第十五話「人事を尽くさず天命を待つ」

こまろお嬢さまのコンセプト不明なよく分からん入浴施設を満喫した?三人はようやくそれぞれのマイハウスへと帰宅なさるようです。そういえば、パイ型時限爆弾を喰らったお二人が温泉に入り始めたの放課後でしたね…忘れていましたわ。

金持ちゲスゲス令嬢様は超高級移動式銭湯バスでそのまま邸宅へと戻られた模様。またもや、天然っ娘とお調子者の水入らず。ってかあの銭湯、どんな仕組みで作られてんだよ!ホンマ。


「疲れが取れたどころか逆に溜まったわ。アイツ…いつかギャフン!と言わせてやるからな!」


「ほまれちゃん。『ギャフン』ってどんなフンのこと?」


「『ギャーギャー』喚かせた後にク○を踏ましてやる事だよ。あひちゃん。」


もはやキャラの立ち位置どころか、愛らしい日常系癒しギャグ作品からもかけ離れたお下品さを披露する柿木ガール。いつかその『ギャフン』が成功するときが来るといいですね。・・・ミイラ取りがミイラになる結果しか想像できませんけれども…(笑)


「そういえばさ、明日社会科のテストがあるんじゃなかったっけ?…ほまれちゃん大丈夫そう?」


「えっ!?・・・あっ、なんかそんなこと言ってた気がするわ…入学前全然勉強してないからやべ〜。」


「私は今回は何とか頑張れそうな気がするよ。最近いろいろと社会勉強したし。」


「あひちゃん、マジ!?(間抜けそうに見えて実は人一倍の努力家で、ひょっとして秀才!?)」


ほまれさん、心の声までも汚くなられたかw…

他方で桃咲さんは今回のテストには自信がおありのようで。いや、しかしよく考えてみて・・・


…地歴に詳しいあひりさん

…政治に詳しいあひりさん

…経済に詳しいあひりさん

…現代社会に詳しいあひりさん


・・・ごめんなさい。規格外すぎて想像ができませんw


「えーと。例えばスマホの写真の撮り方とか、サプリだかナポリだかのダウンストロールの仕方とか、あとは…挨拶はコミュニケーションで重要だとか、それとそれと・・・(以下云々)」


「あ〜、ストップストップ!やっぱ、あひちゃんはあひちゃんだったわ。よしよし、社会の勉強頑張ったね!…それ試験に出ないけど。」


はい、思っていた通りでした〜。だって彼女は過去に二択の○X問題100問で0点を取ったという前人未到の功績を残したレジェンドですからw

100点取るよりムズイだろっての。アハハ!!


「じゃあ、そんなあひちゃんに問題(デデン!!)鎌倉時代の将軍と御家人との関係にあった言葉、御恩と何でしょう?」


「ご、御恩と…えーと…将軍さんって偉い人だよね。偉い人が頑張っている人にご褒美をくれるのが御恩でしょ。でもそのご褒美がもし貰えなかったら・・・分かった!頑張っているのにご褒美が貰えないとウワー!!って叫びたくなるから答えは咆哮。この前スマホで知ったんだ〜、この言葉//」


「お、おう…御恩と咆哮って・・・いや、ひらがなで書けば正解だけどさ…」


「そ、それじゃあ、あひちゃんにもう一問(デデン!!)神の見えざる手とは何でしょう?」


「か、神の見えざる手?・・・うーん。見えざるだから見えないお猿さんのことでしょ。それで、神様も見えないでしょ…分かった!お猿さんも神様も見えなくて、私たちじゃもうどうすることも出来ないから、ほったらかしといてもなんか上手いこといってくれるってことじゃない?・・・どう、ほまれちゃん!」


「は…え、え〜と〜…(おバカなのか賢いのか分からんぞ!この娘…)」


すいません、さっきの嘲笑忘れてください。内容ハチャメチャなのに核心を突いたアンサーが出るこの娘は何者w?

あともう少し頭のネジがしっかり閉まっていれば、エリート路線を行けたのではないかという不思議ちゃんですね。きっと明日のテストも大いなる成果を出してくれることでしょう。我らがレジェンドですから!!





