがない。

知能は、小学3年生程度。ゴブリン達を統一するものが現れたら危険度は、跳ね上がるだろう。


俺は、スキル[アリンコ]の能力が強化した。

一対一なら負けることはありえない。

以前の俺なら、逃げることしかできなかったが今は違う。

ゴブリン程度食い散らかしてやる。


俺はアリに変身してソロのゴブリンを探す


「いた。ゴブリン一匹だ!アリの強さ思い知るが良い!!」


俺は、猛スピードで近寄りゴブリンの足を噛みちぎる。


「ゴブゴブゥゥゥ。」

ゴブリンは片足で立ち、足を切られたのに「獲物はお前だ!」と好戦的な視線を俺に向ける。


「尊敬するよ。片足で失った状態で立ち向かうとは、心底恐怖するよ。……お前が強かったらな!」


俺は、更にゴブリンの片足を噛みちぎりゴブリンが倒れた。

ゴブリンの背中に乗って。首をちょん切った。


「ゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブゴブ」


「なんだこのゴブリンの数は。」


辺りを見回すと10匹のゴブリンが好戦的な笑みを浮かべていた。


怖い、えええい。ビビるな俺。戦うんだ!!負けてたまるか!!!


アリのスピードを活かしてゴブリンの足を噛みちぎる。

がしかし他のゴブリンによって、俺に棍棒を叩きつける。


「ぐへっ。…………あれ?痛くない。まーいっか!ラッキー!!」

俺は次々、ゴブリンの足を噛みちぎった。


アリの体は黒く硬い皮膚に覆われおり。日光にも強い。並大抵の攻撃ならアリはダメージを喰らわないのだ。

もう一度言おう。

アリは、サイズ以外完成された生き物なのだ。


ゴブリンの足を噛みちぎり、クビを切ってトドメをさす。


全てのゴブリンを討伐した時、頭に声が響いた。


____________


『レベルが《7》になりました。


スキル[アリンコ]の能力が追加されました。』


____________


「強化じゃなくて、追加だと?

どんなスキルが追加されたんだ!」


俺はステータスを確認するのだった。


________________________


[名前]シャルロット・アルト

[年齢]15歳

[性別]男

[レベル]7


[スキル]《アリンコ》

『変身』……10cmのアリになることができる。

『産卵』……働きアリを3匹産むことができる

________________________


「俺お母さんになります!!」


俺は、三匹の働きアリを産むことにした。3つの卵が現れすぐに割れる。割れた卵を食べて働きアリは、5cmくらいの大きさになった。


「左から、ベータ。アルファ。ガンマ。これからよろしく頼むよ。」


すごい。レベルが上がるとどんどん強くなっていく。


ここ数日で急成長をしている俺は、アリのまま喜びのダンスを踊った。働きアリも一緒に踊る。

傍から見れば、なにかの儀式と勘違いしてしまいそうだ。


「ベータ!アルファ!ガンマ!お前達は、ここのゴブリンを殲滅せよ!!!」


「「「キュ!!!」」」


アリ達が前足で敬礼してる。めっちゃ可愛い。


働きアリを置いて俺はギルドに帰ることにした。


「今日はもう疲れた。さっさと休もう。」


働きアリに命令をしときながら、俺は休む。

うちはブラック企業なのだ!


「おい、アルト」


「うぇ、ギルバートかよ。なんかようか?」


俺に声をかけたのは、ギルドの職員のギルバートだった。


「そんな嫌そうな顔すんなって。一人で寂しそうだから声かけてやっただけだろうよ。」


坊主頭のギルバートは、頬をかいた。俺よりも10歳以上年上の元Aランク冒険者だ。強面のおっさんってところか?


「[希望のカケラ]の件は残念だったな。王都の方では、王様の横暴に不満が集まってる。」


「俺の仲間を犯罪者にする国なんて、潰れてしまえ」


「おいおい、こえー事言うなよ。周りに聞かれたらどうするんだよ。」


必死に辺りを見回すギルバート。自分の事をいつでも心配してくれているギルバートを俺は尊敬していた。


「で、アルトはソロで活動していくつもりか?」


「そのつもりだけど、今更他のやつとパーティ組みたいなんて思わないし。」


「だよなぁぁ。頼みがあるんだけど、一度だけで良い。パーティ組んで欲しい奴がいるんだよ。」

ギルバートが頭を下げる。


ギルバートが頭を下げて頼むような事。俺が断れる訳ないんだよなぁ。


「良いですよ。相手はどんな人ですか?」


ギルバートが頭を上げてニコニコしている。


「詳しくは話せないんだけど、アルトと一緒って所かな。」


「ソロの冒険者って事?」


「そーゆー事。ちょっと複雑な理由があるんだけど、前のパーティから追放されたって所だな。」


あぁなるほど。俺も追放されかけたから、少しは気持ちがわかる。

俺の場合は、[希望のカケラ]の善意からの追放だったけど、悪意からだったら立ち直れる気がしない。 


「頼めるか?」

ギルバートが不安そうな顔を浮かべる。


「任せろ!!」

次の日、その冒険者とギルドで会うことになった。


夜が明けて、俺はギルドへ向かう。

ギルバートの隣には、金色に輝く短い髪。紫色のビー玉見たいな丸い目。はっきりとした鼻筋にふっくらとしたピンク色の唇。小柄な体の少女が立っていた。

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