第6話 自然生物の定着

水と空気も十分満たされ、コア部分、宇宙船内は人工太陽による光供給システムと空調システムにより常に活動が快適に出来る地上環境を再現されている。そんな宇宙船の中の疑似地球に放たれた各種のジビエ食材になりうる獣が定住している事も確認。多種多様なバクテリアも船内にいつの間にか入り込んで肥料作成の為に日夜人類に貢献をしている。昆虫類も多種類移住させている。これから徐々に子孫を残し、世代交代しながら宇宙船に定着する事だろう。遠心力により地上と天井の区別を人間が認識できる宇宙船は世界でもこの宇宙船だけだ。過去にSFで人工重力により天地が区切られている宇宙船が存在していたように思うが、、、。


前置きが長くなりすぎた! エネルギーの心配は半永久核燃料システムの発明で問題がクリアされている。船内環境も日本の初夏に近いとても生活しやすい設定。屋外プールでの遊泳や、人工海面での遊泳は少々寒さが有るが、耐えられない気温では無い。これ以上、気温を上げてしまうと東京の真夏日を再現した環境になり、クーラー装置が各セルで必要に、その悪影響で室外機による船内冷却効果と電力消費が新たな問題に発展してしまうだろう。空調を使わず生活できる環境に固定する事により冷暖房不要な船内環境をつくったのだ。

 

 ただし、特別なセルに熱帯の環境と冬の環境が作り出されいる。熱帯の植物を成長させ、特定の動物を保護している。当然そのセル内を生活拠点セルにしたいと思う人も出てくるが、居住空間として使うことは禁じらた。クーラーが無いと人類が居住する空間として過酷だからだ。

 

 あくまでもその環境でしか生育する事が出来ない動植物に与えた環境である。熱帯環境を再現したセルでは、地球の熱帯地区で頻繁にあるスコールが人間や機器のコントロールに関係なく起きる。それは気温を暑くしている為に水分蒸発が起き、上空の方に溜まり人工的な雲に発展して耐えきれなくなった時に、雨として落ちるのだ。

 熱帯植物と熱帯に生息する動物も出来る限り保護をしているので、そのセルに移殖完了し定着の確認も済んでいる。

真冬再現セルには、北極熊、ペンギンその他、寒冷地に生息している特殊な動植物を保護繁殖させる為、搭載されている。

その様な環境整備をしてるセルなので動植物の採取、狩猟の時以外は、人類が熱帯環境セル、真冬再現セルに立ち入ることを禁じられた。宇宙船を分断する事無くその他の住民が自由に移動可能にする為に両末端に作られている。熱帯地区を隔離した次の地区から居住セルの各区画に生活に欠かせないインフラ整備完了し、あとは建物となるセルが完成することにより各個人の移住が出来る状態になった。セルと呼ばれる居住空間には有る程度の高さで建物を建築する必要が出てくるが、所有権や地権者等の地球では当たり前に持っていた権利等が宇宙船では通用しない。各人の家族構成から、一人頭の居住空間を割り当てられるのだ。親戚等の同族をなるべく近くに移動したり、居住セルを同じ建物にして同居する事は認められているので、移住する前にその希望だけが取られる。居住場所に関しては、コンピューターによる全自動抽選により振り分けがされるが、地区による不公平、利便性の違いは無いに等しい。宇宙船の中にある居住コアは全て同じサイズになっているし、日当たりに関しても人工照明太陽なので、平等に光が当てられる。


 金銭等の売買システムも構築去れることになった。今まで宇宙船内では一切の現金が不要であったが、日本全国の人が移住を開始するにあたり、労働、税金、その他法律の整備も行われる。通貨は実態を持たない、仮想通貨の仕組みが取り入れられた。造幣局は廃止、造幣局職員は暗号資産管理委員という地位に就任する事が決まった。この地位になっても地球からまだ移住完了してない職員は、地球上で船内の暗号資産利用者の監視と承認作業をしてその対価を受け取る仕組みで有るがゆえに、毎日承認確認の仕事をするようになった。造幣局の職員だけに承認作業を任せると遅延がめちゃくちゃ発生し暗号資産を通貨として利用するには非常に困ってしまう事態が想定される。そこで、一般居住者で希望を募り、確認承認をする人材を確保する必要が出てきていた。確認承認をする為の作業はノートパソコンに専用ゲームをインストール、ゲームで遊び各短いステージをクリアする事により確認、承認作業が完了する仕組みが作られている。このゲームに参加すると、各種行為により与えられる仮想通貨が決まっていて、その通貨をゲームで承認作業に参加した個人、元造幣局員に還元する仕組みになっている。一日8時間20日ゲームを繰り返し行うと、生活が出来るだけの日本円換算で40万円が最低支払われる仕組み。

移住する前の住民は、既にゲームの情報と、アカウントが作成可能となっていて、移住に先立ち仮想通貨を早々に収集する学生(小学生から可能)や社会人も出現。専業と言われる、これだけを日夜する人間も出現するのは時間の問題だろう。

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