第5話 幼馴染と美穂と東と(編集)

杉山と一緒にタピオカティーのお店に向かう。

その間の事だが杉山はチラチラと俺を見ていた。

そして見ればニコニコしながら俺を見てくる。


俺は苦笑いを浮かべてその顔を見る。

何なんだコイツ、と思いながら。

それからお店に着いた。

そしてお店の中に入ろうとすると杉山がこう言ってきた。


「私は君が何が好きかとことん知りたいしね。.....それから色々と好きなものを。全てを知りたいかもね」


「いや意味分からない。何でそこまでするんだ」


「私は君を観察対象だと思っているから。エッチな事に巻き添えにしたくなってくるしね。アハハ」


「.....?」


顔を引き攣らせながら俺は杉山と一緒に店内に入ると俺は見開いた。

何故なら目の前に。

俺の幼馴染の朝日が居た。


タピオカティーを飲んでいる。

小鳥遊朝日(たかなしあさひ)。

女子高生の同年代でバスケ部所属。

17歳になったと思うが。

高身長になっている。


顔立ちは少しだけ凛としているが。

それで居ながらも柔和な美少女。

つまり凛としたものと凛としてないものが調和している。

そして俺の学校では無い黒いブレザーなどに身を包み。

髪の毛をポニテで結んでいる。


俺の顔を見ながらビックリする。

そして杉山を見て更にビックリした。

何というかその。

俺もビックリなんだが.....どう言う事だ。

こんな場所で会うなんて、だ。


「よお。久々だな.....っつーか元気か?別の学校行ったろ」


「まあ元気だよ。.....それにしても久々だね。アハハ」


とりあえずは.....返事をしてくれただけでも有難いか。

朝日とはかなり遊んだ中だ。

だけど今は男女の壁に亀裂が入っている。


亀裂ってのは要は思春期である。

その為.....幼馴染でもあまり話をしないのだ。

困ったもんだよな.....とは思うけど。

丁度良いとは思う。


「えっと.....じゃあ.....邪魔だろうし」


朝日は用は済んでいるのかそのまま去ろうとした。

のだがその手を杉山が思いっきり握る。

待って待って、と目を輝かせながら言いつつ、だ。


貴方はもしや幼馴染属性さんで長野くんの幼馴染ですか?、と聞く。

何を聞いてんだオイ。

すると朝日は驚愕した様に眉を顰める。


「えっと.....確かにそうだけど.....」


「じゃあその。お話を聞きたいんだけど良いかな」


「え?何のお話。って言うかどちら様ですか?」


「私は長野くんの実験者!」


「は?」


実験者っておま。

いや呆れているからな。

俺は顔を顰めながら.....杉山を見る。

そして、杉山。行くぞ、と言いながら彼女の手を引いて出口にそのまま歩き出す。


だがその事に、待って。東、と声がした。

今度は何だ、と思いながら顔を後ろに向けると。

すると朝日が少しだけ赤くなりながら俺を見ていた。

俺をジッと、である。


「その娘は彼女さんなの」


「そんな訳ないだろ。コイツが彼女だったら実験者とか言わないだろ」


「じゃあどういう関係なの」


「友人.....違うな。まあ色々な関係。ん?何でそんな事を聞くんだ」


わ。私はまあ東の日常もそこそこに心配しているから。

悪い女とかに取られてないか、と言いながら。

手に持っているタピオカティーを思いっきり吸い込む。

俺は???を浮かべながら朝日を見る。

朝日は、と。とにかく!、と声を発した。


「その娘と一緒なのはあまり気に入らないんだけど」


「意味が分からない.....ぞ?お前さん。何で?」


「私は.....」


困惑しながら俯く朝日。

俺はその姿を見ながら?を浮かべる。

曖昧な空気が流れ始めた。


そうしていると1人だけピーンと来た様な感じでニヤッとした杉山。

何だコイツ、と思っていると。

杉山が腕を絡ませて.....オイ!?

そして奥に進んで行く。


「あっち行こ。東くん♪」


「は!?は!?何で突然名前.....」


「!!!!!」


何だ一体!?、と思いながら杉山を思いっきり見る。

いきなりだな!、と考えつつ。

すると朝日が顔を顰めて少しだけ震える。


そして、最低、と言いながら怒った様に去って行ってしまった。

俺はますます何も言えなくなる。

どうなって.....オイオイ。


「何が起こっているんだ!?」


「えへへ。ちょっと面白くなってきたって感じだね」


「何が!?馬鹿なのかお前は!」


俺は訳も分からず。

訳も分からないまま成り行きでタピオカティーをそのまま購入してそのままタピオカティーを飲みながらそのまま席に座る。

それから杉山を見た。

杉山は、ふむ、という感じを見せてメモを取る。


「やはりさっきの。まあ間違いないね」


「何が間違いないんだ。何がどうなっている」


「答えないよ?アハハ」


「お前絶対に何か隠しているだろ。良い加減にしろよ」


訳分からないんだが。

そもそも何で俺は朝日に、最低、と言われなくてはならないのだ。

俺は盛大に溜息を吐きながら杉山を見つめる。

そんな杉山はタピオカティーを飲みながら笑顔になる。

そしてニコニコし始めた。


「このタピオカ屋さんに来るのが楽しみだったけどこんな収穫があるなんてね」


「は?」


「それも恋人と♡」


「お前冗談で言ってる?それとも本気?」


「私は恋人は3万人居るからね」


「それはエロ垢の事だよな?割とガチに最低だな」


コイツこそ真のボケナスのカスだと思う。

俺は考えながら.....額に手を添えながらそのまま首を振った。

嫌々ながら来たらえらいこっちゃ。


考えつつタピオカティーを飲む。

朝日には後でメッセージでも送るか、と思っているとピコンと鳴る。

それはメッセージアプリの朝日だった。

2年ぶりぐらいのメッセージだ。

既読が2年前だしな。


(恋人じゃないのになんであんな女子とイチャイチャしてるの)


(確かにな。アイツが一方的に絡んでくる)


(そうなんだ。ふーん。そうなんだ。まあ良いけどね。腹立たしいけど)


(いや。何で怒っているの?お前)


(別に怒ってないし。別に)


いやいや怒ってますよね?

本当に女子の心ってのは厄介だな.....俺は考えながら目の前の杉山を見る。

杉山は、もしかして朝日さん?、と聞いてきた。


その言葉に、ああ、と答える。

すると杉山はまたさっきの顔を見せた。

校門辺りで見せた顔だ。


「まあその。朝日さんの事も素直に応援したいんだけどね。応援出来ないな」


「は?何を応援するって?」


「秘密。内緒。アハハ」


「内緒ばかりだなお前.....」


腹立つなコイツ。

マジに.....うん。

しかし俺って何か大変な事に巻き込まれていませんかね?

それもかなり俺自身が気付かぬうちに。


顔を引き攣らせながら俺は顔を引き攣らせつつ。

そのまま無くなったタピオカティーのパッケージの空を見つつ考えた。

何だか嫌な予感しかしない。

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