第2話 [強くなる 為]
パーティを脱退してから一夜明けた。
これからは、下準備・戦闘・後処理全部一人でやらなければならない。
下準備と後処理は、もともと俺の担当だったので問題はないが。戦闘は、今の俺ではできなかった。
仲間を増やす事を考えたが、俺のスキルで募集しても誰も集まらないだろう。
俺が強くなるしかないよな。
早くトント達と暮らす為、立ち止まってる暇はないのだ。
「ステータスオープン」
アルトは現状を把握する為ステータスを開いた。
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[名前]シャルロット・アルト
[年齢]15歳
[性別]男
[レベル]1
[スキル]《アリンコ》
『変身』……アリになることができる。
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『変身』を使うとアリになる事ができる。
力もサイズもただのアリ。
アリは上下の顎が生み出す力は、体重の300倍を超える。
8cmもの高さまで押し上げ、40cm近く離れたところまで弾き飛ばす事ができる。
サイズが変更できれば、最強スキルなのにな。
3cmだとなんもできない。
「ハズレスキルだし...仕方ないよな......。」
他の冒険者達は、魔法を使えたり身体能力を上げたり、戦闘で役立つスキルを持っている事が多い。
トントは[筋肉治癒士]レイナは[バーサーカー]のスキルを持っていた。
[筋肉治癒士]は、筋力上昇と回復を覚える。とても珍しく、強いスキル。
それに比べて俺のスキル《アリンコ》には、そんな物は無く。戦闘以外にも特に使い方がない、ハズレスキルって訳だ。
「弱気になっちゃダメだ!ダンジョンを制覇するって言ったんだから!」
俺は身支度を整えて、ギルドに向かうのだった。
今は、お金があるけど稼がなきゃゼロになる。
スライム討伐の依頼を受けて、ダンジョンに潜る。
「おぉらよぉぉぉぉよ!!くたばれ!!」
勢いよく剣を振り回すも、スライムには、当たらない。
俺がいくら攻撃しても、スライムにかする事もなかった。
「ちくしょぉ……。俺には戦闘センスもないのかよ。」
今までほとんど戦って来なかったし。武器は、持っていたが飾りとなっていた。
「……試してみるか。」
俺は、『変身』を使って、アリになる。
アリなら攻撃が当たるかもしれない。
突撃だぁぁぉぁ!!!!
俺はスライムに噛み付く。
当たるぞ!攻撃が当たるぞ!!
俺に剣は必要なかった。必要なのは顎だった。
1時間スライムを噛み砕き、倒す事ができた。
「ザマァーミヤガレクソスライム!!!」
初めて倒したモンスターに俺は興奮を隠せなかった。
嬉しくって騒いでいると、頭の中に声が鳴り響いく
『レベルが《2》になりました。』
これが噂に聞いたレベルアップ!初めて聞いたよ。
テンション上がるなコレ!
そこから俺は、ひたすらスライムを倒すのであった。
スライムを倒し始めて、二日ほど経過した。
『レベルが《5》になりました。
スキル《アリンコ》の能力が強化されました。』
「……なにっ!強化だと!」
俺は急いでステータスを確認する
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[名前]シャルロット・アルト
[年齢]15歳
[性別]男
[レベル]5
[スキル]《アリンコ》
『変身』……10cmのアリになることができる。
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「アリンコ10cmって事は、30cmの物を持ち上げて、120cm投げ飛ばせるって事!!!もう化け物じゃん。」
アリとは、サイズ以外は完成された生き物と言っても過言じゃないのだ。サイズが大きくなれば、この世で叶う生物などいない。
「やったぞ。俺はまだまだ強くなれる。」
スライムを一噛みで粉砕して次の階層に向かう。
次の階層には、人間の半分くらいの背丈、緑色の肌をした小人。
ゴブリンのフロアだ。
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