良い知らせと悪い知らせがあるんだが……

じゃあ良い知らせから(問答無用)

こんにちは! 安崎です。


閲覧、コメント、応援、いつもありがとうございます。「web版読みました!」「書籍買いました!」というお声もたくさんいただきました。「面白かった」「○○が好き」というお声を聞くたびに、毎回その場で小躍りするくらい喜んでおります。個人的にはメイン二人に迫る勢いで「好き!」「挿絵で見たい!!」というキルケー評にニコニコしております。ありがとうございます。


さて。本日はタイトル通りに良いお知らせと悪いお知らせの両方を。お知らせ兼予告ですね。


まずは良い……多分読者様には喜んでもらえ……もらえたらいいなぁ、な、お知らせから。



【真紅公爵 新章、始めます】



はい! このページの後ろから第2部と称して新章始めます!!


……って書くと「うぉぉ! 続刊決定!?」と思うでしょう?


ではここで悪い方のお知らせを。



【今のところ第2部が書籍化する予定はありません】



ないんです……!! 「今のところ」って書いといたらそのうち手のひら返ししてくれないかなぁって思ってるくらいにはないんです……!! 私も担当様も悲しい……。何とかしてくれ、営業部……!!


というわけで、書籍化する予定は(引っくり返ることを願って傍点ふっておきますね……)ないのですが、趣味的に第2部はカクヨムで連載することにしました。編集様のアドバイスが入らない100%安崎産のクオリティですので、どの程度皆様に御満足いただけるかは分かりませんが、web版・書籍版に「面白かったよ」と言ってくださった読者様へ少しでも恩返しができたらなと思っています。


以下にあらすじ(今のところの)を貼っておくので、それを読んで「読むぜ!」と思ってくださった皆様はどうぞ栞をそのままに連載開始をお待ち下さい。「んー、ちょっとなぁ……」と感じた皆様はどうぞご無理をなさらずに。




────────────────


「わたくしは、お前が欲しい。宿命を捻じ曲げることを望む砂金、ヨル・ネーデルハウトが」


  ※  ※  ※


エゼリア帝国帝都・アメジュラントはお祭騒ぎで浮かれていた。数十年に一度、隣国より次代の国主がエゼリア帝国皇帝に拝謁する習わし、『本国登城口上』のためにエルランテ公国公女の使節団がアメジュラントを訪れるためである。


しかし民とは違い、皇宮に仕える人間達は浮かれてばかりもいられない。それは『存在しない部隊』であるイライザ特殊部隊も同じであった。


「普段はない人の流れがあると、その流れに乗ってヒトならざるモノ達も移動してきやすいんだ」

「そしてその流れに、ただのヒトは気付かない。よって我らイライザ特殊部隊の出番である……と?」

「面倒だけど、そこに気を配るのは『夜の住人』を従える『公爵ヘアツォーク』の領分でもあるから、仕方がないよねぇ」

「……とか言って隊長。狙いはパーティー会場で出されるスイーツでしょうに」

「あ? バレた?」

「厨房係に探りを入れていること、知ってますからね」

「中々に豪華なんだよヨル君! 普段は食べられない珍しいお菓子がいっぱい出るみたいだから、会場警備は僕達でやろうねっ!」

「本当に警備するつもりあるんですか?」

「あるよぉ、失礼だな〜!」


相変わらずスイーツ(と副官)にしか興味がない少年隊長リーヒを引きずり、皇帝密命の下、裏から会場警備を担うことになった隊長副官ヨルとイライザ特殊部隊一行。


……と言ってもそこはイライザ。パーティー会場で饗されるスイーツにしか興味がないリーヒ(※ショタに擬態する君主)、エルランテ公国の服飾品の方が気になるロゼ(※生物学上『男』の魔女)、イマイチ行事の重要性が分かっていないヴォルフ(※ヘタレ人狼)、人混みは苦手なキルケー(※でも頑張るテレパス少女)、「私は本職に忙しい」と顔も出さないアッシュ(※憑いた悪魔よりも厭味で傲慢なお貴族サマ神父)とメンバー達は今日も変わらずマイペース。


