第4話 完成必要物資の運搬配置の準備開始

 時は流れ宇宙移動計画も終盤に突入した。宇宙船本体が完成し、一番大切な生命維持に不可欠な酸素、二酸化炭素、水素、窒素、リン等の物質を地球から送り始めている。船体が150キロメートルも有るため、運搬、移住者出入口、更には、今後必要になる移住者の宇宙船母体からの分離移動する小型宇宙船の出入り口も設計されていて、今回の物資配送に配送物資が大きい為、小型宇宙船出入口を利用しての運搬が採用された。この運搬口に合体するために開発された宇宙船は再利用も可能で、人類や動物の搬送もこれで可能となっているが、酸素の供給がまだされていない宇宙船では生命維持が出来ない為、無人宇宙船を飛ばし、母船に酸素、水、合成機器を100台の搬送が決まっている。その供給された機械の据え付けに完成は最初に送りこまれている人型ロボットが全ての搬出、設置を賄う事で、母船での生命維持が可能となり、次のステップである、植物の移殖に取り掛かるのだが、土が送り込まれていないので、人工的に作られた土を送り込んでいく。この土は、水分を含ませることにより、100倍に膨れ上がる特徴がある特殊土と言われるものだ。


 土の搬送も無事完了し、宇宙船内の居住施設建築予定地と通路予定地、人工海の場所以外を全て人工土で覆うことが出来た。

表土は、1メートルの厚みを持たせているので、広葉樹、針葉樹、草、食料となる各種植物も生育させることが可能となった。

それと並行し輸送された、水素と酸素を合成し、水も徐々に作り始められる。水は丘の水路(人口の川)を流れる様に設計され、最終的には海に流れる。丘には樹木が沢山植えられるのでその樹木が作り出す栄養素を海に流す事で、海洋生物の生育を助け、餌を与える事無く自然に食料になる海洋生物が育つ環境を作るのだ。

 地球上にある植物を出来るだけ移殖する為、世界から植物の種子を集めてあるので、それらを宇宙船で大切に移植する。この頃に成ると、人類が生存可能な空間が出来上がり、一番最初に建築関係者が100名食料と共に移住を開始した。建築関係者は居住棟を建築する技師らになる。建築が各所で完了し、安定居住が可能となり、植物移殖グループと海洋生物移殖、陸上生物の移植に関わる人類が選ばれ、1年間の食料と共に宇宙船に移住を開始。

 これにより、宇宙船には植物の種と、動物、海洋生物の移住が完了される。先行移住した彼らにより、更に区画整理がされ道の整備も完了、地球で空に当たる空間を利用する検討もされ、上空を移動する手段として、電動の小型ヘリコプターの様なものが地球で開発される事になる。また、移動手段としてバスの建築もされるのだが、それらの開発には電気炉を先に作り、その電気炉により、宇宙空間で鉄、アルミ等を使える形にする工場が作り出されていく。材料鉱物を地球から大量輸送も開始された。

 

 このように、地球から必要物資を輸送する事により、地球とほとんど変わらない居住空間と、ストレスなく普段着で各施設を移動する事も、子供でも大人でも船内が地球だと錯覚しかねない位完成度が高い疑似地球が完成。


完成された疑似地球に住めるのは、日本在住者と世界に居る日本国籍の人類に今回は限られてしまうが、移住が開始された。

世界各国にて同じような取り組みが今では当たり前のように開始されているが、世界初の船という位置の、こちらの船は世界から見学者が途絶える事無く、毎日訪れ説明要員として、50名の研究者と家族、親族が先行移住を済ませている。研究者と家族は、宇宙船に届けられた物資を活用し、各々個性ある居住空間を作り出す事にも成功している。宇宙船の内部に、更に居住施設を作る仕組みが今回の宇宙船では初の試みになるだろう。

通常の宇宙船は居住区と研究地区とコックピットなどで構成されるが、操縦の必要ない船にする必要が有った。

 地球と同じ生活を営み、世代交代を繰り返し新しい星に人類、地球の生物が移住するミッション。全自動での運転が選ばれたのは、操縦可能な人類が居なくなっても持続可能な船にする必要があるからだ。

 ただし人類が船に完全移住完了し、地球周回軌道から太陽等を避け広大な宇宙空間に旅立つ最初の離脱作業のみ、手動操作が必要不可欠である。この操作を実行するのはまださきになるだろう。

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