「は〜い、社会科の試験始めますよ。自分の席に着いて〜。」


日付変わって、翌日の試験日です。

昨日のあひ・ほまコンビはあの後も別れ道まで、あひりさん珍回答のクイズ大会を続けていたみたいです。

まあ、お二人ともお家に帰った後は、さぞ死に物狂いで勉強をしたことでしょうね〜。


「ほまれちゃん、もう勉強はバッチリ?」


「そりゃ〜、家帰ってすぐ寝たから試験対策バッチリだぜ〜!・・・これもどっかの悪役令嬢様のおかげよ(ったくアイツは…ブツブツ)。そういうあひちゃんは?」


「私は徹夜で勉強してたよ。凄く頭が良くなったと思う!!えーとね(ガサゴソ)・・・ほら、この教科書で。」


「…いや、それ小学生の社会科教科書なんですけど・・・」


・・・た、たしかに試験対策で睡眠と基礎学習固めは重要ではありますよね〜。ケアレスミスを防ぐことで失点を防ぐ。き、きっと彼女らはそういう思惑があったに違いない!いやそうだ、絶対そうだ!…とでも言っとけばいいっすか?→実際の心の声(あっ、ダメだこいつら…オワッタなw)


「問題用紙と解答用紙配ります。後ろに回してくださ〜い。」


社会科の先生が前列席の人に問題用紙と解答用紙を渡していき、それが後ろの席の人へと回っていく。手元に回ってきた問題用紙をチラ見した柿木さん、余裕の表情。同じくこまろさん、余裕の表情。同じく桃咲さん、余裕の表情。どうやら問題内容はそれほど難しくはないっぽい?・・・絶対ダウトな人がいるとは思いますがねw


「それでは、試験開始!!」


いよいよ、勉強(をしていない奴ら)の成果を見せる戦いが始まりました。あひりさんは開始早々、シャーペンを持つ手が止まっております。前日の謎理論から導き出す、核心を突く解答を生成するのに時間を要しているのでしょう・・・解いてるの二択問題ですけど。

ほまれさんはというと、最初の方の問題はスラスラっと。やや難しめな問題にぶち当たったのか途中で手が止まる。頭をカキカキしながら数分考えた末・・・机の上に準備していた鉛筆を転がして『D』と解答。運も実力のうちという事らしいです。

そして、こまろ大財閥令嬢。なんとまだ一問も手をつけていないという余裕。・・・おや?なぜか彼女だけ問題用紙と解答用紙とは別にもう一枚用紙がある。こ、これは極秘ルートで入手した(であろう)模範解答用紙!?・・・学問に知を使わず、社会構造に知を使う戦略のようだ。

・・・・・・って、ここまで状況解説を致しましたが、一つ言わせて欲しい。

『真面目に試験受けてるのモブ達だけじゃないかよ!!もうお前ら、役降りろw』





「はい、試験終了!後ろから用紙集めて。」


入学最初の社会科テストが終了致しました。桃咲さんはエネルギーを使い果たしたのか頭から湯気を出しながら机に伏せておられ、ほまれさんは結構自信があったのかルンルン気分♪

こまろさんはテストなんてあったのか?と思わせるぐらい、冷静でいつも通り。


「お二人とも、社会科の考査は如何でしたか?」


「アレそんなに難しくなかったよね。余裕だったわ!ワンチャン100点あるわ、絶対。」


「ほまれさん随分と自信がおありのようですわね。そういえば、解答用紙回収の時にワタクシの前の席の『名無しの権兵衛さん』の解答用紙見えちゃいましたけど…アレはどなた様のですかね?…鉛筆コロコロ転がして運任せに全問解いて0点は悲しいですわね〜。」


「こまろちゃんの前の席って…間の人欠席だったから私しかいないんだが・・・名前書いてなかったってマジ?しかも鉛筆コロコロバレてるし…」


お調子者の余裕綽々だった表情が血の気が引く表情に変わっているのですが…ってか、運を天に任せる鉛筆コロコロ使っときながら、難しくなかったとか100点あるわとかその自信はどこから湧いたんだよ。本日の星座占いで1位にでもなったのかw


「えっ、あのテストそんなに簡単だったの?私、最初の一問目を終わった時にはもう残り時間が10分しか無かったから、慌てて大急ぎで全部解いたんだよ。おかげで頭痛くなっちゃったよ。」


「・・・いや、最初の問題二択だっただろ。どこでそんな時間かかるのよ…それよりも10分で残りの問題を全部解いたことの方がヤバいわ。」


「あの一問目の問題は答えはAですけれど、厳密にいえば実はBも強ち間違いではないのですわよ。あひりさんはそこで悩まれたようですわね。」


「えっ!?アレってAかBで答えればよかったの?分からなかったから『分かりません』って書いちゃった…」


「・・・(惑わされてはいけませんわ、こまろ。これはあひりさんの陽動作戦とも取れる行為ですのよ。彼女の目的は何ですの?今度はワタクシをどんな手で貶めようとしているのですか?…ダメ、考えてはいけない。思考が乱されてしまう!!)」


「・・・(ああ。やっぱ、あひちゃんはあひちゃんだね〜…)」


皆様、これを馬鹿正直と言います(笑)

もし、テストで分からない問題があったら空欄にせず、『分かりません』と書けば良いのです。さすれば正直者は素晴らしい!と特別に点数をもらえることに・・・ってなるわけねーだろ!ぼぁーかw

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