「……まぁ、それでもなんとかなるのがイライザなんですがね」


溜め息をつきつつ、せめて自分だけは職務に対して忠実であろうとするヨル。


しかしそんなある意味『イライザの日常』とも言える緩い空気は、エルランテ公国公女が連れてきた【従者】を前にして消し飛ばされる。


「ご機嫌よう、偽りの蒼百合」


深い青を引き連れた【死神】は、優雅に笑う。


「わたくし達こそが、本物の『死の蒼百合イライザ』ですわ」


かつて玉座に就いた同族……エゼリア皇帝家を見限り、自分達で新しく国を建てた『開国の祖の能力を正しく継承する皇帝一族』エルランテ。


エゼリア本国が『従国』と蔑む……蔑んでいなければ周辺国家に対して体裁が立たない相手。その次代の主たる大公姫・アイシャが『本国』エゼリアに乗り込むにあたって用意してきた懐刀は、リーヒがイライザを設立する際に参考にした【暗殺部隊】を率いる少女……『名のなき御方ナーメンローゼ』の名で呼び習わされる【死神】だった。


さらにその副官たる青年が目の前に立ちはだかった瞬間、リーヒの瞳は真紅に凍てつく。


「『四大公爵ヘアツォーク』の末席をけがしておきながら、己がかしずく側に回るなんて正気なのか『深更の公爵ミッターナハト』!」

「偽りの皇帝家の傘下に入ったお前になじられるわれはないな、『黄昏の公爵アーベント』」


【死神】の副官たる美貌の青年は、リーヒと同格とされる『四大公爵ヘアツォーク』が一人、『深更の公爵ミッターナハト』。


『四大公爵』の中でも特に折り合いが最悪な相手の登場に殺気立つリーヒ。


だが【死神】が口にした目的にリーヒの殺意はさらに深まることに。


「そんなに御大層な方々が、たかだか公女の護衛に出てくるとは思えませんが。……目的をおうかがいしても?」

「わたくしは、お前が欲しい。宿命を捻じ曲げることを望む砂金、ヨル・ネーデルハウトが」

「……本心は?」

「あら、本気でしてよ?」


美しく微笑む少女は、フワリと優雅にヨルに向かって手を差し伸べる。


真紅の殺意をたぎらせる公爵など、視界に入れることもなく。


「その身に負った業、内に秘めた激情、その全てをを引っくるめて、わたくしはお前が欲しい。わたくしの手を取るならば、お前の身に絡みつく因縁ごとき、今すぐここで消し去って差し上げますわ」


漆黒に青を散らす死神。真紅に殺意をにじませる公爵。選択肢を与えられた砂金と、波乱を他所よそに粛々と進む本国登城口上。エゼリアとエルランテ、祖を同じくする二国の思惑と、その最奥でうごくモノ。


突如嵐を巻き起こした【死神】の思惑は。


それらを前にして『ヨル』が出す最後の答えは……


「だから、わたくしの手を取り、こうべを垂れなさい。アベル・“ヨルムンガルド”・ネーデル・エゼリア」


────────────────




こんな感じのお話を予定しています!


書籍版を読んでいなくても楽しめるとは思いますが、書籍版読了前提で書くので、書籍版を読んでいただいた方がより美味しく読んでいただけると思います。


『砂金』の名称とかアッシュの話とかは書籍版にしか出ていませんし、web版と書籍版だとヨルとリーヒが使ってるサーベルの設定が若干違うということに最近気付きました。


あと、書籍版では話の展開上、若干マイルドになってしまったヨルとリーヒのあれそれこれは、できればweb版の雰囲気を踏襲できればなと! 思って!! いますっ!! せっかくどこにも遠慮しなくていいし! いや、書籍版も好き勝手書いたけどもっ!!


連載開始時期は未定ですが、できれば来月くらいには始められればと考えています。毎年この時期は体調が安定しないので、体調が安定して、現在連載中の『比翼は連理を望まない』と連載が両立できる目処が立ち次第公開する予定です。


それまでは毎週金曜日22時更新の『比翼は連理を望まない』(書籍版のあとがきにちょこっと出てた、最終選考に残った3作品のうち、読者様からダントツにウケが良かった中華師弟物の連載版です)と、5/15に富士見L文庫様よりすずり朱華はねず名義で上梓させていただいた『華炎かえん葬奏そうそう』をよろしくお願い致します!


長くなりましたが、以上お知らせでした!

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