第7話 リア充、キレる(編集)

「それにしても今週も今日で終わりだね」


「.....平然と俺に話し掛けてくるね。お前さんは」


「え?何か問題があるのかな」


教室で杉山が当たり前の様に俺に話し掛けてくるんだが。

かなり鈍感過ぎるのだが。

俺は困惑しながら杉山を見つめる。


何というか非常に困るんだが。

登校したら早速話し掛けてきやがった。

俺との関係性って内緒にするべきでは、と思うのだが。


「あのな。お前が話し掛ける事自体が問題がある。この教室では取り敢えず距離を保つべきだ。お前自身が可愛すぎるリア充なのに非リアのボッチに頻繁に話し掛けているし付き合っている訳じゃないし色々と何考えてんだ。これは絶対にマズイ」


「そうかな?君に興味あるだけだけど私は。何か問題があるのかな」


「当たり前だろ。俺を観察するのは良いがその前に周りを観察しろ先ずは。ヤバいと思うぞ」


そんな取っ替え引っ替えの様な会話をしていると。

リア充のノリの良い男子生徒が杉山に、もしもしー、と話し掛けた。

そんなつまんない奴と遊ばずに俺達と遊ばない?杉山さん、と。

ほらな、と思いながら杉山を見ると。


杉山は冷ややかな目をしていた。

睨みを効かせる様な。

俺は目をパチクリしながら見る。


そして杉山が口を開いた。

貴方の方がつまらないのでどっか行って下さい、とあしらった。

するとリア充は不愉快そうに口を開く。


「本当に物分かりが悪いな。そんな奴の何処が良いんだよ」


「良し悪しの問題ですね。私は興味のある対象しか興味が無いので。まあその中で貴方はつまらないと判断します。だから今回はごめんなさい」


「チッ。何が良いんだか。よく分からん」


流石は塩対応の杉山さんですね。

全く興味無いやつをバッサリ斬りやがった。

俺は苦笑いを浮かべながら、そう言えば来週はバレー大会だよね、と言ってくる杉山を見つめる。

本気で周りに興味無いんだな、と思う。


「何でお前さんはそんなに周りに興味無いんだ?」


「興味が無いんだよ。.....君と友人以外は必要無いって思うしね」


「あ、そうですか.....」


可哀想なリア充達。

俺は思いながら見ていると。

何だかリア充同士がコッチをチラチラ見ているのに気が付いた。

俺は嫌な予感を覚えながらも敢えて無視していたのだが。

事件が起こった。



しかし4時限目だが杉山が席を外した瞬間。

俺が屋上に連れて行かれる、という事件が起こる。

何故俺かって?

それは見ているとつまらないとか思っている奴らが居るんじゃないの?多分。

考えながら目の前の奴らを見る。


「お前さ。なんなのマジに。イラつくんだけど。非リアの癖によ」


「教室でイチャイチャすんなっての」


2組のリア充。

俺は額に手を添えながら、俺だって嫌々ながら付き合っているんだが、と答える。

好き好んでアイツと付き合っている様に見えるか?

節穴か何かかな。


するとリア充は、へー。そうなのか?なら俺らにも教えろや。杉山さんと付き合う方法、と脅す様に言ってくる。

嫉妬か何か猿ですかね?


今言ったよな?俺。

知らないからな俺は付き合い方なんて。

流石ボケナスは違うな。

考えながらリア充を見ていると。

屋上のドアが思いっきり開け放たれた。


それから杉山が、笑みを、というか。

完璧にキレている様な笑みを浮かべていた。

俺は驚愕する。

それから俺の手を静かに引く杉山。

そしてビニール袋を見せてくる。


「今日はパン買ったよ。一緒に食べよう」


「オイコラ。何やってんだ。まだソイツと話は終わってねーよ」


リア充が俺達の前と後ろに立つ。

ニヤニヤしながら、だ。

だがそうしていると杉山が真顔で、退け、と言った。

その言葉にリア充は、お前も本当にウザいな、とか笑いながら言う。


あーうん。

いやまあこういうの好きじゃ無いんだがしゃーない、と思っていて男として廃るしどうするか。

そんな事を考えていた瞬間。


杉山が思いっきり1人のリア充の足を踏み潰した。

リア充は激痛故か、ぐあっ、と悲鳴を上げて転ぶ.....え!?どんだけのパワーだよ!

俺は青ざめながら見つめる。

そして冷徹な眼差しでリア充を射抜いた。


「邪魔。興味無い」


「お前マジに調子に乗るな!」


もう一方のリア充がキレて飛び掛ろうとしたがそれを杉山はそれを避けてから。

そのまま、また足を踏み潰す。

俺はあまりの出来事に、おー.....、としか言えず。

そのままリア充達は、クソが!、と退散した。

俺は唖然としながら杉山を見る。


「興味無い奴らは本当にウザいからね」


「正直お前がそんな強いとは思わなかったんだが。何か習っているのか?」


「柔道やってたから背負い投げしようと思ったけど。あはは。裏垢がバレてストーカーされた時用だったんだけどねぇ。柔道習ったの」


「マジかお前」


マジかコイツ。

ホンマにただ単にエロ女であるとばかり思っていた。

そんなもんを習っているとは。

俺は考えながら愕然とする。

すると杉山はそれはともかく、と笑顔を浮かべてからパンを取る。


「不愉快な気持ちはエッチで吹き飛ばそう」


「何か間違えてるぞ。お前」


「まあまあ。今日はTバッグ履いてるよ?ほら」


え?、と思った瞬間。

スカートを捲って見せてきた杉山。

そこには股に食い込んだ赤色のTバッグとやらのパンツが.....じゃねーよ!!!!!


何か股の間がしっとりしてるしな!

一体何を考えてんだこの!

考えながら俺は真っ赤になる。

両手で顔を覆いながら。


「止めろこの馬鹿!学校だぞ此処は!言い損ねてたけど!」


「まあ君が私にエッチな事をしてくれたら止めるよ」


「やらん!死ね!」


「もー。本当につまらないなぁ。まあだから君には興味があるんだけどねぇ」


口元に手を添えてニヤニヤしながら俺を見る杉山。

俺は、このクソ馬鹿が、と額に手を添えながらの思いながら。

ニコニコしながら、一緒にパンを食べよ、と言われたのでパンを成り行きで取りつつ奢りだというパンを食べた。

丁度カレーパンである。

カレーパン好きと書いてあったのだろうかメモ帳にでも。

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